I~これが私~

風の吹くまま,気の向くまま,ありのままの自分で。

『ミゼットウィング』第11章-1

2012-01-24 18:15:36 | 小説『ミゼット ウィング』
ミゼット ウィング
 ~小さな小さな はね物語~


第11章 た、退学の危機!?

1.泥棒?悪魔?ふざけんな!

『ミゼットウィングの皆さん、至急職員室へ集合してください。えー繰り返します――――』
そんなアナウンスが校内に響く。
フラットの混乱し始めた頭にも響く。
廊下を走りたくなる気持ちを抑え、フラットは職員室へと早歩きで向かった。
それは、本当に突然のことだった。
授業後の掃除が終わって、フラットは教室で補修を行う予定があった。
小テストが赤点という結果のせいである。
もとは勉強しなかったのが悪いが。
教室に戻っている途中にこのアナウンスだ。
アナウンスと補修とどっちを優先するか迷ったが、職員室はさっき通り過ぎたばっかりで、教室はまだ向こう。
職員室の方が近い!
フラットはアナウンスの内容をとった。
回れ右をして職員室へ。
「失礼しまっす!」
冗談めかして職員室に入る。
前は失笑をかったりしたのだが、今は何かが違っていた。
「フラット…。」
刺さるような視線。
「…何?私…何かしたっけ?」
小声で呟き、もう来ていたラート達の元へ向かう。
彼女たちもまた、不安そうな顔をしていた。
そこには、何故かアイネ達一年生の3人もいた。
「…全員そろったようね。」
先生、学園長が来る。
学園長は以前話したことがあるけれど、前よりも表情が険しく見えた。
というか、学園長が出てくるほど大変な何かをやった覚えがないのだが。
「私達、何かしましたか?」
ロアが眉をひそめて聞く。
彼女はもう戦闘モードに入っている。
先生が何か言おうと口を開くが、学園長に遮られた。
「そうね。…ちゃんと説明しなくてはいけないわ。」
ぎこちなく微笑む。
そしてもう一度深呼吸をし、重々しく口を開いた。
「学園の教会に、光花の花びらがあることは知っているわよね?」
一年生も会わせた9人が頷く。
光花というのは、ラブールの国宝であり、水色に光っている白い花だ。
この花、または花びらがあるところは、神の守護を受けるらしい。
神の守護~の話、フラットは毛頭信じていなかった。
あー、珍しい花だなーとは思ったけれど。
学園長が続ける。
「それが、昨夜盗まれたのよ。」
空気が凍り付く。
待って、まってまって――――フラットは頭の中で整理を始める。
ミゼットウィングを呼んで、その話をした。
雰囲気的に犯人捜しというわけではない。
つまり―――
「私達を、疑っているんですか。」
ナチュラルのふるえた声音。
聞くまでもない。
その通りだった。
問題は、何故ミゼットウィングを疑ったのか。
レストが、口を開く。

「私達が、悪魔だから…だから、疑っているんですか。」

他の全員も、それ以外考えられなかった。


Written by ふーちん


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1 コメント

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Unknown (みぞれ)
2012-01-27 17:58:06
悪魔だからって決め付けるなんてふざけんなっ!
いい人達なのに・・・。


月曜日、たのしみだわぁ♪
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