http://www.youtube.com/watch?v=5X6Hkp1OpfE
http://www.youtube.com/watch?v=QED28cQY56I
あれ?もうネタが尽きたんですか?
などと言われてしまいそうですが、"Place of My Own"に続いてCaravanのファーストアルバム"Caravan"(1969)から
"Love Song With Flute"を取り上げてみます。
元々は"Place of My Own"ではなく、この曲を最初に取り上げる予定だったのですが、
当時はユーチューブにはこの曲はアップされていなかったんですよね。
最近になって再びアップされていたので、この機会に是非一度聞いて頂きたい。
ということなので別に手抜きじゃないんですよ(いや、少しは手抜きもあるかもしれませんが…)。
"Place of My Own"も含め、アルバム全体としてもサイケ色が強かったファーストアルバム。
その中で後のプログレ的展開を予感させるような曲がいくつかあって、
例えば最終曲の"Where but for caravan would I"は曲も長いし、展開も一風変わっています。
ただ曲としてはあんまり魅力的という感じはしません。
むしろ"Place of My Own"でも顕著だったように、歌メロに長めの間奏部を組み合わせるという方法論を膨らませていったのが
後の"For Richard"や"Nine Feet Underground"のようなオムニバス形式の大曲につながっていったと感じさせます。
この"Love Song With Flute"はアルバム中では最もジャズロックっぽさを感じさせる曲。
キャラヴァンは一般的にもアルバム"Waterloo Lily"辺りまでがジャズロックであると考えられています。
この曲もシンプルなメロディとDavid Sinclairのハモンドオルガンによるどこか寂しげなアレンジが
ロックのダイナミズムよりもジャズっぽい落ち着いた印象を抱かせる要因となっています。
また後半部のJimmy Hastingsのフルートもジャズっぽい魅力に溢れています。
ただ彼らの曲の全部がジャズロックって言っちゃってよいかは別の話。
"Place of My Own"のときにも言及したようにフォークの要素も強いのが初期の特徴です。
後のアルバム"In The Land of Grey and Pink"の代名詞とも言える「牧歌的」という要素も
フォーク的なものからきているのではないでしょうか?
"Place of My Own"や"Magic Man"などのフォーク的な曲と"Love Song With Flute"のようなジャズ的な曲。
次作のアルバム以降はそうしたものが渾然一体となって"For Richard"や"Nine Feet Underground"といった名曲が生み出されていく。
初期の三作のアルバムはそういった過程を如実に物語っているものとしてみるとなかなか面白いものがあります。
ジャケットは"Place of My Own"のものを見てもらうとして、今回はCDの盤面をアップしてみました。