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東川篤哉著『谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題』あらすじ・ネタバレ感想



東川篤哉著『谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題』あらすじ・ネタバレ感想。
怪しい開運グッズ店の店主と無名私立大の女子学生コンビがご近所トラブルに首を突っ込んだら……。


『谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題』
著者:東川篤哉

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『谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題』あらすじ・ネタバレ感想

 第1話【足を踏まれた男】
 第2話【中途半端な逆さま問題】
 第3話【風呂場で死んだ男】
 第4話【夏のコソ泥にご用心】

☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:

『谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題』登場人物

●岩篠つみれ(いわしの・つみれ)
 [D大学]に通う20歳のの学生
 時々兄の店を手伝う
 謎に首を突っ込んでは竹田津を頼る

●竹田津優介(たけだつ・ゆうすけ)
 開運グッズの店[怪運堂]店主
 ≪散歩≫という謎解きでよく店を開ける
 なめ郎とは友達ではないと主張

●岩篠なめ郎(いわしの・なめろう)
 つみれの年の離れた兄
 鰯料理専門の居酒屋[鰯の吾郎]の店主
 [吾郎]は亡くなった父の名前
 竹田津とは親友だと言うが……

●斉藤巡査
 近所の交番のおまわりさん

******** ******** ********
●高村沙織(たかむら・さおり)
 つみれの高校、大学の先輩
 シーズンスポーツ同好会に入っている
●倉橋 稜(くらはし・りょう)
 シーズンスポーツ同好会の沙織の先輩
 イケメンで沙織は憧れている
●町田孝平(まちだ・こうへい)
 シーズンスポーツ同好会のメンバー
●大橋樹里亜(おおはし・じゅりあ)
 シーズンスポーツ同好会メンバー

******** ******** ********
●足立瑞穂(あだち・みずほ)
 つみれの友達
 祖母の家で起きた事件の相談をする
●滝口久枝(たきぐち・ひさえ)
 瑞穂の祖母
 旅行から帰ると部屋にある物が逆さまに
●中里幸平(なかざと・こうへい)
 久枝の甥でお好み焼き屋[法螺屋]店主
 店は人任せでぐーたらしている
●清水亜紀子(しみず・あきこ)
 滝口家の近所の主婦

******** ******** ********
●寺島公一郎(てらしま・こういちろう)
 名刺入れを[吾郎]に忘れる
 風呂場でスケキヨ状態で死んでいた
●桐原 茜(きりあら・あかね)
 [谷岡珈琲店]の美人従業員
●谷岡祐次(たにおか・ゆうじ)
 [谷岡珈琲店]店主でガタイが良い
 寺島と茜をめぐって険悪だった
●西崎綾香(にしざき・あやか)
 [吾郎]の常連客
 保険会社に勤務している

******** ******** ********
●宮本 梓(みやもと・あずさ)
 つみれの友達
 [若葉荘]204号室の住人
 泥棒に入られる
●諸星千秋(もろぼし・ちあき)
 つみれの友達で関西弁
●松原智仁(まつばら・ともひと)
 梓の隣人で203号室
●板山純二(いたやま・じゅんじ)
 逃走する泥棒を目撃したと主張
●豊岡武志(とよおか・たけし)
 フリーライター
 板山に写真を撮られる
●芹沢涼子(せりざわ・りょうこ)
 喫茶[サントス]の店長
 豊岡にとってはアリバイ証人
●永山真一(ながやま・しんいち)
 70代のひとり暮らしの男性
 [若葉荘]から飛び降りた人物を目撃

☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:

『谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題』あらすじ

【足を踏まれた男】
居酒屋[鰯の吾郎]は客が10人も入ればいっぱいになる小さな店だ。
父親が亡くなり跡を継いだ長男・なめ郎が切り盛りしている。
年の離れた妹・つみれは近所の大学に通いながら時々店の手伝いをしている。
その[吾郎]で、つみれの高校、大学の先輩・高村沙織がやけ酒を飲んでいる。
心配したつみれは話を聞くことに。


沙織は、シーズンスポーツ同好会のバーベキューに参加した。
その時、沙織は河原で憧れの先輩・倉橋稜の足を踏んづけてしまった。
倉橋はとても痛がって、心配する沙織に冷たい態度をとった。
好きな人にむげに扱われるのは辛い。
それより何より、沙織は本当は倉橋の足を踏んでいないと言う。
それなのになぜ倉橋は足を踏まれたふりをしているのか……。


