重松清さんの『ニワトリは一度だけ飛べる』あらすじネタバレ感想。
家族の為に転勤を断り左遷部署に飛ばされた主人公の元に「ニワトリは一度だけ飛べる」という謎のメールが届いて……。
『オズの魔法使い』を絡ませた一発逆転劇。
家族の為に転勤を断り左遷部署に飛ばされた主人公の元に「ニワトリは一度だけ飛べる」という謎のメールが届いて……。
『オズの魔法使い』を絡ませた一発逆転劇。
『ニワトリは一度だけ飛べる』
■著者：重松 清
■発行：朝日新聞出版（朝日文庫）
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『ニワトリは一度だけ飛べる』あらすじネタバレ感想
『ニワトリは一度だけ飛べる』あらすじ
酒井裕介は家族の為に転勤を断った。
その報復としてイノベーションルーム通称《イノ部屋》へ飛ばされてしまう。
イノ部屋行きになった者は平均２ヶ月で退職していたが、裕介は家族の生活の為に絶対に辞めないと心に誓う。
裕介と同じようにイノ部屋送りになったのは、裕介の同期で一年前の経営陣の内紛で社長が追われるまでは出世頭だった羽村史夫と、大阪から異動してきた中川政夫だった。
イノ部屋の室長・江崎三郎は、仕事中ずっと文庫本を読んでいる。
そのくせ、裕介達を飛ばした経営統括営業本部長の鎌田のスパイのような真似をするものだから、よせばいいのに羽村が江崎にいちいちつっかかっていく。
ギスギスした空気の中、初日を迎えた裕介の元に『ニワトリは一度だけ飛べる』というタイトルの奇妙なメールが届く。
その後もことある毎に届くメールはイノ部屋のメンバーを『オズの魔法使い』に絡めており、悪い魔法使いである鎌田とその部下・小松原の行動や思惑に触れていた。
送り主は果たして味方なのか、それとも鎌田達の仲間で裕介達イノ部屋の社員を罠にかけようとしているのか……。
その報復としてイノベーションルーム通称《イノ部屋》へ飛ばされてしまう。
イノ部屋行きになった者は平均２ヶ月で退職していたが、裕介は家族の生活の為に絶対に辞めないと心に誓う。
裕介と同じようにイノ部屋送りになったのは、裕介の同期で一年前の経営陣の内紛で社長が追われるまでは出世頭だった羽村史夫と、大阪から異動してきた中川政夫だった。
イノ部屋の室長・江崎三郎は、仕事中ずっと文庫本を読んでいる。
そのくせ、裕介達を飛ばした経営統括営業本部長の鎌田のスパイのような真似をするものだから、よせばいいのに羽村が江崎にいちいちつっかかっていく。
ギスギスした空気の中、初日を迎えた裕介の元に『ニワトリは一度だけ飛べる』というタイトルの奇妙なメールが届く。
その後もことある毎に届くメールはイノ部屋のメンバーを『オズの魔法使い』に絡めており、悪い魔法使いである鎌田とその部下・小松原の行動や思惑に触れていた。
送り主は果たして味方なのか、それとも鎌田達の仲間で裕介達イノ部屋の社員を罠にかけようとしているのか……。
『ニワトリは一度だけ飛べる』ネタバレ感想
思わず漫画の『がんばれ元気』を思い出してしまうほど、裕介はしょげていたし元気がほしかった。
家族にはリストラを目的とした部署へ異動になったことは絶対に言えない。
妻・麻美は専業主婦だが、親の介護の為に時々横浜まで通ったりしている。
育ち盛りのこども達の進学のことあり、辞めたくても辞められない状況だ。
それでも、奥さんには本当のことを正直に話すべきだと思う。
後で知る方が腸煮えくりかえるよ。
15ページで鎌田が裕介にこんな事を言う。
「まあ、今度の部署は利益を追う仕事じゃないけど、逆に言えば目先の結果は問われないわけだから。ノルマだの前年比だの、そんな小さなことに目を奪われずに、十年後、二十年後の三杉産業とあなた自身を見据えて、どーんと会社に衝撃を与えるような改革案を探ってみて、うん」
裕介を飛ばした張本人だから実に嫌味な台詞なのだが、これが後になって“どーんと鎌田自身に衝撃を与える”のだから爽快だ。
イノ部屋の連中が一矢報いて、鎌田の嫌味は鎌田にそのまま返る。
ざまあみろ！(￣∇￣)なのである。
家族にはリストラを目的とした部署へ異動になったことは絶対に言えない。
妻・麻美は専業主婦だが、親の介護の為に時々横浜まで通ったりしている。
育ち盛りのこども達の進学のことあり、辞めたくても辞められない状況だ。
それでも、奥さんには本当のことを正直に話すべきだと思う。
後で知る方が腸煮えくりかえるよ。
15ページで鎌田が裕介にこんな事を言う。
「まあ、今度の部署は利益を追う仕事じゃないけど、逆に言えば目先の結果は問われないわけだから。ノルマだの前年比だの、そんな小さなことに目を奪われずに、十年後、二十年後の三杉産業とあなた自身を見据えて、どーんと会社に衝撃を与えるような改革案を探ってみて、うん」
裕介を飛ばした張本人だから実に嫌味な台詞なのだが、これが後になって“どーんと鎌田自身に衝撃を与える”のだから爽快だ。
イノ部屋の連中が一矢報いて、鎌田の嫌味は鎌田にそのまま返る。
ざまあみろ！(￣∇￣)なのである。
裕介にメールを送ってきた《ニワトリ》は一体誰なのか？
メールの中では『オズの魔法使い』のキャラに例えられたイノ部屋の面々。
裕介は、勇気がほしいライオン
羽村は、知恵がほしいカカシ
中川は、心を取り戻したいブリキの木こり
メールの中では『オズの魔法使い』のキャラに例えられたイノ部屋の面々。
裕介は、勇気がほしいライオン
羽村は、知恵がほしいカカシ
中川は、心を取り戻したいブリキの木こり
メールの内容からすると送信者のニワトリは鎌田達に近い人間に違いない。
しかも、ニワトリは裕介に恩を感じているとのことだが、そう言われると胡散臭いばかりで信用したくなくなるものだ。
そして、ふいにニワトリの正体が鎌田の秘書の女性だと判明する。
どう考えても罠にしか思えない。
私だったらその後何通メールが届いても無視するけどね。
でも、鎌田の秘書・江崎洋子には本当に裕介に感謝すべきエピソードがあったのだ。
江崎洋子…実は江崎の娘だった。
江崎室長…スイッチさえ入れば意外に突っ走る男であった。
中川は厄介で面倒なやつだが、それは娘が大病を患っていることが原因だった。
大阪の食品偽装の罪を被る代わりにお金をもらおうとしている中川を、イノ部屋のみんなで鎌田の魔の手から助けようとする。
正直、中川がもう少し可愛げがある人間ならやりやすかったんだろうけど。
娘のことで他人から同情されるうちにものの見方がひん曲がってしまったのかな？
『オズの魔法使い』の登場人物にイノ部屋の３人をあてたのはうまいなと思う。
心を失ったブリキの木こりは中川にピッタリだし、作戦上、臆病なライオンの裕介が勇気を出せるかどうかが鍵になっている。
『オズの魔法使い』は、子供の頃に読んだきりで今じゃストーリーもうろ覚えだ。
一度読み返してみたいなと思った。
しかも、ニワトリは裕介に恩を感じているとのことだが、そう言われると胡散臭いばかりで信用したくなくなるものだ。
そして、ふいにニワトリの正体が鎌田の秘書の女性だと判明する。
どう考えても罠にしか思えない。
私だったらその後何通メールが届いても無視するけどね。
でも、鎌田の秘書・江崎洋子には本当に裕介に感謝すべきエピソードがあったのだ。
江崎洋子…実は江崎の娘だった。
江崎室長…スイッチさえ入れば意外に突っ走る男であった。
中川は厄介で面倒なやつだが、それは娘が大病を患っていることが原因だった。
大阪の食品偽装の罪を被る代わりにお金をもらおうとしている中川を、イノ部屋のみんなで鎌田の魔の手から助けようとする。
正直、中川がもう少し可愛げがある人間ならやりやすかったんだろうけど。
娘のことで他人から同情されるうちにものの見方がひん曲がってしまったのかな？
『オズの魔法使い』の登場人物にイノ部屋の３人をあてたのはうまいなと思う。
心を失ったブリキの木こりは中川にピッタリだし、作戦上、臆病なライオンの裕介が勇気を出せるかどうかが鍵になっている。
『オズの魔法使い』は、子供の頃に読んだきりで今じゃストーリーもうろ覚えだ。
一度読み返してみたいなと思った。
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