10月の茶席は、風炉を真ん中に据えた、”中置”でのおもてなしが殆ど。
”中置”とは秋風も冷たく感じ、火が恋しくなる客人の為に、火を近くに感じてもらう為の設え。
そして、10月は、名残月とも言われ、破れ風炉とか、金つぎを施した茶碗とか、侘び、さびの情緒が一杯に感じられる取り合わせが、好まれる。
朽ち果てたもの、不完全な物に美を感じる季節です。
個人的にも、何年もの年月を経て、又、年月を経てるからこそ、醸し出される、燻し銀の様な道具に、心惹かれます。
とかく人間は、古くなる・・・齢を重ねると、片隅に追い遣られがちだけど、風貌を越えた魅力が出せたら。。。。なんて、何時の間にやら、年嵩が増した私は、自身の体も金つぎしながら、思っているのですが・・・・。
お茶席で時々ご一緒する、まるで、お茶に関しては百科事典の様な方より、お席のお誘いを受けました。
多くのお道具は年代の物。
極め付きは、秀吉、利休の釜師であった、与次郎造りの雲竜釜&陣中風炉。
堂々と威圧感さえ感じました。
(雲竜釜&陣中風炉)
昨日は、天満宮でお釜がかかり、ここのお席でも、中置で、お釜は木越正治造りの、江戸時代の六方釜。
茶碗は、了入の塩笱。
年代物が続々です。
そして、本日、16日、玉林院にて恒例の茶会。
昨日、一昨日の雨で、一気に秋が深まると思いきや・・・・なんと暑いこと。
久しぶりの袷の着物も暑く、車には冷房を入れ、町行く人は、半袖、ランニング姿の外人も発見で、なんともおかしな天気です。
(玉林院)
心遣いのおもてなしの中置も、こんなに暑くては、風情も遠のいてしまいます。
現在の便利な生活で、年々歳々、四季も定まらないのでしょうか?
それでも、先の方がほのかに色づいた、お寺の庭の紅葉に秋を感じ、美味しいお茶を二服もいただきました。
千草の虫たちも、夜な夜な演奏会で、美しい音色を聴かせてくれるし、深まりゆく秋に期待です。
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