ミゼット ウィング
~小さな小さな はね物語~
第9章 決戦!「種族の戦い」
3.なんちゃって!
「―――なぁんて、言うと思った?」
ロアの声だ。
跪いたロアの口が、笑っている。
「えっ?」
イブが驚きの声を上げる。
そんなことも分かんないのかって感じ。
跪いていた全員が顔を上げた。
「なんちゃって、だよ。あんたに忠誠なんて誓うわけないし~。」
ナチュラルが楽しそうに言った。
確かに、ということを言っているのだが、イブは分かってない。
「何よ…?正しいって思ったって言うのも、嘘?どういうことなの?」
「かわいそうに…。教えてあげるわ。」
そう言ったのは、シャープ。
一年生の集団から聞こえた言葉に、イブはびくっと肩を震わせた。
そして振り向き、自分以外の1年天使全員が「マリウォント」にかかっていることに気付く。
「いつの間に…。アイネ、あなたも…?」
イブはアイネを見た。
その瞳は、怒りで燃えている。
それに加えて、ひどく寂しげだった。
(寂しい?どうして、イブが私に対して寂しいと思うの?)
「そう、みんな操られているわ。」
シャープが冷たく言う。
イブはそれを聞いて、地面に座り込んでしまった。
「何で?どうしてよ!私は悪いことなんてしてない!なのに、何で悪魔なんかに叱られなきゃ――」
イブの言葉は途中で切れた。
かわりに、パシィィ!という音が響く。
「好き勝手にほざいてんじゃないよ、イブ。」
ロアが、初めてイブの名を呼んだ。
そのロアに漆黒の双眸で見据えられ、イブの瞳から涙が一筋こぼれた。
Written by ふーちん
~小さな小さな はね物語~
第9章 決戦!「種族の戦い」
3.なんちゃって!
「―――なぁんて、言うと思った?」
ロアの声だ。
跪いたロアの口が、笑っている。
「えっ?」
イブが驚きの声を上げる。
そんなことも分かんないのかって感じ。
跪いていた全員が顔を上げた。
「なんちゃって、だよ。あんたに忠誠なんて誓うわけないし~。」
ナチュラルが楽しそうに言った。
確かに、ということを言っているのだが、イブは分かってない。
「何よ…?正しいって思ったって言うのも、嘘?どういうことなの?」
「かわいそうに…。教えてあげるわ。」
そう言ったのは、シャープ。
一年生の集団から聞こえた言葉に、イブはびくっと肩を震わせた。
そして振り向き、自分以外の1年天使全員が「マリウォント」にかかっていることに気付く。
「いつの間に…。アイネ、あなたも…?」
イブはアイネを見た。
その瞳は、怒りで燃えている。
それに加えて、ひどく寂しげだった。
(寂しい?どうして、イブが私に対して寂しいと思うの?)
「そう、みんな操られているわ。」
シャープが冷たく言う。
イブはそれを聞いて、地面に座り込んでしまった。
「何で?どうしてよ!私は悪いことなんてしてない!なのに、何で悪魔なんかに叱られなきゃ――」
イブの言葉は途中で切れた。
かわりに、パシィィ!という音が響く。
「好き勝手にほざいてんじゃないよ、イブ。」
ロアが、初めてイブの名を呼んだ。
そのロアに漆黒の双眸で見据えられ、イブの瞳から涙が一筋こぼれた。
Written by ふーちん