【登場人物】
岳飛(がくひ) …文武両道に秀で、忠義に厚い勇士。主人公。
王貴(おうき) …岳飛の仲間。義兄弟。
杜充(とじゅう) …宗沢の部下。金と結託している。
王燮(おうしょう) …杜充の部下。
牛皐(ぎょうこう) …岳飛の仲間。義兄弟。
張用(ちょうよう) …岳飛の仲間。義兄弟。
傅慶(ふけい) …蜈蚣山の山賊討伐のために選ばれた100人の兵の1人。
兀朮(ウジュ) …太宗の4男。
「覆された皇位」
「私の陣営だ。どこに入れようと勝手だろう」と宇文虚中に言う兀朮。私はお前を赤狼の餌にすることだってできると。宇文虚中は「“国ありて家あり 国破れて家を失う”。今の私には生きるも死ぬも問題ではない」と話す。“密書”を差し出しながら「じゃあ、これは何?」と言う翎児。宇文虚中は「家の心配事を書き残しただけだ」と答える。それを聞いた翎児が「“我が魂の地に帰す時、ただ母のよるべなきと家にある書画骨董を思う…”」と書かれていたことを読みあげ「この男が心配しているのは書画骨董のことらしいわ」と兀朮と哈迷蚩に話す。
兀朮は「くだらん。命の瀬戸際で骨董だと?」と言う。「これこそが金の人間と我らの宋の者との違いだ」と返す宇文虚中。宇文虚中は「“名あるを深く思う 我が魂の地に帰す時 別に心にかかれるは無し ただ母のよるべなきと 家にある書画骨董のみを思う やむを得ざれば先に家具 道具類を手放し 次に衣類を その後 書物を手放す 骨董は最後に手放すべし もし捕虜の身となれば 逃るるは難し 骨董を抱き 自ら果てん 死すとも辱めは受くべからず”。欽宗帝は臣下の諫言を聞かず、国に身を奉じなかった。恥辱は因果応報だ。厳しい教訓と言っていいだろう」と言う。
兀朮は宇文虚中に今日から監視をつけるよう哈迷蚩に命じる。
宇文虚中が連れていかれ、翎児は「あの男を監視させて何になるの?」と兀朮に聞く。兀朮は「“汝の敵を知れ”と言うではないか。宋の文化を知る手がかりになる」と答える。
苗傅と劉正彦が謀反を起こし、高宗の寝所に乱入してくる。
高宗の胸ぐらをつかみながら「中原と二帝を奪還すると言ったな。だが逃げるばかりだ。それでも君主か」と言う劉正彦。高宗は「朕には朕の考えがあってのことだ」と返す。これは孫子兵法の“驕兵の計”で、すべて敵を油断させるためだと。
「そんな話を信じるのは康履と王淵だけだ」と指を指す劉正彦。その指の先には康履と王淵の生首が。それを見た高宗は座り込んでしまう。劉正彦が「取り巻きはもういない。これでもまだ自分の過ちを認めない気か」と言うと「朕は過ちを犯したのか…。兵を残して黄河を渡ったことか?」と言う高宗。苗傅は高宗の肩をつかみ「岳飛はお前にわざわざ陳情書を差し出して二帝の奪還を訴えた。だが、お前は悪意と解釈し、岳飛の任を解いた。もう勝手はさせんぞ」と言う。
苗傅と劉正彦は自分の罪を認め退位し、皇位は息子に譲るよう迫る。高宗は“朕、即位の後、国を治める力なく、敵の恥辱に遭いて民を苦しめるに至る。後悔も徒なり。罪を重ねるに忍びず、天下に退位の意を告げる。これ以後、金と宋の戦いの集結と、二度と開戦なきを望む”と書く。
紅玉は子と共に苗傅と劉正彦の元へ連れていかれる。
