薄雪草さん!(仮名)
80歳で300名山達成!
『私、ウスユキ草が好き。』。私が薄雪草さんのガイドを始めて引き受けた時、彼女はこう言った。薄雪草は、日本の中級山岳にさくエーデルワイスに似た花である。薄雪草さんは「梅干しおばあちゃん」だった。少し薄雪草に似ていた。
80歳で300名山完登を目指す人だった。
鋸岳(2685m)
最初に薄雪草さんを紹介してくれたのは、谷川岳ヨモギ峠の小屋番「高波じい」だ。爺は言った。『倅が鋸岳のガイドを引き受けたんだけれど都合が付かないんだ。土屋さん行ってくれるかい。』、『ようがす。』と引き受けた。薄雪草さんにTELし日程他を決め、MAILで装備、心構えを含める契約書を送り、ガイド契約を結んだ。ガイド前日に、下見を決行した。暴れ川富士川の源流、釜無川のゲートにD-5を止めマウンテンバイクを降ろし装備を積む。ゲートから工事用道路を11km遡る。時としてバイクを押し、二時間半で小屋に着く。小屋のテラスに、明日来る「薄雪草さん」用のテントを張る。鋸岳釜無川ルートの試登に入る。小屋からルートは①細流沿いに横岳峠まで上る。②右から来る尾根に上がり90度左折。③約2時間進み左から来る尾根に上がり、右に90度右折。④稜線上を南に進む。⑤三角点ピークに達する。⑥ここから鋸岳山頂まで30分たらずだが、ロープ、ハーネスが必要なる。
鋸岳は南アルプスに属するが主稜線から外れているので、アプローチが長く、登山道や小屋等も整っていないので、登山本来の難しさがあり楽しめる。100名山と200名山、300名山の価値や難しさはここにあると言える。
ルートの③地点は、下山する際左折せずに直進する「道迷いが」多発する。道迷いが多いため、明瞭な直進踏み跡が付いている。私も試登時直進し、少し先の少ピークに乗り上げた。『うん!』とパニックになりかけたが、霧が晴れた際に灌木に這い上がり見回すと、左方向に下るべく尾根が見えて戻ることが出来た。小屋でマウンテンバイクを拾いゲートへ。D-5駆って茅野のビジネスホテルに泊まる。翌日初めて道の駅で薄雪草さんに会った。(薄雪草さんpertⅡ)へ続く。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます