「敵は内にあり?」
可尚をフッた莫涵が落ち込み、彦軍が慰める。「“他に誰か好きな人が?”」と可尚に尋ねられたことを彦軍に話す莫涵。「それで君は何と?」と彦軍が聞くと、莫涵は彦軍の顔を見てから目をそらす。
可尚は彦軍を呼び「男として潔く、直接、聞きたくてね。今、莫涵が好きなのはお前なんだろ?もしそうなら応援するよ。莫涵には幸せでいてほしい」話す。それだけ言うと行ってしまう可尚。
ぼんやりと座っている彭澤に、暁東は「彭兄貴、もう朝の5時だぞ。少しは眠れ」と言う。一点を見つめながら「そうだな、またこの時刻だ。“明”では日が昇る頃だな。中毒症状の出た嘯天は毎日この時刻になると目覚め、熱に苦しんでた」と話す彭澤。「“黒スーツ”があくどい奴なら、徐兄貴も気づいて改心する」と暁東は励ますが、彭澤は「その前に殺されたら?」と心配する。暁東は衝動的になりそうな彭澤の気持ちを知りたいが、読心術を封印していてできない。
元気のない彭澤のために、特別な朝食を買ってきた莫涵。彭澤がそれを食べている時「彦軍さん」と言いながら探偵事務所にポニーが入って来る。
「久しぶり」と彦軍に抱きつくポニー。彭澤が「そちらのお嬢さんは?」と聞くと、彦軍は「彼女は俺の…にぎやかな後輩のポニーだ」と紹介する。そしてポニーにも2人は彭澤と莫涵だと。ポニーは「あなたが噂の莫涵ね」と莫涵にもハグをする。
彭澤は「“ポニー”は西洋の言葉だろ?どういう意味だ?」と尋ねる。彦軍が「それは“小さな馬”という意味さ」と答え「“馬(マー)”という性なら西洋の名をつけなくとも“小馬”でいいだろ」と言う。「そうよね、彭さん」と言いながら、彭澤に近づいていくポニー。ポニーは彭澤にも抱きつこうとするが、彭澤はよけてしまう。勢いのついていたポニーがカウンターにぶつかりそうになり、助けた彭澤が自然と抱きかかえる形に。
「なんてカッコいいの」とうっとりするポニー。慌てた彭澤はポニーを落としてしまう。それでもポニーは自分の気持ちを抑えることができず「こんなに胸が高鳴ったのは初めて。私と結婚しましょ」と彭澤に迫り出す。逃げ回る彭澤をポニーは追いかける。
自室で手袋を着けた手を見つめたあと、暁東は強く拳を握る。「いつまで意地を張ってるの」と顕婷は手袋を外そうとするが、その手を払い「意地じゃない。俺が過信したせいで君を傷つけた。だから読心術は使わない」と言う暁東。顕婷は「でも彭さんの心を知りたいんでしょ?」と言う。それでも暁東は「直接、本人に尋ねるよ」と返す。「分かった。でも、心配かけまいと彼がウソをついたら?たしかに私は負傷したけど…」と顕婷は言いかける。それをさえぎり「読心術は封印する。君の命を危険にさらしたんだぞ。いっそ死にたいよ。もう友人たちを傷つけたくないんだ」と暁東は言う。そんな中、ポニーに追いかけられる彭澤の声が聞こえてくる。
「彦軍さんの後輩が彭さんに恋したらしいわよ」と話す顕婷。暁東は「ありがたいよ。彭兄貴に好きな人ができれば無茶しないはずだ」と言う。
彦軍は探偵事務所を出て行く莫涵を呼び止める。「どこへ?」と彦軍が聞くと「夕食を買いに」と答える莫涵。彦軍は「言っただろ、1人で行動するな」と言う。「一緒に行く?」と莫涵が言い、彦軍は「いいよ。でも先に寄りたい場所がある」と返す。
彦軍は莫涵と一緒に“黒スーツ”の所へ。驚いた莫涵が「なんで私を連れてきたの?」と言うが、彦軍はそれには答えず、“黒スーツ”に「約束どおり莫涵を連れてきてやったぞ」と言う。“黒スーツ”がKを呼び、怯える莫涵。彦軍は「ずっと力になりたいと言ってただろ?望みをかなえてやる」と莫涵に言う。
監禁されている莫涵に彦軍は食事を持って行く。「裏切り者」と言う莫涵。それでも莫涵は信じられず「あなたが悪党になるわけない」と言う。しかし彦軍は「なぜ、そう思う。実は“黒スーツ”のことを尊敬してるんだ」と話す。君は無邪気すぎる、“黒スーツ”はすでに各界の要人を掌握していて勢力は全世界に及ぶ、何よりもここ数年、俺の研究は資金難に陥っていて経費を申請すると皮肉を言われウンザリだ、“黒スーツ”に従えば何でも手に入る、と。
彦軍は今後の身の振り方をよく考えるように言い、部屋を出て行く。
