友麻碧著『水無月家の許嫁 十六歳の誕生日、本家の当主が迎えに来ました。』あらすじ・ネタバレ感想。
相続争いがかぐや姫と天女の羽衣をベースに描かれるファンタジー。
相続争いがかぐや姫と天女の羽衣をベースに描かれるファンタジー。
水無月家の許嫁
十六歳の誕生日、本家の当主が迎えに来ました。
■著者:友麻碧
■イラスト:花邑まい
■デザイン:豊田知嘉
(ムシカゴグラフィクス)
■発行:株式会社講談社
■発売:2022年3月15日
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『水無月家の許嫁』あらすじ・ネタバレ感想
★あらすじ
『水無月家の許嫁』あらすじ
4月の中旬、六花の父親が奇妙な病で亡くなった。
皮膚に光る石が生えて、体がミイラのように干からびて……。
そんなだからお通夜にもお葬式にも人を呼べなかった。
49日に父親の知り合いを呼び簡潔な法要を行うが、父が実家と縁を切っていた為、骨をおさめる墓も分からない。
皮膚に光る石が生えて、体がミイラのように干からびて……。
そんなだからお通夜にもお葬式にも人を呼べなかった。
49日に父親の知り合いを呼び簡潔な法要を行うが、父が実家と縁を切っていた為、骨をおさめる墓も分からない。
法要の日は六花の16歳の誕生日だった。
六花の左手には青緑色の石がポツポツと生えてきており、それは父の病気の症状と同じだった。
症状が進めば干からびて死ぬ。
六花の左手には青緑色の石がポツポツと生えてきており、それは父の病気の症状と同じだった。
症状が進めば干からびて死ぬ。
「死ぬくらいなら、うちに来ませんか」
そう六花に声をかけたのは、少し浮き世離れして見える喪服姿の青年だった。
『水無月家の許嫁』ネタバレ感想
キャンペーン期間中に買ったので、おまけに講談社文庫のボールペンが付いてきた。
最近、なかなか小説を読めず、今頃になってやっと読み終えた。
最近、なかなか小説を読めず、今頃になってやっと読み終えた。
このお話は『竹取物語』と『羽衣伝説』をベースにしたファンタジーだ。
『竹取物語』と『羽衣伝説』は関連性があるとされている為、『水無月家の許嫁 十六歳の誕生日、本家の当主が迎えに来ました。』もそれに沿ってキャラクター設定がされているようだ。
昔話は現代人が読みやすいように多少アレンジされているけれど、本当はそんなに綺麗事ばかりではなく、神話などはえげつない部分が多々ある。
『竹取物語』にしても『羽衣伝説』にしても、突き詰めれば人間の自己中心的な考えと欲の話だと思う。
『竹取物語』と『羽衣伝説』は関連性があるとされている為、『水無月家の許嫁 十六歳の誕生日、本家の当主が迎えに来ました。』もそれに沿ってキャラクター設定がされているようだ。
昔話は現代人が読みやすいように多少アレンジされているけれど、本当はそんなに綺麗事ばかりではなく、神話などはえげつない部分が多々ある。
『竹取物語』にしても『羽衣伝説』にしても、突き詰めれば人間の自己中心的な考えと欲の話だと思う。
『水無月家の許嫁 十六歳の誕生日、本家の当主が迎えに来ました。』は、美男美女の甘ったるい恋愛ものというわけではない。
シビアな相続争いがメインなのだ。
主人公の六花の父親は自分が助からないことを覚り、連絡を絶っていた水無月の本家へ向い、現当主の文也に許嫁として六花を託した。
だが、水無月家はなかなかややこしい家で六花には相応の危険がつきまとう。
親戚達も権利を手に入れようとしているのだから、当主の結婚話など円滑に進めたいわけがない。
シビアな相続争いがメインなのだ。
主人公の六花の父親は自分が助からないことを覚り、連絡を絶っていた水無月の本家へ向い、現当主の文也に許嫁として六花を託した。
だが、水無月家はなかなかややこしい家で六花には相応の危険がつきまとう。
親戚達も権利を手に入れようとしているのだから、当主の結婚話など円滑に進めたいわけがない。
