I~これが私~

風の吹くまま,気の向くまま,ありのままの自分で。

『ミゼット ウィング』第5章-4

2010-12-15 19:55:19 | 小説『ミゼット ウィング』
ミゼット ウィング
 ~小さな小さな はね物語~


第5章 決定!!アイドルデビュー!!! 

4.ベルのかくしゴト

「ちょっと、フルートさん!ここってアイドル部の部室じゃないですか!」
「おお、大正解。よくわかったね!」
聞いたことのある声だ。
フルートの後ろになっていて、顔がよく見えない。
「よくわかったねって…。普通全員知ってますよっ!」
「有名ですし。」
「知らない方がおかしいですよ。」
他にも3人いる。
ということは、6人でチームになるということらしい。
「ビオラ、目隠し。」
ベルに言われて、ビオラがさっと移動する。
そしてすぐにラートとフラットの目を隠す。
「フルートも。あと4人に目隠しやって。」
「私1人で4人もー?ひどいなぁ…。」
フルートもぶちぶち言いながらやっているようだ。
「さてと。もう一つ話すわね。」
こんな状態で悪いけど、と付け足す。
「あのね。みんなってゆーか、フラットとラート。私の顔に見覚えは?」
「…目隠しで見えません。」
「さっきじゅーぶん見たでしょ~♪」
フルートが2人の後ろで苦笑する。
いつの間に移動していたんだろうか。
「?わかりません。」
「別にいーけど。あの時暗かったしね。」
それでフラットはまた記憶を探り始めた。
「助けたの、私なんだよね。」
「は?」
「だからぁ~。」
「いや、わかりました、そこは!そうじゃなくていつ?」
「え、マジで覚えてないの!?」
思わずベルの声が大きくなる。
「じゃーヒント!」
クイズ大会でもないのにそんなことを言い出したフルート。
楽しいことが好きな、変わった人だ。
「1つ。夏祭りぃ!」
「夏祭りぃ?」
「2つぅ!壊れたステージ!」
それも夏祭りのことだ。
2人は時間を巻き戻してみる。
「もしかして…」
と誰かが言う。気付いたらしい。
「3つっ!『悪魔だろうと天使だろうと同じ』!!」
「あーっっっ!!!!」
その場にいた人たちが目隠しをはずしてベルの顔を確認する。
「あーちょっと。目隠しはずしたらだめでしょー。」
「もしかしてあの時の人は…!」
全員驚きで言葉が続かない。
そして。
「あれ?」
とみんなが周りを見る。
確かそこら辺にいたのは、コンビを組む残りの4人…。
「えーっっっ!!!」
窓も割れるくらいの声。
そこにいた6人がどうしてそんな声を上げたかというと。

そこにいたのは。悪魔の知っている人だったからだ。



written by ふーちん


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