“黒スーツ”は彦軍に「なぜ、こんな行動に出た。先日は我々に捕らえられぬよう莫涵を守ったというのに、今日は自ら連れてきた」と言う。「大した理由じゃない。単純なことさ。莫涵が好きだ」と彦軍は答える。好きなのに差し出したと言われ、ますます理解できない“黒スーツ”。彦軍は「あんたと暁東が争えば負傷者が出る。だが、俺は当然、愛する莫涵を傷つけたくない。そこで考えたんだ。あんたに俺の気持ちを明かして彼女を本部に置いておけば安全だとね」と言う。そして人質として差し出した条件として「彼女の身の安全を保証し、霊脂蘭を飲ませないこと」と言う彦軍。
突然、腹を割って話された“黒スーツ”は“孫彦軍らしからぬ。うらがあるはずだ”と疑う。
嘯天を呼んだ“黒スーツ”は、任務が順調か聞く。「海浜市の資産家や高官に霊脂蘭を飲ませました」と嘯天は報告する。
“黒スーツ”のデスクの上にあるモニターには、監視カメラで撮っていた莫涵の映像が映し出されていた。嘯天はそれを見て「これは莫涵さんでは?」と聞く。「そうだ」と“黒スーツ”が認め、嘯天は莫涵には海浜市に来た時お世話になった、会いに行ってもいいですか?と言う。「なんだと?」と“黒スーツ”が言うと「もしかしたら取り込めるかもしれません」と言う嘯天。仕方なく黒スーツは会うことを認めてくれるが、決して情に流されないよう念を押す。
莫涵は会いに来た嘯天に、嘯天が出ていってから彭澤が夜も眠れず憔悴し切っていることを話す。あなたのために、毎日、解毒方法を捜していると。霊脂蘭が毒だと信じない嘯天に、万鍵師が“黒スーツ”に殺されたことも莫涵は伝える。徐菲のことを想い、目を潤ませた嘯天だったが、監視カメラの存在に気づく。
莫涵が“黒スーツ”は悪行を重ね、無実の人も平気で殺す男だと言う。そんな莫涵に「ボスを屈辱するな。君たちにボスの苦悩が理解できるものか」と怒る嘯天。嘯天は「2刻後に自然と解ける。自分の身を案じろ」とボソリと言うと出て行く。
部屋を出た嘯天は最愛の父を亡くした徐菲が心配でたまらない。そばにいてあげたいと思うが、黒スーツが許してくれないことも分かっていた。どうしたらいいのか分からない嘯天。
夕食を買いに行った莫涵が帰らず、顕婷と彭澤は心配する。そこに彦軍が来る。莫涵がいないと聞いても心配しない彦軍を顕婷は怪しむ。
顕婷は「彦軍は莫涵や暁東と友達とはいえ、彼がここに来てから奇妙な出来事が多すぎる」と彭澤に話す。莫涵の失踪には彦軍が関係していると思うと。彭澤も“黒スーツ”の本部に万鍵師がいると判明した時、いつもなら皆で策を講じるが、彦軍がじっくり練るよう指示し、カードキーを置いていったことが気になっていた。「嘯天はあの性格だ。鍵を見れば“黒スーツ”の本部に乗り込むに決まっている。“黒スーツ”が都統殿ならば嘯天は従うはずだ」と彭澤が言うと「“黒スーツ”の手下になるよう仕向けた」と顕婷は納得する。そして、やっぱり莫涵の失踪にも彦軍が関係していると思う顕婷。しかし彭澤は冷静に「確固たる証拠がない以上、推測でしかない」と言う。
嘯天は“黒スーツ”に莫涵を解放してほしいと頼む。“黒スーツ”はあきれ「たわけ者め。頭の中まで賊に毒されたのか。あの者は偉業をなすための大切な駒だぞ」と言う。
賊を捕らえた後、解放してやる、と言われ、嘯天は複雑な気持ちのままうなずく。
昨夜、戻らなかった莫涵が心配で溜まらない顕婷。そんな中、彦軍が来る。「莫涵の行き先に心当たりはない?」と聞く顕婷に、彦軍は「そんなこと、俺が知る訳ないだろ」と返す。顕婷は興奮して「とぼけないで…」と言うが、それ以上言うのを彭澤が止める。
「悪気はない、気が立っているのだ」と彭澤が彦軍に言い、彦軍は「いいんだ。行って来る」と“黒スーツ”の元へ向かう。
彦軍がいなくなり「彼を疑ってることがバレるだろ」と顕婷に言う彭澤。「だって心配するそぶりもないのよ。彼の仕業に違いないわ」と顕婷は言う。彭澤も彦軍が怪しいと思うが、真実を暴くために、まずは尻尾をつかむのだ、と話す。
莫涵の部屋へ行った彦軍は、怒る莫涵に襲いかかるフリをする。監視カメラでその様子を見ていた“黒スーツ”は笑いながら「孫彦軍は紳士的に見えて、愛する女を得るためには手段を選ばぬ貧欲な奴なのだな。利用価値のある男だ」とつぶやく。
カメラからはキスをしているように見せかけ、彦軍は「落ち着いて聞いてくれ。今から話すことは絶対に忘れるな。監禁してすまない。これは暁東と考えた最善の策なんだ」と莫涵にささやく。
