宇宙の闇

小型探査機ホイヘンスは、土星最大の衛星タイタンの「泥」の上に着地した。

宇宙に関する最先端のニュースを耳にするたび、思うことがある。

人類が初めて宇宙に出たのは、ボストーク１号に乗船したガガーリン少佐だ。
「地球は青かった」の言葉はあまりにも有名だが、打ち上げから、
２時間弱での地上帰還とは、意外に短時間な宇宙飛行である。
自分の片道通勤時間とさして違いはない。ヾ(ーー )ォィォィ

ソ連がアメリカに先んじた点は驚きだが、どの国でも、いいことしか、
宣伝しないであろう。
地球周回軌道を飛び出して、帰還に失敗した有人船の存在は闇に葬られたはずだ。

二度と戻れぬ地球を、遠ざかる景色を、その無名の飛行士はどんな気持ちで
眺めたのだろうか。

そして、今もその宇宙船は無名の飛行士を乗せて、宇宙の片隅を飛んでいるに
違いない。