カーディガンの男
周囲の人やモノの、ほんのかすかな違和感を察知して笑いのめすのが、
女の人はととてもうまいと思うんだけどどうでしょう。
このエッセイにちょこっと登場する会社員「コーノさん」の話。
彼はどんなに寒い日でもスーツだけで出勤するのだが、
手には巨大なスキー用手袋をはめてくるのだそうだ。
お昼どきになると机の上でツナ缶を空けてマヨネーズを絞り、
かきまぜたそれを食パンに乗せて食べている。
女子社員がつけたあだ名は「ツナ夫」。
この「ツナ夫」という絶妙なネーミングは
大爆笑モノとは違う「くすっ」という笑いだ。
攻撃性はほとんどなくて、ふわりと軽くて、でも、ちょっと意地が悪い。
男の人にはこれがわかる人とそうじゃない人の二通りがいると思う。
穂村弘はまちがいなく前者だ。
たとえば石原慎太郎は後者だ。
そして、さらに思い込みを語らせてもらえば
前者の多くは眼鏡にカーディガンだ。
もうひとつ。
20年上の人と付き合っている若い女性が
相手からのメールの「がんばってネ」の文字に「醒めてしまった」と思う話。
ああ!!わかるっっ!!わたしもこの女性に一票!
「がんばってね」でいいじゃないか。なぜわざわざ「ネ」と書くの。
「○○ちゃん」を「○○チャン」って書いたりしたらもう最悪だ。
穂村さんにはこの感情はよくわからなくておろおろしている。
でも「なんだそれ、「ね」でも「ネ」でも同じだろ。女ってのはよくわからん」
と言った反応ではもちろんなく
「え?どうして?なにがいけないの?」とうろたえてくれる。
穂村さんはピシッとした人ではないみたいだけど
ある種の女性にもてそうなのはこういうところなのではと思う。
ある種の、ってのは男性に対してマチズムを要求しない女性、かな。
ところで、わたしは今回穂村本を初めて読んだのだが
途中、春日武彦とおぼしきお医者さんと吉野朔実がチラッと登場し、
そこでやっと吉野朔実のエッセイ漫画に出てくる「ほむらさん」とこの人が同一人物であることに気付いた。おそっ。
周囲の人やモノの、ほんのかすかな違和感を察知して笑いのめすのが、
女の人はととてもうまいと思うんだけどどうでしょう。
このエッセイにちょこっと登場する会社員「コーノさん」の話。
彼はどんなに寒い日でもスーツだけで出勤するのだが、
手には巨大なスキー用手袋をはめてくるのだそうだ。
お昼どきになると机の上でツナ缶を空けてマヨネーズを絞り、
かきまぜたそれを食パンに乗せて食べている。
女子社員がつけたあだ名は「ツナ夫」。
この「ツナ夫」という絶妙なネーミングは
大爆笑モノとは違う「くすっ」という笑いだ。
攻撃性はほとんどなくて、ふわりと軽くて、でも、ちょっと意地が悪い。
男の人にはこれがわかる人とそうじゃない人の二通りがいると思う。
穂村弘はまちがいなく前者だ。
たとえば石原慎太郎は後者だ。
そして、さらに思い込みを語らせてもらえば
前者の多くは眼鏡にカーディガンだ。
もうひとつ。
20年上の人と付き合っている若い女性が
相手からのメールの「がんばってネ」の文字に「醒めてしまった」と思う話。
ああ!!わかるっっ!!わたしもこの女性に一票!
「がんばってね」でいいじゃないか。なぜわざわざ「ネ」と書くの。
「○○ちゃん」を「○○チャン」って書いたりしたらもう最悪だ。
穂村さんにはこの感情はよくわからなくておろおろしている。
でも「なんだそれ、「ね」でも「ネ」でも同じだろ。女ってのはよくわからん」
と言った反応ではもちろんなく
「え?どうして?なにがいけないの?」とうろたえてくれる。
穂村さんはピシッとした人ではないみたいだけど
ある種の女性にもてそうなのはこういうところなのではと思う。
ある種の、ってのは男性に対してマチズムを要求しない女性、かな。
ところで、わたしは今回穂村本を初めて読んだのだが
途中、春日武彦とおぼしきお医者さんと吉野朔実がチラッと登場し、
そこでやっと吉野朔実のエッセイ漫画に出てくる「ほむらさん」とこの人が同一人物であることに気付いた。おそっ。