花粉症の次は黄砂
花粉症が終わったと思ったら今度は黄砂で目やのどをやられている皆さんお疲れ様です。
最近は良い薬が出来たとはいえ、まだまだ花粉症でお悩みの方は多いことでしょう。
スギ花粉の次はヒノキの花粉と波状攻撃で襲ってくる厄介なやつらの次に来るのが、中国、モンゴルから偏西風に乗って
やって来る黄砂という、これまた厄介なほこりに悩まされなけれがなりません。遠くが黄色くかすんで見え、車やベラン
ダにも薄っすら黄色いほこりにを被ったようになるのが黄砂です。非常に細かいため、遠路はるばる日本まで飛んできて
3月から5月にかけてがピークになります。せっかく花粉が終わりかけた頃にやって来る本当に厄介なものですね。
一方で、冬場は透明度が高かった海も、海水が徐々に暖かくなり、プランクトンが増殖し始め透明度が落ちてきます。
実はこの黄砂と海には密接な関係があることが最近わかってきました。
非常に小さな植物性プランクトンは、太陽光のエネルギーを利用して光合成をおこない有機物を作り出します。それを動
物性プランクトンが食べ、動物性プランクトンを小魚が食べ、それらを食べる大型の魚がいて生態系が食物連鎖でつなが
っています。この植物性プランクトンの発生に重要な影響を与えているのが黄砂なのです。
海の植物性プランクトンが光合成をする際には、光や温度など色々な要素が必要ですが、これに加えて鉄が重要であるこ
とがわかってきました。黄砂の粒子にわずかに含まれる鉄が海に落ちると一部が海水に溶け出すというのです。
昨年秋、海洋研究開発機構などの研究チームは、北大平洋西部で豊かな生態系を支える海水中の鉄量の約3割を、黄砂が
供給しているということを初めて突き止めたと発表しました。私たちの生活には支障が出る事ばかりが伝えられ迷惑がら
れる黄砂には、海の生物を育む重要な役目があったのです。
このレポートを執筆した鳥羽水族館の学芸員の杉本 幹さんはこれを知った時は目からウロコが落ちましたと言いながら
この時期アレルギー持ちのその目から涙が落ちていたそうです。
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