沙織のことを心配するつみれに、兄のなめ郎は友達が営んでいる開運グッズの店[怪運堂]を紹介する。



【中途半端な逆さま問題】
居酒屋[鰯の吾郎]につみれの友達・足立瑞穂が訪れる。
瑞穂はつみれに、祖母・滝口久枝宅で起きたおかしな事件について語る。
久枝が旅行から帰宅すると家の中にある物が逆さまになっていた。
不法侵入は明白だが盗られた物はない。
では、犯人は何故、何の為に、家の中の物をわざわざ逆さまにしたのか。


瑞穂は、最近、とある事件を解決した名探偵として噂されるつみれに、祖母の為に知恵を貸してほしいと頼むのだが……。



【風呂場で死んだ男】
居酒屋[鰯の吾郎]で飲んでいた客・寺島公一郎が高級そうな名刺入れを店に置き忘れた為、つみれは寺島家に届けに行く。
夜、寺島家を訪れるも留守のようで、つみれは出直すことにする。
寺島家の敷地を出ると、偶然にも[吾郎]の常連客・桐原茜とはちあわせる。
茜が飲みに行こうとしていることを知ったつみれは[吾郎]に引っ張っていく。


翌朝、早くに寺島家を訪れたつみれは背後から交番の斉藤巡査に声を掛けられ忘れ物を届けに来たことを話す。
斉藤巡査が引き戸に手を掛けると、鍵は掛かっておらず……。



【夏のコソ泥にご用心】
つみれは、大学の友人・諸星千秋に飲みに行こうと誘われる。
千秋の提案で近所に住む宮本梓も誘うことになり、電話もメールもせずに梓が住む[若葉荘]を訪ねる。
梓の部屋・204号室のインターホンを鳴らそうとするやいきなりドアが開き、彼女は2人の友人に泥棒が出たと言う。
騒がしい声に外に出てきた隣室の203号室の住人・松原智仁青年も加わって梓の部屋の状況を確認。
つみれは警察へ通報する。

☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:

『谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題』ネタバレ感想

[鰯の吾郎]は、なめ郎とつみれ兄妹の父親の名前だ。
岩篠吾郎→いわしのごろう→鰯の吾郎
脱サラして、岩篠という苗字から鰯料理の店を始めた吾郎は、その後生まれた自分の娘をつみれと名付けた。
つみれはともかく、居酒屋を始める前に生まれている長男の名前がなめ郎なのはちょっとひどくないか?


なめ郎と開運グッズの店[怪運堂]の店主・竹田津優介との関係が気になる。
なめ郎は竹田津を友達だと言うが、竹田津はなめ郎を友達だとは思っていない。
最後の【夏のコソ泥にご用心】でつみれは竹田津を無理矢理[鰯の吾郎]へ連行しているが、その時、なめ郎は「竹ちゃん」呼びで大喜びしている。
あまりの喜びようにつみれも引くほどだ。
一体どういう関係なのか気になるが、結局詳しい説明はなかった。


物語は、ごく普通の大学生のつみれがご近所トラブルを耳にしては竹田津を訪れ、興味を持った竹田津が≪散歩≫に出掛けては推理してまわるものだ。
30過ぎ、丸眼鏡、作務衣姿の時間に自由な男、そして開運グッズ販売。
怪しさしかない竹田津が女子大生についてまわる様子は結構目立つ気がする。
つみれの友達から見れば、竹田津はつみれの彼氏に見えなくもない。
自由な竹田津はあまり世間を気にせず、好きに≪散歩≫に出掛けやりたいようにし、謎を解いてしまう。
そして、手柄は全てつみれのものだ。


竹田津の興味は事件であって、それを解決したからといって賞賛してほしいとは思っていないのだろう。
勘違いした斉藤巡査は、つみれのことを名探偵として噂するが、彼の頭の中に竹田津は存在しない。
竹田津は謎解きという暇つぶしができればそれでいいのかも。


東川篤哉さんらしい軽快な文章が楽しかった。

☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:

ご訪問ありがとうございました(人´∀`*)

コメント一覧

tataraworks-lynx50
ヌマンタ様、コメントありがとうございます。
子供の頃、入院中に読んだ漫画が面白くて漫画好きになりました(^。^)
入院しなかったらフィクションの世界にはハマらなかったかもしれません。
病院では読み物は欠かせませんよね?
お体、お大事に。
ヌマンタ
東川篤哉の小説は、8年前入院時に院内図書館で借りて読みました。気軽に楽しめるので、入院時には最適な作品が多いですね。ちなみにコロナ禍で、多くの病院内図書室は閉鎖されています。今年二度、入院してますが、ちょっと悔しかったです。

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