たまにお客様から『畳から虫が出た』とご相談を受ける事があります。
今回も畳に付く不快害虫を紹介したいと思います。
ここで注意して欲しいのは畳から発生したと勘違いされる事が多いのですが、実際は畳が発生源ではなく、畳に寄ってきて繁殖してしまうという事を分かって頂きたいと思います。
それを踏まえて畳の害虫駆除や防除法などを参考になさってくださいませ。
先日相談を受けた害虫が 《 シバンムシ 》 です。
シバンムシとは体長1㍉~3㍉(ゴマの様な大きさ)の赤褐色(茶色)の小さな甲虫で畳の上などをチョコチョコ歩き、飛ぶ事も出来ます。
タバコシバンムシ
加害された畳、丸く小さい穴が開きます
タバコシバンムシ
畳を食害するのが、タバコシバンムシで成虫は5月~10月までの間によく活動し、主に粉物(小麦粉など)や乾麺、乾物などを好んで食害します。
また、ドライフラワーや肥料(油粕など)、昆虫標本なども食害します。
シバンムシの厄介な所は何でも食べ、飛ぶ事もできるので(蛍光灯などの光に集まる)発生源を見極め、早めの駆除をしたほうが良いでしょう。
畳を加害した場合、畳表に2ミリ~3ミリほどの小さな円い穴を空けます。
和室に大量発生してしまうと畳の至る所に小さな穴が見られ、幼虫はワラやイグサを食べ育ちます。
シバンムシ自体は人を咬んだり、刺すことはありませんが、繁殖してしまうとシバンムシの幼虫に寄生する アリガタバチ (体長2㍉程度)が発生し、人が刺されるなどの二次被害に繫がる事があります。
※アリガタバチ(雌)に刺されると腫れや痛みを伴い、痒みが続きます
駆除方法としては、粉物、乾物や乾麺など加食されてしまったら廃棄、(予防としてビンなどに入れ密封する)標本やドライフラワーなどに付いてしまったら廃棄して、シバンムシのいる部屋で害虫用バルサンを焚きます。
畳が加害された場合、和室で害虫用バルサンを焚き、畳の下にはスミスリン粉剤を撒く事が有効です。
酷い場合(大量発生してしまった場合)は畳床から入替えるか熱乾燥機などで加熱駆除します。
【バルサン いや~な虫用】
シバンムシ、チャタテムシ、アリガタバチにも効く有効な薬剤です
予防方法は掃除機をかける、台所の食品などはきちんと保管し(密封、密閉)なるべくお部屋の湿度を抑えましょう。
但し、なんでも食害するシバンムシの侵入を防ぐ事は非常に困難でありますので、大量発生させないように日頃から住いの手入れを心掛けてください。
畳に関するカビや害虫(ダニ)など何でもそうですが、日頃から掃除など手入れが行き届いていれば殆んどの事は予防でき快適にすごす事が可能です。
ワラ畳だから虫が出るという事はありません。
夏は涼しげに、冬は暖かく、ゴロリと横になれる寛ぎの空間。
きちんとした使い方、手入れをし快適なタタミライフを送ってくださいませ。