霊木金言寺銀杏樹物語 一 小早川錦棕梠 2021-04-23 13:10:22 | 物語 正安二年恩師日興上人の御勘氣不興を蒙り給ひし京都 本山要法寺御開山日尊上人は、法華経一部と御聖像を背に 負ひ蓑と笠とに身を隠し、足に草鞋のすれな傷痍もお厭ひ なく西國弘通に向はれた。或る時は家なき里に日を暮らし て土橋の下、又は辻堂の中に露を凌ぎ給ひことも幾何ぞや。 つづく