「韓将軍は我々が尊敬する先輩だ。都で動乱があったため、韓夫人の安全を考慮して避難していただいた」と言う劉正彦。紅玉は2人に感謝すると「趙構の即位後、北伐が叫ばれてきたものの果たされてはいない。韓将軍もずっと憂慮しておられます。将軍や兵たちが死さえ恐れることなく勇敢に戦うのも、すべて国土を取り戻すため。でも朝廷は北伐に兵を出そうとはしない」と話し、私も都に住むようになって趙構が無能な主君だと聞いている、お二人が実行なさったことはまさに正義の行動、韓将軍も謀反を考えつつ機会をつかめなかった、お二人の書状を私が届ければ必ず与するはず、と言う。
「願ってもない申し出だ。だが秀州までは道は遠い。子供は置いて行かれるがいい」と言う苗傅。紅玉は「まだ手のかかる乳飲み子です。残していけばご迷惑をかけるでしょう。逃亡をご懸念なら同行の者をつけては?」と提案する。
秀州へ向かっていた紅玉は、途中で馬車を止め、苗傅と劉正彦が同行させた兵を殺す。
韓世忠と会った紅玉は、苗傅と劉正彦が謀反を起こし、陛下を軟禁して退位を迫ったことを話す。陛下は暫時、大牢に入っていると。
韓世忠からの書状を読み、苗傅と劉正彦のしていることを知る岳飛。
留守府。「韓将軍は各軍に陛下の救出を呼びかけ、続々と賛同者が集まっているとか…」と杜充に話す王燮。劉光世は必ず臨安へ向かうだろうが、他の者は口先だけだと思う杜充は、まず1部隊を派遣して様子をみようと考える。「韓世忠と劉光世が勝てば我々は陛下を救った功臣だ。苗傅と劉正彦が勝ったなら、私が新皇帝の丞相となる」と。王燮が「臨安へは誰を派遣しますか?」と言ったところに、岳飛が来たと言う報告が。
岳飛はすでに事情を知っている杜充に「どうしますか?」と聞く。陛下の急だ、臣下なら当然、駆けつける。だがこの建康の状況も非常に緊迫している、大挙して臨安に向かえば敵に南下を促す、と話す杜充。岳飛は「敵の侵略も内部の動乱もどちらも重大です。私を信頼してくださるなら、私の軍を臨安に派遣してください」と言う。王燮は笑いながら「陛下の救出は重要な急務だ。本来、元帥が自ら向かうべきだが、今の状況ではここを動くわけにはいかん。あとでそのことを陛下に問われたら何と答えるつもりだ?」と岳飛に聞く。「私は元帥の配下です。私が臨安に向かえば元帥が行くのも同じこと。杜元帥が建康に残るのも陛下と国のためです」と答える岳飛。杜充は私の代理として臨安に向かうよう岳飛に言う。
出産から間もない紅玉を心配し、臨安へ1人で行こうと思う韓世忠。しかし紅玉は危険だからこそそばにいたいと話す。あの子も事情を知れば分かってくれる、私が一緒のほうが警戒されないと。紅玉の気持ちを聞き、韓世忠は一緒に行く事にする。
出された食事を高宗に少しだけでも食べるように言う呉夫人。高宗は首を横に振ると「考えていた。金におられる二帝の苦しみをな。民のこともだ。家を失った民たちは、混乱の中でなすすべもないのだ。朕が皇帝になったのは乱世を変えるためだった。なのに朕にはその力がないのだ」と言う。呉夫人は「今を耐え抜いて時機を待つことができれば、いつか必ず陛下の理想を実現できます」と話す。
秦檜が高宗に会いにくる。まだ朝儀が開かれていないこと、皇太后が摂政を拒否したこと、韓世忠が各地の軍に呼び掛け、陛下の救出にやってくることを説明する秦檜。こうなるに至ったのは朕にも過ちがあったと言う高宗に、秦檜は「陛下に過ちがあったとすれば武官を信頼しすぎたことです。宋朝は一貫して武より文を重んじました。もし武官が謀反を企てれば文官以上に危険は大きいのです」と話す。
秦檜は銀両を少し高宗に持たせ、高宗は「そちこそが朕の忠臣だ」と言う。
