独孤伽羅(どっこから)…胡冰卿(フー・ビンチン) 独孤家の末娘
楊堅(ようけん)…張丹峰(チャン・ダンフォン)
宇文邕(うぶんよう)/皇帝…イン・ハオミン
外に出た麗華と伽羅。麗華は「先ほどの私をどう思いますか?」と伽羅に聞く。伽羅は「よくできたわ。話は理にもかない、態度も寛大だった。皇太子と己の面目を保っただけでなく、あの宮女から皇太子を引き離せた。でも…寛大すぎるのもどうかと思うわ」と答える。「しかたがありません。画策した者の狙いには皇太子と私だけでなく楊家も含まれます。今まで父上と母上が私を守ってくれましたが、今度は成長した私がお返しする番です」と言う麗華。
麗華は「皇太子に女がいたのは確かに傷ついた。でも、それだけです。皇太子のことを好いていませんから」と言う。皇太子のことを好いていると聞いていた伽羅は驚く。麗華は「あの方はすぐ腹を立てるし心が狭い。文武ともに不得手だし父上のように妻を愛せない。好きになれません」と麗華は話す。それでも嫁いだのは今後のことを考え最もよいと思ったからだと。
麗華は「私の本当の父は宇文護ですね?人前に出してもらえなかった理由を私はずっと知らなかった。でもあの夜、宿で宇文護の目とその表情を見たとたん、全て分かりました。私を産んだ人は母上の姉の独孤皇后でしょう?」と言う。「ばかなことを…。お前は私たちの娘よ」と言う伽羅。しかし麗華は「私の目は皆と違う。どこへ嫁ごうと好奇の目を向けられます。それならば皇太子妃として、堂々と人前に出ようと思った。それに私が寛大になれば陛下は楊家に借りができる。そうすれば弟たちの前途も開けます」と話す。
白兎で機嫌を取ろうとした宇文贇が麗華を見つける。
「今日のような陰謀は、きっと今後も続くでしょう。でも覚悟して踏み込んだ者にとっては何でもありません。皇太子を好きでなくても、己のために、楊家のために、皇太子妃の座を揺るぎないものにします」と伽羅に言う麗華。それを聞いてしまった宇文贇は兎を落とす。
肩を落としながら、その場を離れた宇文贇は「麗華に嫌われている」とつぶやく。
夜・楊家の屋敷。伽羅は「その話を聞いて思ったの。やはり麗華は姉上と宇文護の子ね。あの子は姉上と同じように冷静で誇り高いわ。腹の内を見せず、覇気があるのは父親そっくり」と楊堅に話す。世間知らずの子供かと思えば出自の秘密にも気づいてただなんて、と。楊堅は「勇と広に言っておく。“父と同じように、生涯で愛するのはたった1人の女だけ。その女とのみ子を作り、添い遂げよ”とな」と言う。
楊堅は宇文邕から“陳が斉の征討を決めた”と聞かされていた。「恐らく近いうちに我々も斉を攻めるだろう」と言う楊堅。
この戦は長く続くと思われたが、わずかの間に陸貞とその夫が守ってきた斉は地に落ちる。その原因は陸貞がくれた地図のせいか、あるいは無能な暴君・高緯がとことん民心を失ったせいかもしれない。
“斉の民だった者も周の民と区別することなく扱い、税を2割減らす。また周の兵には家を焼き民を殺すことや、略奪や田畑の侵害など一切を禁ずる”という命を伝えさせる宇文邕。
済慈院でも斉の民たちに仕事を与える。
宇文邕は斉の後宮などの処理をどうするか、伽羅の指示を仰ごうとする。伽羅が「皇后がいるわ」と言うと、宇文邕は「皇后には任せられぬ」と返す。「なぜだ」と聞く楊堅。宇文邕は「信用できぬからだ。それと斉の残党を滅ぼしたのち、朕は突厥を攻める」と答える。皇太子が新婚初日に犯した失態だが元凶は皇后だ、皇太子を廃させるため裏で糸を引いた、それと朕が金墉で負傷し大敗したのも皇后の父が絡んでいた、アシナ大王は斉の賄賂を受け裏切ったのだ、それゆえ突厥は討たねばならぬ、と。
激しく宇文邕は咳き込む。しかし斉を滅ぼした直後に体調が悪いと漏れてはまずいと言い、太医は呼ばない。
伽羅に後宮の始末を伝えに行かせ、宇文邕は楊堅と話す。
楊堅はやはり太医に診てもらうように言うが、医者は命までは救えないと言う宇文邕。宇文邕が必死に斉を攻め、突厥を狙うのは、自分が亡くなった後の皇太子を思うからだった。名君になれるような素質も見えてこない宇文贇。宇文邕は「今後、いかに贇が愚かでも、第二の宇文護にはならないでくれ」と楊堅に頼む。どうか麗華のためにも贇の寿命を全うさせてくれ、と。楊堅は「承知しました」と言う。
鄴の総攻撃の時、そなたの目から燃えるような欲望を感じた、と宇文邕から言われた言葉を思い返す楊堅。そこに伽羅が来る。伽羅が「どうしたの。陛下が長安へ戻ってから、ずっと様子が変よ」と言う。楊堅は「陛下が私に言った。己の命はもう長くないと」と話す。心の準備をしてきた伽羅だったが、つらい気持ちを隠せない。楊堅は「この先に廟がある。陛下のために参拝しよう」と言って連れて行く。
菩薩に宇文邕が元気になるよう祈る伽羅。そばにいた楊堅はある場所が目に入り行ってみる。
