【登場人物】
岳飛(がくひ) …文武両道に秀で、忠義に厚い勇士。主人公。
王貴(おうき) …岳飛の仲間。義兄弟。
杜充(とじゅう) …宗沢の部下。金と結託している。
王燮(おうしょう) …杜充の部下。
牛皐(ぎょうこう) …岳飛の仲間。義兄弟。
張用(ちょうよう) …岳飛の仲間。義兄弟。
傅慶(ふけい) …蜈蚣山の山賊討伐のために選ばれた100人の兵の1人。
兀朮(ウジュ) …太宗の4男。
「金軍 黄河に沈む」
牛皐が黄河を決壊しなかった張用に少しは情けをかけてやるべきだと岳飛に言い、義兄弟たちもうなずく。「急ごう。共に来てくれ」と、岳飛は義兄弟たちと陣営を出て行く。
「張用と岳飛を捕らえるよう、兵に命じておきました」と王燮は杜充に話す。突破できたとしても、明日の朝まで陣営には戻れないと。万全を期そうと思った杜充は「お前も行け」と王燮に言う。
烏詩瑪と馬に乗りながら“強欲が高じて最低なことをしてしまった。杜充から身を守るには城を出ねば。岳飛よ、俺も義を貫いたぞ”と思う張用。
張用と烏詩瑪は城門まで来るが見つかってしまう。官兵に追われ背中に矢が刺さってしまう烏詩瑪。烏詩瑪を守ろうとした張用が殺されそうになった時、牛皐が来る。「生け捕りにしろとの命令に背く気か」と官兵たちを下がられる牛皐。牛皐は「この野郎」と張用に迫ると、小声で「兄貴の命令で助けに来た」と張用に言う。張用は牛皐の持っていた剣を奪い、牛皐を人質に取ると、岳飛の用意した馬車で城外へと逃げる。
“人質”として馬車に乗っていた牛皐が途中で降りる。官兵が来たことが分かり「逃げろ」と張用に言う牛皐。張用は牛皐が疑われることを心配し、牛皐を木に縛り付ける。
「杜充への復讐は俺が戻ってからだ」と牛皐に言い、張用は烏詩瑪を名医に見せるため廬山へ向かうことに。
鉄浮屠の準備が整う。戦に行く兀朮は翎児の手を握ってから出発する。
岳飛の軍がわずか1万だと知り「鉄飛屠の威力を見せつけてやる」と言う兀朮。
一方、岳飛は「金の軍勢は10万。敵は1万足らずの我々を軽視しているだろう。だが頑強な鉄浮屠にも弱点はある。動きが鈍重なのだ。我々は車輪戦を用い、敵を疲弊させる。ひとしきり戦ったらすぐに退け。兀朮を戦場に引きずり出そう」と告げる。
激しい戦いが始まる。金の鎧は剣を通さず、鉄浮屠により金軍が優勢に見えたが、岳飛の戦術で金軍が押されていく。
兀朮は総攻撃をかけることにし、自らも戦いに加わる。それを見た岳飛も戦の中へ。
岳飛と兀朮が一歩も譲らない戦いをしている中、見ていた杜充は「黄河を決壊せよ」という命令を出す。兵たちは「岳将軍に勝機があります」と必死に頼み込むが、杜充の命に従わない兵を王燮は斬り殺してしまう。仕方なく兵たちは、大砲に着火する。
砲弾が堤防を破壊し、黄河が決壊する。岳飛軍も金軍も急いで撤退し、助かった岳飛は「杜充!」と叫ぶ。
決壊を実行したのは杜充だが、命令したのは朝廷、つまりすべての責任は宋の皇帝・趙構(高宗)にあると兀朮に言う哈迷蚩。怒った兀朮は「よし、次の標的は趙構だ」と言う。しかし、まずは残兵を数え、体制を整えることが急務だと言う韓常。兀朮が速やかに部隊を組み直すよう告げると「今は南下を中断すべき時かと存じます」と哈迷蚩は話す。黄河の水ごときに進軍を阻ませたりしないと思った兀朮は「建康を攻め、憎き趙構を殺す」と言い、船で東に迂回し南下することを決める。
留守府。動きの鈍い鉄浮屠は逃げ遅れ、水面は敵の死体で覆われていると杜充に報告する王燮。杜充は「これで黄河の決壊は軍功と見なされる」と喜ぶ。
