今日も今日とて

毎日の出来事、思ったことなどつらつらと書き綴ってみたいと思います。

日本にない危機感

2004-09-28 21:39:17 | 日々雑感
先週末、韓国に旅行し、オプショナルツアーに参加した。
アメリカやヨーロッパからの旅行者に混じってバスで韓国・北朝鮮国境近くの非武装地帯へ。

私は太平洋戦争・第二次世界大戦についてはだいぶ勉強したつもりだったが、朝鮮戦争についてはまったく知らないに等しいということを知った。
案内してくれた多分20代と思われるガイドさんが言っていた。
「日本人、歴史を勉強しなさ過ぎます。」

聞けば、「冬ソナ」ツアーのおばさんたちは北朝鮮と韓国の位置関係も知らなければ、ソウルが先進的な都市だということも知らないという。
「あら、ソウルって思ったより都会なのねえ」と言われました、とガイドさんは呆れていた。

今日、ヨーロッパから来た業者の人に韓国旅行のことを話したら、みんな非武装地帯のことを知っていた。そして、ぜひ南アフリカに行ってみろといわれた。マンデラ大統領が17年間繋がれていた獄の後が見学コースとして残っているという。それはぞっとする迷路のような牢獄なのだが、当時政治犯として投獄されていた人たちがガイドとして案内してくれるという。
彼らはもう何も恨んではおらず、淡々と慣れ親しんだ場所の説明をしてくれるという。

世界には、ごく身近な韓国にさえ、平和な今に対峙する過去の現実が存在する。
もちろん日本にも存在する。ヒロシマ・ナガサキ、特攻基地、そして
本来ならば靖国も。
日本人はそれらをすべてもっと優しいものに置き換えてしまった。ノスタルジーにしてしまった。本当は何も終わっていないのに。
海に守られて何も見えないことにしてしまった。
個人個人が自分の感性に責任を持たなければ。