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雑感録

SF理想社会(#2)

前回は総務省による国内の状況を見てきたので、今回は2050年の世界の状況を見てみよう。
世界では公平な数字が出せるのは国連だろうということで、 国連報告書「世界人口推計2019年版データブックレット(日本語訳)」を見てみよう。

世界の人口はインドをはじめとするグローバルサウス(インドやブラジル、タイ、南アフリカのような、南半球に位置するアジアやアフリカ、中南米地域の新興国・途上国の総称/三井UFJリサーチ&コンサルティングによる)の影響もあるので、現在(データが2019年のものなので、それよりは古いはず)の約77億人から2050年の約97億人へと、約20億人の増加となる見込みらしい。
当然地域差は大きく、人口の増加の過半はインド・ナイジェリア・パキスタン・コンゴ民主共和国・エチオピア・タンザニア連合共和国・インドネシア・エジプト・米国(予測される人口増が多い順)の9カ国で生じるのだとか(U.S.Aがトップ9に入ってるのは意外)。
サハラ以南アフリカの人口は、99%の増加が予測されいる。

対して人口が減少する国はオーストラリアとニュージーランドを除くオセアニア(56%)・北アフリカと西アジア(46%)・オーストラリアとニュージーランド(28%)・中央・南アジア(25%)・ラテンアメリカ・カリブ(18%)・東~東南アジア(3%)・欧州・北米(2%)となっているらしい。
出生率で見ると、全世界では1990年の女性1人当たり3.2人から2050年には2.2人へと減少が見込まれるそう(1世代の置き換えを確保し、移民の流入がないと仮定して長期的に人口減少を回避するためには、女性1人当たり2.1人という出生率が必要になる)。

劉振民(リュウ・ジェンミン)国連経済社会問題担当事務次長によると、この報告書は、行動と介入のターゲットをどこに絞るべきかを示すロードマップとなると言う。
「人口が急速に増えている国の中には最貧国が多いため、貧困を根絶し、ジェンダーの平等を達成し、飢餓や栄養不良と闘い、誰一人取り残さないよう、保健・教育制度のカバレッジと質を強化するための取り組みに対して、人口の増加が追加的な課題を突きつけている」とも言ったらしいが、人口が減少して少子高齢化が進むであろう先進国に対する言及があるのかは、この資料では分からない。
また、多くのグローバルサウスでは最近になって出生率が低下したことで、生産年齢人口(25~64歳)が他の年齢層よりも早いスピードで増加している。これは「人口ボーナス」と呼ばれる著しい経済成長が期待できる機会が訪れていることを示唆している。この「人口ボーナス」から利益を得るためには、各国政府が特に若者向けの教育と保健に投資し、持続可能な経済成長を促進する条件を整備すべきなのだとか。

世界の出生時平均寿命は、1990年の64.2歳から2050年までに77.1歳へと延びる見込みだが、2019年現在、後発開発途上国の出生時平均寿命は世界平均を7.4歳下回っており、主な要因として子どもと妊産婦の死亡率が高止まりしていることや、暴力や紛争・HIV蔓延による影響の継続が挙げられる。

高齢化人口の上昇についても、労働年齢人口の65歳以上人口に対する割合を示す潜在扶養指数(年少者が扶養しなければいけない老人の割合)は全世界で低下を続けていて、日本はこの率が1.8と、世界で最も低くなっている。また、欧州とカリブを中心とする29カ国では、すでに潜在扶養指数が3を下回っていて、2050年までに欧州・北米、東・東南アジアをはじめとする48カ国では潜在扶養指数が2を下回るものとみられると言う。こうした低い数値は、高齢化が労働市場と経済実績に及ぼす潜在的な影響のほか、多くの国が高齢者向けの公的医療、年金および社会保障制度を構築、維持しようとする中で、今後数十年で直面することになる財政圧力を如実に示している。

このところ日本でも話題になることの多い移民については、2010年からの10年間に14の国と地域で移民が100万人を超える純増となる一方、10カ国では、これと同規模の移民流出が生じるとみられると言う。最も大規模な移民流出の中には、移民労働者に対する需要(バングラデシュ、ネパールおよびフィリピン)、または、暴力や治安悪化、武力紛争(ミャンマー、シリア、ベネズエラ)を主因とするものがあり、ベラルーシ・エストニア・ドイツ・ハンガリー・イタリア・日本・ロシア連邦・セルビアおよびウクライナでは、この10年間で移民が純増。死亡率と出生率の差によってもたらされる人口減少が部分的に相殺される見込みです。

「こうしたデータは、2030年を達成期限とする持続可能な開発目標(SDGs)のグローバルな進展をモニタリングするために必要なエビデンス基盤に欠かせない要素になる」とジョン・ウィルマス国連経済社会局人口部長は語り、次のように付け加える。「持続可能な開発目標(SDGs)の進展状況をモニタリングするための指標のうち『世界人口推計』のデータに依存するものは、全体の3分の1を超えている」。

そういえば、SDGsの達成期限は2030年だったなあ。

※参考:世界人口推計2019年版データブックレット(オリジナル)
 ※トップ画像:BingAIで作成した「SDGS達成後の地球」

※本文にAIによる予測は使ってません(その方が話は早いのかもしれんけど)。

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