犬を飼う

生まれたときから常に家には犬がいた。
就職して一人暮らしをするようになっても実家には犬がいて、親に会うよりも犬にあいたくてちょくちょく帰ったりしていた。その犬が死んでから、約10年の間、「犬なし」の生活をしてきたが、今度引っ越す集合住宅では動物が飼えるので久しぶりに犬を飼うことを考え始めている。
インターネットで犬の種類や、集合住宅で買う場合の注意事項など検索していると「一人暮らしで日中家にいないとお留守番させられる犬がかわいそうだから、こういう人は犬を飼うべきではない」というご意見に行き当たった。なるほど、それもそうだよね、と思いつつ、最近の犬って思いやられているんだなあと感心した。
私が子供のころはたいていの犬は外で飼われていた。玄関先や庭の片隅に犬小屋を置いて、その前の杭に鎖でつないで飼うのが定番だったのではないか。杭に鎖が絡みついて身動きできない犬のそばに干からびたご飯つぶの付いたアルミの小さい鍋がころがっている、なんて風景がよくあった。あのころ、犬は家族に遊んでもらったりしていただろうか。夕方にちょこっと散歩に連れて行かれたり、通りすがりの子供にからかわれたりするくらいで「スキンシップが必要です」なんて何のお話？って感じだった。あのころの犬たち、ひどい孤独感に苛まれていたんだろうか。
でも「犬のストレス」は今の方がひどそうだよね。
なんなんでしょ。