米国で起きた実際の事件をもとにした「テキサス・バイオレンス」を鑑賞しました。
冒頭のテロップで、これが実話を基にしていること、有史以来、最も奴隷が多いのは現在であることが語られ、いきなり衝撃を受けます。
奴隷といっても労働をさせるのが目的ではなく、もっぱら売春をさせるため、若い女や少年が拉致・監禁され、売春を強要されている、というのです。
メキシコ国境に近いテキサスの田舎町。
町外れに、青い家が建っています。
町で唯一の売春宿です。
この売春宿、若い女を誘拐しては売春に従事させ、売り物にならなくなると殺害してしまうという、にわかには信じがたい営業を行っています。
そしてその日も、ある若い女が誘拐され、彼女を探す弁護士の姉とその夫が命がけで救出する物語です。
売春宿を経営する側も、それに立ち向かう側も、じつに暴力に親和的です。
簡単に銃をぶっ放し、相手を殴り殺してしまいます。
米国の暗部を抉り出して、後味の悪い佳作に仕上がっています。
しかも町の女保安官補が売春宿に協力しており、その殺し合いは凄惨を極めます。
唯一の救いは、女保安官補の上司の保安官がまともなことです。
でも多分、フィクションだったら保安官も悪役に仕立て、悲惨な結末を迎えるのでしょうね。
実話だからこそ、どこか退屈な、しかし説得力のある映画になったのだと思います。
それにしてもキリスト教やイスラム教というのは、過剰なまでに性に厳格で、だからこそ無軌道な性行動は背徳の快楽という感じがしてエスカレートしてしまうのではないかと思います。
わが国のように性に大らかだと、開けっぴろげで明るく、かえって性の悦びを低減させているように感じます。
単に売春宿を営みたいだけなら、女を募集してきちんと給料を払えばすむものを、なんだってまた誘拐して殺人まで犯してしまうのでしょうね。
米国の田舎、恐るべし。
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