東門を張憲、西門を楊再興、南門を牛皐、一番守りが堅い北門を自分と王貴、傅慶で破る事にする岳飛。岳飛は「明日、夕方、韓将軍が宮中に入る。陛下の無事を確認し、我々に合図を出す。そうしたら行動開始だ」と王貴たちに話す。成功あるのみ、退却も許さないと。
韓世忠と紅玉が宮殿に。苗傅と劉正彦の2人と酒を飲む韓世忠。
韓世忠は趙構に辺境の地の領土を与え、王の爵位を封じて名誉を保てば、後の禍を生まないだろうと話す。納得する苗傅と劉正彦。さらに、差し支えなければ趙構に言いたい事がある、かつて宦官を重要する弊害を諫言したために罷免されかけた、その鬱憤を晴らしたい、と韓世忠は言う。苗傅と劉正彦は高宗を連れてくるよう命じる。
手枷をはめられた高宗が連れてられる。高宗が惨めな扱いをされる中、紅玉が「こんなうれしい酒は久しぶりですわ。座興に太鼓を打ってご覧に入れます」と言う。喜ぶ苗傅と劉正彦。
紅玉が太鼓を打ち始めると、行動に移し始める岳飛たち。そして、しばらく太鼓を打っていた紅玉も苗傅の顔に撥を投げつける。
ーつづくー
苗傅と劉正彦が謀反を起こすとまで思っていなかったーヾ(・ω・`;)ノ
しかも、すごく横柄な態度で…。
あと康履と王淵の死があっけなかったかも?
秦檜も相変わらず卑怯で…。
岳飛が「私の軍を臨安に派遣してください」と言った時の杜充のしめしめっていう顔ったら!!
きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃヾ(`Д´*)ノ
高宗に出された食事。
もう金で秦檜たちの出された豚の餌が最低最悪だったから、ぜんぜん大丈夫!(なにが?)
それよりも呉夫人がちょっと気になったかな?
夫から引き離された呉夫人は、連れて来られた時と今と全然違う感じに見えるんだけど…。
高宗のことをどう思っているんだろう?
秦檜がまたよけいなことを(;´д`)ノ
武より文、と話ていたけど、助けてくれるのは武官じゃない!!( ̄^ ̄メ)
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苗傅と劉正彦?
うささんのあらすじ22話まで戻りました。
康履と王淵の首にもびっくり。
「この借りは必ず返してやる。」って、このことだったんだ。
朝廷の腐敗に憤るのは、もちろんその通りだけど
韓正忠の言うように二人は小物すぎる。
牢屋で高宗に出された食事は、ちらし寿司のように
まだ豪華?でしたよね。
でもこの二人の謀反がなかったら、高宗は反省することもなかったかも。
一夜で天地がひっくり返り、二帝のことが少しでも高宗に分かったかな?
梁紅玉さん、才色兼備。
赤ちゃんを人質にとられなくて良かったです。
最後の太鼓の場面、かっこよかった~。
そんな中で、女性がキラリ。
紅玉さんは、姐姐やねこさんが触れられているように
すばらしい知力と行動力でした。
髪型も、ほわっとしている角度もあり、
見る方向違っていて、凝っていたように思いました。
ほわっとした感じはひさびさにクイーンズも思い出しましたー
翎児は、白地に渦巻き柄の衣装がモダンな感じでしたねー
ステキに着こなしていました!
最後は、登場の仕方が切なかった呉夫人。
ゆらゆらしてばかりの高宗を支えていて。
「今を耐え抜いて時機を待つことができれば、理想の実現へ」
こんな言葉を掛けられるなんて、本当に素晴らしすぎます!
呉夫人のためにも救われてほしいです。
頑張れ、岳飛!ですねー