天真寺日記

天真寺の日々を綴ります

月刊天真5月号(寺報)

2013-04-25 12:33:07 | 天真寺

本日は、ご門徒さんたちによる寺報の発送作業(ボラン寺)がありました。

天真寺の寺報・月刊天真5月(433号)です。

今月の特集は、帰敬式について。

□仏弟子となる証
私たち一人一人には名前があります。一人一人に名前があるということは、その人が持つ、固有の人格を表すものといえるでしょう。広い世の中には、もちろん同姓同名も少なくありませんが、その人個人が、他の人とは異なるというアイデンティティーの役割を持っています。
 「姓」は、家族・親族というつながりを示し、「名」には、その子に向けられた親の願いが込められています。誕生と同時に、名前という形で私という独立した個人が保障されるとともに、名前は家族という仲間とのつながりや、親の願いとして込められた慈愛を体現しています。
 浄土真宗には、「法名」という、帰敬式を受けて授与される名前があります。「仏弟子」となった証として本願寺のご住職(ご門主)から名づけられる名前です。いわゆる「俗名」には自分の意思は入りませんが、「法名」は浄土真宗の教えを聞いて生きていく、本人の意思に基づいていただくものです。阿弥陀如来の教えを価値の中心に置く身となったことの表明であり、「仏弟子の名のり」なのです。そして、浄土真宗の門徒としての自覚をあらたにし、お念仏申す日暮しを送ることを誓うことです。

□法名につく釋の字
 浄土真宗の法名は「釋〇〇」といただきます。「釋」の字を冠するのは、釋尊の弟子となることを表しています。「釋〇〇」と、「釋」の字を冠して2字の法名であるのは、4世紀頃、中国の道安という人によって考案された伝統を受け継いでいます。
 本願寺でいただく法名はすべてお聖(しょう)教(ぎょう)のお言葉が用いられています(※内願法名もあります)。自分の名前に仏語(お経の言葉)をいただくということは、その仏語に見合った生き方を送ることの表明であります。
 釈尊がこの世にお生まれになって最もお説きになりたかったのは阿弥陀如来のお念仏の教えであると、私たちは聞かせていただいています。お念仏を中心とした生き方をする身にならせていただいたことを高らかに宣言する名のりこそが、「法名」をいただくということです。親鸞聖人は、お念仏を申す者を「真の仏弟子」だとほめ讃えられておられます。なぜ「真の仏弟子」と言えるのかを、「他力金剛の信心を得た念仏の行者のことである。この他力回(え)向(こう)の信と行によって、必ずこの上ないさとりを開くことができるから」(聖典『教行信証』)と述べられています。

□法名と戒名の違い
 ところで、「ほかの宗派では『戒名』と言っておられるのに、なぜ浄土真宗だけが、わざわざ『法名』という言い方をしているのですか?」というご質問をよく受けます。
 これまで述べてきたように浄土真宗では「法名」と言います。「戒名」は「戒律を守って、自力で功徳を積んで、さとりを開こうとする者に与えられる名」ですが、「法名」は「阿弥陀仏の教えにであって、お念仏一つで救われていくことを喜ぶものに与えられるもの」であるということです。
 また、戒名の「戒」は「戒律」の意味です。末(まつ)代(だい)の凡(ぼん)夫(ぶ)である私たちは、戒律を守ることなど、とてもできません。日常生活の食事一つをとってみても生き物の命をとる身です。また、「害虫」といって殺虫剤で虫を殺しています。さらによくよく省みると、自分に都合の悪い人を心の中で何人殺したことでしょう。「生き物を殺さない」という「不(ふ)殺(せっ)生(しょう)戒」一つも守れない身であります。そんな私を「おまえを放っておけない」と立ち上がってくださった阿弥陀如来のご恩に、お念仏申すばかりです。
 意外と思われるかも知れませんが、実は、「戒名」という呼称は、「法名」が生まれた中国でも、古い文献には出てこないと言われます。つまり「法名」の方が古い呼称であって、ある時期以降、受戒の意義を鮮明にするために、新しく「戒名」と称するようになったと考えられており、浄土真宗の「法名」という呼称の方が、古い伝統を継承しているわけです

□帰敬式の受式を
「法名」は死んでからの名前ではありません。今日、ただいまの私たちが、いのちの底から阿弥陀如来のお慈悲に支えられていることに気づかせていただくのです。どうか進んで帰敬式を受式していただきたいと念願いたします。

以上、「本願寺新報」3月1日号掲載(本願寺派総合研究所 教学伝道研究室長 満井秀城師)の記事を転載させていただきました。。

【帰敬式の受式できる場所】
□京都本願寺
毎日2回
午前…お晨朝に引き続き
午後…午後1時30分※逮夜法要がある日は1時
(1月1日、16日の晨朝後、1月8日、20日は終日なし)
<冥加金>10,000円

□築地本願寺
5月21日 降誕会
7月15日 宗祖月忌逮夜法要引き続き
9月16日 宗祖月忌日中法要引き続き
11月11日~16日 報恩講法要
<冥加金>15,000円(築地本願寺懇志5,000円含)

詳しくは天真寺(TEL047-389-0808)までお問い合わせ下さい。

◇月刊天真5月号は、PDFファイルにてご覧いただけます。
http://www.tenshin.or.jp/tayori/tayori25-05.pdf


◇平成24年度月刊天真(寺報)◇(PDFファイルにてご覧頂けます)
1月号http://www.tenshin.or.jp/tayori/tayori24-01.pdf
2月号http://www.tenshin.or.jp/tayori/tayori24-02.pdf
3月号http://www.tenshin.or.jp/tayori/tayori24-03.pdf
4月号http://www.tenshin.or.jp/tayori/tayori24-04.pdf
5月号http://www.tenshin.or.jp/tayori/tayori24-05.pdf
6月号http://www.tenshin.or.jp/tayori/tayori24-06.pdf
7月号http://www.tenshin.or.jp/tayori/tayori24-07.pdf
8月号http://www.tenshin.or.jp/tayori/tayori24-08.pdf
9月号http://www.tenshin.or.jp/tayori/tayori24-09.pdf
10月号http://www.tenshin.or.jp/tayori/tayori24-10.pdf
11月号http://www.tenshin.or.jp/tayori/tayori24-11.pdf
12月号http://www.tenshin.or.jp/tayori/tayori24-12.pdf

(龍)


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