谷啓が亡くなったそうな。
自宅の階段で転んで頭を打ったらしい。
最後までギャグをかましたのか?
合掌(ガッショ~)ン。
仕事絡みの下見を兼ねて、企画チーフのKっちと小郡ジモティのS嬢とで、西鉄沿線の二日市・小郡の飲食店3軒のハシゴを敢行。
ひとくち餃子のハシゴなら、サクッと食ってすぐ次に行けるし、単なるハシゴ酒なら2軒目以降は飲むだけでいいのでどうってことないのだが、普通の飲食店のハシゴは意外と難しい。
で、この日2軒目の洋風居酒屋。
駅前の賑わいが一旦途切れ、住宅街の向こうに2、3軒の飲食店があり、もうこの先には何もないやろうという闇の向こうにその店はあった。
事前情報では、奥さんがロシア人で、ビーフストロガノフなどのロシア料理が人気とのこと。
確かに店の入口にはその旨を記したボードや貼り紙があって、「ぜひお立ち寄りください」みたいなことが書いてあるのだが、それがまた余人を寄せ付けぬ妖しげな雰囲気を醸し出している。
ここまで来て引き下がる訳にはいかないので、Kっちがいかにも民家っぽいドアを開けると、中は意外にもこざっぱりした感じで、奥のテーブルには精算中のいかにもご近所らしきおじさん、おばさん連中。
カウンターには外人オヤジが約1名。
カウンターの中には日本人の主人とともに、たしかにロシア人っぽい女性がいる。
この女性、髪がシルバーなのでええくらい婆さんなのかと思ったら、近くで見ると意外にも品のいい、ちょっと元美人系のおばさんだった。
で、みんなでメニューを見ていると、カウンターからオヤジが馴れ馴れしく話しかけてくる。
あまりにも自然で博多的な馴れ馴れしさなので、ひょいと声の主を見てみてビックリ!
ガイジンじゃないか!
やけに流暢な博多訛の日本語なのですっかり頭から飛んでいたが、そういやこのオヤジ、さっき見たとき確かに外人だった。
奥さんとロシア人仲間なのかと思ったら、Mr.オヤジ曰く、8年前に日本の小郡に来て教師(英語だったか?)をしているアメリカ人だとか。
故郷はシカゴから400km南にある村からさらに10kmはずれたど田舎にあるらしい(それって、鹿児島の片田舎を福岡を起点に説明しているよりもっと遠い話じゃないか)。
米露一触即発の緊迫状態!?なんてことがある訳もなく、この店には開店当日から通っている常連だそうで、ボトルキープの焼酎を飲んでいた。
店の奥さんはモスクワ近郊に住んでいたそうで、オイラもビーフストロガノフ(ライスなし)やハチャプリとかいうグルジア風ピザに焼酎ロックという、妙な組合せで楽しませていただいたが、何よりかにより博多訛のアメリカ人教師を中心としたくだらない話でやたら盛り上がってしまった(実のところ、何の話で盛り上がったのかはよく覚えていない。名前も聞いたけど忘れてしまった)。
それにしても、なんでまたこんなインターナショナルな店が小郡にあるのやら。
まあ、例えばこの店が天神や大名にあったとしたら、もっとこじゃれた感じになって、こんな盛り上がりはないだろうと考えると、小郡にあればこその隠れた名(迷)店と言えるかもしれない。
結局、この店で盛り上がってるうちに終電の時間が迫ってしまって、3軒目は断念(さすがに小郡から福岡までタクシーで帰る気はしない。そんな金もない)。
小郡で飲むこともこれが最初で最後じゃないかと思うけど、ジモティ飲み女・S嬢は、来週くらいにはきっとカウンターに定位置をキープしているに違いない。