黄河の決壊で金軍の侵入を防ぐことに成功したと高宗に報告が。汪伯彦は「杜元帥は今回、大きな軍功を立てました。朝廷は功臣に褒美を与えるべきです」と高宗に言う。「大勢の民が流浪し、疫病に侵されているのに、褒美しか頭にないのか」と言う趙鼎。もめそうになった2人を止めた秦檜は「陛下。両岸の民は怒りを募らせています。当面の急務は民の救援かと」と言う。民を慰撫するよう、ご命令くださいと。もっともだと思った高宗は、この件を秦檜に任せることに。必要な銀子を聞かれた秦檜は「正確な費用を算定したのちに、ご報告します」と答える。
帰り。「狡猾な秦檜め、自分の懐を救援する気だ」と周りから言われながら歩いていた汪伯彦を秦檜が呼び止める。
秦檜は汪伯彦と2人になると、朝儀での数々の無礼を詫び「教えてください。先生から見て、救援に必要な銀子はいかほどですか?」と尋ねる。「救援を任されたお前にも考えがあるだろう」と汪伯彦が言うと「遠慮は無用です。先生のご助力が必要なのです。具体的な金額は相談の上、決めたく存じます」と返す秦檜。汪伯彦は笑う。
秦檜は康履会い、陛下への口添えを感謝する。「救援の銀子は、明日、私の手元に届きます」と話す秦檜に「私は宮中をつかさどる者です。政事など私の預かり知らぬこと。救援に関しては王淵殿に秦殿の補佐を頼みました」と康履は言う。
留守府にいた杜充は、金軍が渡河するため東に終結したことを知る。もはや1日たりとも汴京にいられないと考える杜充。そんな杜充に岳飛が会いに来ていた。杜充は会いたくないと言うが、王燮は「会うしかありますまい」と話す。そして「館の内外に精鋭を配置しました。奴が少しでも怪しい動きをすれば、即刻捕らえて裁きましょう」と言う王燮。
「今回のお前の軍功に褒美がでるぞ」と岳飛に話す杜充。座っていた岳飛は、ジロリと杜充を見ると「愚かな私には何の軍功か分かりません」と言う。笑いながら「金の侵略を止めたではないか」と杜充は返す。「黄河の決壊で民は苦しんでいます。それが軍功だと?」と言う岳飛。そして岳飛は席を立ち、真っ直ぐ杜充を見ながら「あの日、約束したはずです、金軍の侵略を防げば功がを決壊させないと。一諾千金と言うのに、なぜ何度も約束を違えるのですか」と言う。
ーつづくー
烏詩瑪、大丈夫かな…。
とりあえず城外へ出ることができてよかった(o´д`o)=3
岳飛も張用を見逃してくれたのね(*´ー`*)
それにしても・・・杜充、許さんヾ(`Д´*)ノ
金軍だけじゃなく、岳飛軍や民たちまで犠牲にして!!
あのまま兀朮と戦っていたら、岳飛が勝ったかもしれないのに( ̄^ ̄メ)
高宗を見るたびに「大丈夫?」と思わずにはいられない…(;´д`)ノ
病んでるよね…。
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杜充も岳飛と会う前はあんなにソワソワして
後ろめたさがあるのであればそんなことしなければいいのに
と思いますね。
姐姐仰るように、高宗もかなり痛い状況ですね。
どうすればいいのか誰も分からず、
奸臣達の腐敗が目に入るばかりです。
次回は岳飛たちはどうなるのでしょう?
張用もやっと目が覚めたかな。
秦檜は高宗にも汪伯彦にも康履にも各方面へ怠りなく
狡猾に立ち回り、本当に抜け目がない。
一諾千金の意味を調べました。
timeさんの仰る扁額の「厚徳裁物」とか、中国時代劇は、四字熟語の勉強になります。
杜充は結局岳飛との約束を守らず味方の宋軍まで巻き添えにして黄河を決壊させてしまうし…
高宗は黄河決壊させといて今さら民を慰めろだし…
秦檜に至っては民を思っての高宗への意見かと思えば結局お金なの!?
はぁですね( ̄ー ̄)