快読日記

読書とともにある日々のはなし

「科学捜査の現場 体毛は『人と事件』を語る」須藤武雄

2008年04月04日 | ノンフィクション・社会・事件・評伝
《4cmのすね毛、黄色い陰毛》





筆者は1917年生まれで科学捜査官の草分けとして活躍し、1978年には退官しています。
DNA鑑定が登場するずっと以前の話です。

たとえば、殺人現場に落ちていた5本の陰毛。
どれが被害者のもので、どれが加害者のものか。
当時、ほとんど人の目だけでどうやって識別したのでしょう。
そんな話に始まって、奇妙な陰毛の話、女の陰毛を食べてしまった男の話、あるべきところに毛がなかった人達の数奇な運命など、こんなに毛のことばかり考えたのは初めてです。

ネタは豊富です。
おもしろい話から切ない話、許せない話などなど。
引退した捜査官と居酒屋で一杯やりながら話を聞いているような錯覚に陥りました。
■4/3読了
講談社+α文庫【ノンフィクション】