蝋燭に火を灯し壁を見ると何かが書かれていた。驚いて楊堅が後ろへ下がると、ぶつかってくじが落ちる。それを拾っていた楊堅の前に、無量天尊と名乗る老人が現れる。「くじを引いたな?」と聞く無量天尊。楊堅が「いえ、無意識に当たり、落ちたのです」と言う。無量天尊は「無意こそ有意である。出会ったのも縁あればこそ」と言って手を差し出す。くじを渡す楊堅。
楊堅は「これは、どういう占いで?」と尋ねる。「知らぬのか?壁占いというものだ。くじと壁の数字を照らして文字を拾う」と答える無量天尊。楊堅は「当たりますか?」と聞く。無量天尊は「必ず当たる。かつて魏の皇帝がここへ来て、“独孤の天下”の予言を引き当てた。その後、独孤丞相の娘は皇后になっておる」と話す。独孤の天下の予言がここでされたと分かり、楊堅は慌てて無量天尊からくじを取る。「くじは己で確かめます」と頭を下げて言った楊堅だったが、顔を上げると無量天尊の姿はなかった。
楊堅はくじと壁の数字を照らし合わせ文字を拾ってみる。つなぎ合わせた文字は“帝星すでに明け独孤の天下となる”だった。
楊堅が驚いていると、突厥の征討に出たとたん陛下が病に倒れ、お二人にすぐ戻るよう仰せです、と鄭栄が急報を知らせにくる。
急いで伽羅たちが雲和殿へ向かうと、すでに宇文邕は遺言を書き終えていた。宇文邕が「その内容を語っておく。朕が世を去ったのち、帝位は皇太子が継ぐべし。皇太子は善徳を持ち、悪人を遠ざけ、国を堅固なものとせよ」と言う。「はい」と言う宇文贇。さらに宇文邕が「そなたは遊び好きで女色を好む。名君たる行いではない。今後は必ず改めるように」と言い、宇文贇はうなずく。
「皇太子妃・楊麗華は徳を備え聡明ゆえに皇后にふさわしい。皇子を産めばその者を皇太子とせよ。朕の死後、皇后のアシナ氏は別の宮殿に住み朝政に関与してはならぬ。そなた(贇)は楊夫人を実の母と思うように。柱国の楊堅は国を支える賢臣だ。大丞相として遇し、政務から軍事まで指示を仰ぐのだぞ。皇太子よ、今後、朝廷のことは身勝手に決めるな。義父上の言葉をよく聞くのだ」と言う宇文邕。宇文邕は楊堅に「全力を注いで新帝を補佐します」と伽羅と皇太子のいる前で言わせる。
言いたいことを言い尽くした宇文邕は伽羅以外の者を下がらせる。
伽羅の涙を拭った宇文邕は「私の一生は短かったが、心残りは何もない。兄の敵を討ち、斉を滅ぼし、突厥を攻めた。そのどれもが史官が書き残す価値がある。命じてあるのだ、私が死んだら尊号は“武帝”にせよと」と言う。そして皇太子のことを案じ、楊堅の怒りを買わぬようよく見張ってくれ、と頼む宇文邕。楊堅は人の下にいることに甘んじぬと。
宇文邕は婚儀の日、ある仮面の男が花婿を務めたが、あの男は私だったのだと打ち明ける。そして。その時に使った一対の酒杯を取り出し「どこへ行くにも必ず持っていた。そなたと誓いを立てたのは私だ。夫婦の杯を交わしたのも私だ。帷越しに経を読み、共に初夜を過ごしたのもこの私だ。そなたこそが私の本当の妻なのだ」と話す宇文邕。
宇文邕は自分の髪を抜き、伽羅の髪も抜くと「私の手に結んでほしい。この髪と一緒に葬られたい。そうすれば、いつまでも永遠に一緒にいられる」と言う。伽羅は宇文邕の右手首に髪を結ぶ。宇文邕は伽羅の胸にもたれ、そして伽羅に抱きしめられながら息を引き取る。
宣政元年。武帝・宇文邕が崩御した。廟号は高祖。子・宇文贇が即位し、年号は大成となった。
玉座に座った宇文贇は「先帝の遺詔によって楊氏を皇后とし、嫡母のアシナ氏と生母の李氏を皇太后とする」と告げる。ざわつく中、大臣の1人が「陛下、なりませぬ」と言う。
ーつづくー
宇文贇、ショックなのは分かるけど、ウサギをそんな高いところから落としちゃダメ!!
まずそこを突っ込んでおく( ̄^ ̄)
そして心理はともかく、いじめてきた相手が自分を好きになるわけない。
自業自得としか言えない。
でも、また麗華が酷い目に遭わないかすごく心配ヾ(・ω・`;)ノ
そうだよね。
やっはりアシナ皇后が仕組んだとすぐわかるよね。
さすがに曼陀まではばれなかったけど。
まさかあの廟がまた出てくるなんて!!
無量天尊て何だったんだろう?
突然現れて突然消えてしまって・・・。
そして宇文邕も亡くなり(;д;)
伽羅はつらいよね。
宇文邕は最後まで伽羅のことを愛してて。
伽羅、と呼ぶたびに悲しかった(இωஇ )
ずっとあの酒盃も持っていたのね。
最後に婚儀で仮面をつけていたのは自分だったと打ち明けることができたし、誰にも邪魔されず伽羅の胸の中で亡くなることができたのはよかったと思う(。>__<。)
でも宇文邕が心配していたとおり、宇文贇が即位した早々やらかした・・・(*´Д`*)
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