本来、水無月の跡を継ぐのは六花の父・六蔵のはずだったが、許嫁がいるにもかかわらず外の世界の女性と恋をして駆け落ちしてしまった。
その代わりに当主になったのは分家出身の文也だった。
当然、他の分家から良いようには思われず、若い文也は苦労を強いられた。
それにも関わらず先が短いとは言え、今度は娘までお願いしますと言うのだから六蔵は勝手が過ぎると思う。
六蔵が文也に押しつけた迷惑を考えると六花は気が重いだろう。
まあ、優しい文也はそんなふうには考えていないのだが。
その代わりに当主になったのは分家出身の文也だった。
当然、他の分家から良いようには思われず、若い文也は苦労を強いられた。
それにも関わらず先が短いとは言え、今度は娘までお願いしますと言うのだから六蔵は勝手が過ぎると思う。
六蔵が文也に押しつけた迷惑を考えると六花は気が重いだろう。
まあ、優しい文也はそんなふうには考えていないのだが。
相続が絡む水無月家も大変だが、六花にとっては生き別れの母親と妹の存在が重すぎる。
父親が亡くなり法要の案内状を母に送ったが無視された。
ところが、六花が水無月家で世話になっていると知るや六花の双子の姉・六美を連れ水無月の本家へやって来るのだ。
父親が亡くなり法要の案内状を母に送ったが無視された。
ところが、六花が水無月家で世話になっていると知るや六花の双子の姉・六美を連れ水無月の本家へやって来るのだ。
「ここには“遺産”があると聞いたの。亡くなった曾おじい様の、莫大な遺産が」
(268ページから引用)
実の母親が自分の許嫁にこんな卑しいことを言うなんて恥ずかしくて消えてしまいたくなるだろう。
六花の気持ちなどお構いなしに、母親は六蔵には遺産の取り分があること、六蔵の長女は六美であり六花が相続するのは不相応だと主張する。
六花の気持ちなどお構いなしに、母親は六蔵には遺産の取り分があること、六蔵の長女は六美であり六花が相続するのは不相応だと主張する。
六花は間違いなくこの母親が産んだ娘だが、母親は六花をとても嫌い、六美を溺愛している。
文也の前で六花のことをブス呼ばわりしたり、とにかく酷い。
実の親からここまで否定されるとは。
母親にとって六花こそ自分の幸せを奪った憎い相手なのだ。
あの母親は何十年経っても六花を愛することはなさそうに思える。
文也の前で六花のことをブス呼ばわりしたり、とにかく酷い。
実の親からここまで否定されるとは。
母親にとって六花こそ自分の幸せを奪った憎い相手なのだ。
あの母親は何十年経っても六花を愛することはなさそうに思える。
六蔵は、育児放棄された六花を守る為に駆け落ちまでした妻と離婚した。
離婚しても六蔵は妻に対し愛情を持っていた為、六花は父の本心を思うと自分の存在を肯定することができずにいた。
ここまで酷い女性を好きでいられる六蔵の気持ちも私には理解できない。
六花の母親は六花が幸せになることが許せないから、一度追い払ったくらいでは懲りずにまたやって来るだろう。
離婚しても六蔵は妻に対し愛情を持っていた為、六花は父の本心を思うと自分の存在を肯定することができずにいた。
ここまで酷い女性を好きでいられる六蔵の気持ちも私には理解できない。
六花の母親は六花が幸せになることが許せないから、一度追い払ったくらいでは懲りずにまたやって来るだろう。
一応、ファンタジーなので可愛い生物が出てきて癒しを与えてくれたり、バトルも楽しめるのだが、1巻ではまだ序章といった感じで、これから相続争い、権力争いと争い事はどんどん増していきそうだ。
あっちもこっちも面倒くさい身内ばかりで、その分、六花と文也は分り合えるのかもしれない。
あっちもこっちも面倒くさい身内ばかりで、その分、六花と文也は分り合えるのかもしれない。
☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:☆。
ありがとうございました(人´∀`*)
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