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重松清著『なきむし姫』あらすじと感想。夫の単身赴任でワンオペ育児開始

重松清著『なきむし姫』あらすじ・ネタバレ感想。
ざっとまとめるとこんな感じ。
 ●なきむし姫のワンオペ育児開始
 ●モンスターペアレントの悩み
 ●自由すぎる幼馴染みケンちゃん


『なきむし姫』

著者:重松 清
発行:株式会社新潮社
  (新潮文庫)
tataraworks


子育ての悩み、教育委員会に圧力かけようとするお母さんなど、いろいろあるけど楽しく読めますよん。

☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…

『なきむし姫』あらすじ 

霜田哲也は、本社の平社員から関西支社の営業開発部主任に抜擢される。
33歳でこのポジションならまずまずの出世だが、哲也は素直に喜べない。
なんせ奥様は『なきむし姫』だから。
妻のアヤはとにかくすぐに泣くのだ。
転勤など告げたらどうなるか……。
案の定、アヤは散々泣いた。
哲也は何とかアヤをなだめ大阪へ旅立つ。


幼馴染み同士で結婚したアヤは、子供の頃から哲也に守られてきた。
それなのに哲也が単身赴任することになり、長男文太と長女千秋を一人で面倒みなければならない。
文太は春から小学生だが気が弱く、ストレスで熱を出すこともしばしば。
入学式も体調不良で欠席してしまう。


そんな時、幼馴染みのケンちゃんが一人娘を連れてアヤ達が住む街へ引っ越して来た。
ケンちゃんは厄介な保護者・留美子さんと一悶着あったり、アヤ達の生活に波風立てたり、昼間から自由になる時間が多すぎて一体何をしているのやら?
哲也不在の生活の中でケンちゃんの存在が哲也の嫉妬心をあおり、アヤは……。

☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…

『なきむし姫』ネタバレ感想 

子供っぽくて、近所に観覧車があるからって理由で家の購入を決めたりする感覚のアヤが鬱陶しいと思った。
だいたい子供を2人も産んだ女が夫の転勤を聞いてメエメエ泣くなんてあり得ない。
子供を産めている時点でそんなに弱くないでしょうよ、アンタ!って思ったわ。


でも、夫がいなくなった後は泣いてばかりもいられない。
何より留美子さんとの付き合いが大変だ。
アヤは時々ケンちゃんを腹立たしく思うことがあるけれど、「うちの和くん」の為に担任の水谷先生をクビにしようと暴走する留美子さんに対して、ケンちゃんは良いストッパーになっていた。
何もクビにしなくても、と思っても留美子さんみたいなタイプは正論を言っても拗ねたり、最悪な場合、いじめに走ったりしそうで、面と向かって反対するには勇気が要る。
それに、子供同士の付き合いに影響しないようにって気を遣う。


留美子さんは厄介な人だなぁと思うけれど、彼女なりに我が子を育てる為に全力なんだと言われると、それもそうかと思う。
とは言え、やっぱりモンスターペアレントは迷惑な存在だと思わずにはいられない。


一方、夫の哲也はなきむし姫と子供達を気にかけながらも仕事で苦労していた。
そんな時に離婚して独り身の幼馴染みのケンちゃんが、アヤ達にいろいろ関わるのは面白くない。
やっぱりねぇ、やきもちやくよね。
単身赴任で夫婦がギスギスするのは、仲直りのタイミングが難しくてしんどい。
でも、ケンちゃんはケンちゃんのやりたいことをしているだけだからね。


霜田一家はいろいろ振り回されるが、一番成長したのは文太だった。
さすが、菅原文太から名前をとっただけのことはある。
以上、『なきむし姫(新潮文庫)』感想でした。


ご訪問ありがとうございました(人´∀`*)

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