小学校でも、
教師に対する暴力は
普通に存在している。
例えば先日のこと……
掃除の時間に巡回していると
「いたい! やめてよ!」
女性教師の声が聞こえる。
行ってみると
4年生のC君が
副担任のB先生を叩こうとしている。
B先生は
「ふざけていて
度が過ぎただけだよね。」
回りの児童に聞いてみると
「C君がB先生のお尻を叩いていて、
B先生が『やめてよ』と言ったら
C君が『じゃあ、頭ならいいんでしょ?』と
頭を叩いていた。」
明らかな
現行犯である。
しかし、
状況を確認している間に
C君は消えてしまった。
「ふざけるにしても
やり過ぎですよね。」
B先生と話しながら
4年生の教室へ…
「あなたのしたことは
明らかにいけないことですよね!」
C君を見つける瞬間に
語気を強める。
C君も周りの児童も
4年生の教室の
空気が固まる。
「滅多に叱らない教頭先生が
これだけ怒っている理由が分かりますか?」
教室に来るまでの間に
状況は確認済みである。
C君の表情を見れば
「しまった!」
反省と戸惑いの色が見える。
「何が良くなかったのか、
よく考えなさい。」
そう言って、
短時間で指導を終える。
長い「お説教」は
指導の焦点がズレる。
児童が逆切れして
話がこじれる可能性も上がる。
「ちょっと
楽しくなってしまっただけだよね…」
B先生がB君を慰める声を後に
職員室へ戻る。
状況を聞いた
4年生の担任A先生が
「私からも強く指導します。」
勇んでいるのを止めて
「先生は叱るのではなく
諭してあげてください。
これ以上叱ると
逆切れされて
こじれます。」
放課後、
A先生に様子を聞くと
上々の幕引き。
「あの後、
苛立ちと戦っていましたが
最後には
『自分が悪かった。
もうしない。』
と反省していました。」
「そんなに簡単に
改善できるならば
苦労はしない。
教育は漢方薬と同じです。
またまだ失敗すると思うけど
少しずつ成長させて
いきましょう。」
「今回は特に、
B先生の精神が心配だから、
特効薬的な指導をしました。」
一旦は決着した。
どの学校でも
10名に1名の割合で
「配慮を要する児童」が隠れている。
教職員も
チームで役割を分担して
組織的な指導に
当たっていく必要がある。
若手が育つまで、
もう少しの間、
「冷静な管理職」を
演じ続けるかぁ……