快読日記

日々の読書記録

「カキフライが無いなら来なかった」せきしろ 又吉直樹

2012年02月02日 | 言語・文芸評論・古典・詩歌
《1/26読了 幻冬舎 2009年刊 【句集】 せきしろ(1970~)/またよし・なおき(1980~)》

蚊に刺されるために生きたような日だ(せきしろ)

ほめられたことをもう一度できない(又吉)

カーテンの丈も便座カバーの形も間違った(せきしろ)

眼鏡が曇ったもう負けでいい(せきしろ)

耳鼻咽喉の看板が阿鼻叫喚に見えた夜(又吉)

まだ何かに選ばれることを期待している(又吉)

自由律俳句、楽しそう。
ちょっと作ってみたくなります。
所々にエッセイ(?)も挟まれています。
最初、この二人の味の違いがよくわからなかったけど、徐々に親しめたのもよかったです。
どうしようもないとき、やるせないとき、何かに負けたとき、それらにぴったりの言葉を探してはめてみると、その場面が一枚の写真みたいに焼き付きます。
人を笑い、状況を笑い、自分さえも笑う。
それは大笑いとも冷笑とも違う、伏し目がちで遠慮がちな「ふふふっ」ってかんじの笑いです。

/「カキフライが無いなら来なかった」せきしろ 又吉直樹
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