探偵事務所に来た彦軍の首もとに剣をあて「暁東に免じて一度だけ機会をやる。莫さんをどこへ連れていった」と聞く彭澤。彦軍はとぼけるが、顕婷は信じない。「命が惜しければ、莫涵さんの居場所を言えと彭澤が言っても「知らない」と彦軍は言う。そこに「何してるんだ」と言いながら暁東が来る。
暁東に「事務所は今、大変なの。徐さんが出ていき莫涵は行方不明、万鍵師も死んだわ。彦軍は“黒スーツ”の偵察とか言って何の収穫もない。彼が莫涵をさらったのよ」と顕婷は話す。「俺の親友を疑うな」と暁東か言うと「疑うだけの理由がある」と言い返す顕婷。暁東はしっと立てた人差し指を口元へ持っていき、そっと皆に盗聴器の存在を知らせる。
暁東は「彦軍とは古い仲だし信頼してる。疑うなんて俺が許さない」と言いながら“平静を装え”と書いて皆に見せる。「つまり俺たちは“男の友情”という強い絆で結ばれてる」と彦軍が言い、話を合せて「暁東、そんなに怒らなくてもいいじゃない。私は莫涵が心配なのよ」と顕婷が言う。顕婷は彦軍に「“黒スーツ”と何があったの?」と聞く。「親友でもない君に報告する義理はない」と彦軍が返し「暁東、私よりも彼のことを信じるの?」と顕婷が言う。「当然だろ」と言う暁東。怒った顕婷は出て行ったフリをする。「洪…洪暁東、こんな賊を信じるとは失望したぞ」と言う彭澤。そこに国際警察から電話が。
暁東たちを仲たがいさせてくれた彦軍と、ワインで乾杯する“黒スーツ”。黒スーツは国際警察の用件を聞く。「ボスは国際警察の長官も掌握してるんだろ?今さら国際警察があがこうと脅威にもならないさ」と彦軍は返す。あんたは海外にまで幅を聞かせてるんだ、心配ない、と。そして「近いうちにいい物を送ってやる」と言う彦軍。“黒スーツ”は身を乗り出し「私が渇望している宝が修復できたのか?」と言う。彦軍は「もうすぐね」と答える。
ポニーに相変わらず追いかけ回されていた彭澤は、佑守に「彼女は私の苦悩を分かっておらぬ。今は天下が大いに乱れ、国際警察とやらも動きだした。なのに彼女はお気楽すぎる」と話す。それを聞いたポニーが何も言わず立ち去り、彼女が傷ついたと思ってしまう佑守。
彭澤はポニーの元へ行き「その…大丈夫か?」と聞く。「国際警察が来るのに、たしかに私はお気楽ね。担当刑事が女性で、彭さんに心奪われたらどうすればいいの?」と言うポニー。彭澤は驚き「あなたは救いようのない変わり者だ」と言ってその場を離れる。
ーつづくー
嘯天も大切な女性の父である万鍵師を殺されたのは許せないはず!!
これから嘯天がどう動くかも楽しみ。
ポニーが(≧∇≦)ノ彡
またまた彭澤か可笑しい。
彭澤が真面目だから、こういう設定がよく似合うというか。
あと暁東や顕婷たちとの小芝居も可笑しかった(*´艸`*)
彦軍が莫涵を“黒スーツ”の元へ連れて行ったのは、暁東と一緒に考えた策だったのね(✽ ゚д゚ ✽)
そのことにも気づかず、暁東たちが仲たがいしていると思い込んでる“黒スーツ”。
国際警察も動きだした!?
残りもあと数話。
これからどうなっていくのか気になるぅぅぅぅぅぅぅ。
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嘯天も彦軍の言動、黒スーツを欺くためなのね。
うささんが仰るように、彭澤&ポニーと盗聴発覚後のみんなの小芝居が面白かった。
莫涵と可尚がお似合いかと思ってたけど、彦軍でもいいね。可尚がかわいそうだけど。
その分他のメンバーの動きが面白くて目が離せないですね。
色んな謎がどう決着するのか気になります‼
私も彭澤がお気に入りかな~。彦軍も莫涵も好きです。
嘯天もお騒がせキャラだけど憎めなくて(笑)
莫涵はこのまま彦軍と・・かな。可尚も優しかったけど、ふってしまったものね。
黒スーツには皆で団結して立ち向かってほしいですね~。
ますよね。
見始めたらスイスイってこともあるんだけど。
小芝居、やっぱりねこさんも面白かったですか!?
気づかない“黒スーツ”はやっはり漢の人だから
なのかなぁ?(とか、妄想してみたり)
ずっと可尚は莫涵を守ってくれてたものね…。
暁東の親友じゃなかったらまた違ったのかな?
彦軍も暁東の親友(?)だけど、離れていたものね。
特にジローちゃんの出番がぐぐんっと減って寂しい!!!(;д;)
でも、くるみさんの書いているように、他のメンバーが
面白いですよね(*´艸`*)
彭澤は真面目だからこそ可笑しくて。
でも、冷静で優しくて、さすがだなってところもありますよね。
莫涵は彦軍と結ばれてほしいな〜。