国税専門官を目指して ~絶対合格には長期戦だ~
みなさんこんにちは。引き続き国税局の採用試験合格マニュアルを読んでくださりありがとうございます。前回お話した通り、筆者の合格最大の要因は早く受験を決心したこと、早くに対策を始めたことでした。たとえ一日でも長く準備の時間があれば合格に近づけると思います。
とは言っても学生の方は授業や課外活動、アルバイトがありますし、既卒者の方ならお仕事や家事もあることでしょう。1日24時間の中で勉強に割ける時間はむしろ限られています。限られた勉強時間に集中することは言うまでもありませんし、だからこそ準備の長い時間が必要になるのです。
今回は筆者の合格への年間スケジュールをご紹介したいと思います。
3回生 4月 勉強開始 憲法
5月 民法
6月 行政法
7月 夏期講習 経済学
8月 商法
9月 会計学
10月 政治学
11月 経営学
12月 社会学
1月 数的処理・文章理解
2月
3月 教養科目
4回生 4月 論述問題、復習
5月民間就活開始 まとめ
6月一時筆記試験
7月一次合格発表
8月二次面接
9月最終合格発表
一次と二次の試験や合格発表のスケジュールは当時と今では異なるかもしれませんね。
前述のように筆者は経済学部なのでまず手薄な法律からじっくり勉強しようと思いました。したがって、もし法学部の方など経済学部以外の方なら時間のあるうちに経済学からじっくり勉強されるのがいいかもしれません。あとで詳しく言いますが、勉強の順番は憲法→民法→行政法→商法の順がいいかと思います。
民法と経済学、会計学はじっくり時間をかけて勉強してください。上のスケジュール表では各科目ひと月になってはありますが、これはあくまでも便宜上のことでどうかとらわれ過ぎないようお願いします。記述問題で取ろうとする科目はなおさらですね。それに試験の後も知っておくといいためになる科目ばかりです。たとえ国税局以外の進路に進むとしても、です。逆に憲法、商法、政治学、経営学、社会学、これらの科目はひと月かけるとかけ過ぎです。過去問を中心に手早く対策を進めてください。
行政法は中間的です。でも、もしこのマニュアルをお読みの方で都道府県庁や市役所の受験を希望されている方や国税局と併願される方はじっくり勉強されたらいいでしょう。実務や昇進で行政法が大事になると聞きます。
どちらかと言うと専門科目の勉強ぶりで国税局の採用試験は決まると思います。なぜなら専門科目の方が本もちゃんとあって対策が立てやすいからです。まず、過去問を1,2問解いてアウトプット。その後じっくりインプットし、再びアウトプットするという勉強法です。しかしながら、昨今の国税局の採用試験は専門科目の中に筆者の時はなかった英語や商業英語、情報系の科目があり、これらは専用の過去問題集もなく対策が立てにくいのです。経済学部、法学部、商・経営学部以外からもいい人材を確保したいという採用側の思惑でしょうが、英語などや情報系の科目は数的処理や文章理解と同様に考えてアウトプットの勉強で対策してください。インプットというのがむしろないと考えられます。
今回の最後として教養科目は早くから手を出さない方がいいと思います。本気で勉強しようとすれば範囲が広すぎます。これもアウトプットのみの勉強です。国税局を目指されるみなさんなら当然知っている問題、という意味合いです。過去問を解いてください。あと、本番の試験では教養試験はひたすら時間との戦いになります。数的処理、文章理解でいかにスピードを上げるかです。こうした科目で普段から時間を心がけましょう。