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重松清著『たんぽぽ団地のひみつ』感想。懐かしさと未来へのワクワク

重松清さんの『たんぽぽ団地のひみつ』あらすじ・ネタバレ感想。
取り壊しが決定したたんぽぽ団地は、かつてテレビドラマのロケ地だった。
懐かしさと未来へのワクワクが一緒に楽しめるストーリー。


『たんぽぽ団地のひみつ』

著者:重松 清
発行:株式会社新潮社
(新潮文庫)
たんぽぽと蜂の画像 tataraworks


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『たんぽぽ団地のひみつ』あらすじ 

取り壊しが決まったたんぽぽ団地は、かつてテレビドラマ『たんぽぽ団地のひみつ』シリーズのロケ地であった。
5年もスランプ中の映画監督・小松亘は、少年時代にそのドラマの主人公を演じた子役・小松ワタルくんだった。
ワタルくんの唯一の主演ドラマだけあって思い入れがあるたんぽぽ団地の取り壊しを知った小松亘は、取り壊される前に映画を撮ろうと動く。


沖田杏奈は父・直樹とともに、祖父の徹夫が1人で暮らすたんぽぽ団地を訪ねる。
祖母・昭子が亡くなってから1人暮らしをしている上、団地から出て行かねばならなくなった徹夫を説得するのが目的だ。
徹夫が住む5号棟は『たんぽぽ団地のひみつ』シリーズの撮影にも使われたが、今はもう徹夫しか住んでいない。


思い入れがある人々が集まってくる中、杏奈は団地が再び映画の舞台になると知る。
そして偶然、出演予定の子役・美咲カノンと知り合う。
直樹の同級生チコさんの息子・純平くんはカノンのファンだった。
時空たつまきに飲み込まれた杏奈たちは、まだおじいさんやおばあさんが若かった頃のたんぽぽ団地へ飛んでいく。

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『たんぽぽ団地のひみつ』ネタバレ感想 

今の時代、子供が登場するとどうしても“いじめ”ネタを書くことになる。
それだけ日常的にいじめがあるってことか。
194ページで、直樹の同級生だったチコさんは嗚咽まじりにこう言う。
「昔のほうが絶対によかったよね、昔の小学生って、もっと優しかったよね、こんなにひどいこと、思いつかないよね、みんな仲良しだったもんね……」


確かに今の子供の発想って悪魔的で、性根の悪さにゾッとする。
殴る蹴るみたいなんじゃなくて精神的に追い詰める手口でさ、しかもいくらでも言い訳ができるんだよね。
それは正しいこと、正義でしかないように聞こえるような言いぐさでさ。


昔だっていじめっ子はいた。
でも、いじめっ子はちゃんと大人に、親に、近所の人に、先生に叱られたんだよ。
先生だってゲンコツくらいならできたよ。
今はさ、間違いを正さないで間違った事をやっている子供をかばうばかりで、傷つけられた方を放置しちゃうからね。
そりゃ性根の悪いいじめが蔓延るよ。


ついいじめの話ばかりしてしまったが、『たんぽぽ団地のひみつ』はいじめがメインの話ではない。
ノスタルジックなファンタジーである。
時空たつまきに飲み込まれると1970年代へ行って、大人はやり残したことに挑戦したり、こども達はそれをきっかけにもっと未来へ進もうとする。
その中で、多少都合が良いような気がするが純平くんのいじめ問題もケリがつく。


時空たつまきなんてものがあれば私も攫われたいわ。
やり残したことや後悔していることが山ほどあるんだもの。
そして、死んだ人に会って生きている時には聞けなかったことや教えてもらえなかったことを聞いてみたいと思う。


以上、『たんぽぽ団地のひみつ(新潮文庫)』感想でした。

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ご訪問ありがとうございました(人´∀`*)

コメント一覧

tataraworks-lynx50
@corgi_yume 夢母さま、コメントありがとうございます。
あ!読んでましたか?
すみません、あまりネタバレしないように書いたつもりでしたが、読書の邪魔になってなければいいのですが(~_~;)
重松さんのファンタジー、好きです。
corgi_yume
これ読んでる途中です(^^)v

重松清さんは
今一番ハマってます

まだ読んでない作品があるので
ワクワクします💛

短編集もいいですよね♪

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