(駐車場から霊山を見上げる)
まず、詳しいルートについてはこちら(http://www.date-shi.jp/pdf/ryozen-tozan.pdf)をどうぞ。
さて、遺品整理等で結構忙しく過ごしていたのですが、連休は流石に役所や金融機関は休みなので、天候を見計らって伊達市の霊山へ行って参りました。霊山といえば津波の被害を受けた相馬市そして計画的避難区域として大騒ぎしている飯舘村に近く、何となく登りにくいなぁという雰囲気はありました。そのため当初は桑折の名山半田山に登ろうと思っていたのですが、先の地震でアクセスルートが崩壊し、入山禁止。結局4年前に一度登った霊山に再訪することになったのです。
霊山への訪問を躊躇う、もう一つの理由は交通アクセスの問題です。4年前は霊山の中心街である掛田駅前から居藪行きのバスが出ており、何とか乗り継いで登ることができました。ところが居藪行きのバスも廃止になり、掛田からはタクシーしかありません。流石に歩ける距離でもない。迷った結果、身を寄せている親類の家から自転車で行くことにしました。距離は26km。朝5時半出発で登山口に着いたのが8時半。ええ、アホですよ。本当に。まあ、マトモな人にはタクシーをお薦めします。料金は掛田からなら大体4000円くらいだと思います。
災害派遣の自衛隊車両や警察車両を横目に見ながら、国道115号線を自転車を走らせると霊山こどもの村が見えてきます。こどもの村入口を見送り、更に国道を上がるとかつて行合道バス停のあった霊山の入口へ着きます。ここから登山口のある霊山駐車場までは車道を更に30分ほど上がります。しんど…。ようやく霊山駐車場に着いた頃には既に一山登ったくらいに疲労してました。駐車場は4年前に来たときよりも綺麗になっていたような気がします。真新しいトイレは女性には好まれそうですね。
(駐車場のトイレ 側に置かれた自転車が私が漕いできたもの アホだ・・・)
登山口の側には案内板があり、登山届入れと立派な地図が置いてあります。上のリンク先と同じものが置いてあるので、一部持っていくと便利です。登山道は最初車が通れるくらい広い林道が続きます。無線中継所跡への分岐を見送ると次第に傾斜を増していき、本格的な登山道となります。体力的にはここが一番キツイところでしょう。帰るときここを登ってくる人と擦れ違いましたが、皆死にそうな顔していました(汗)。自然石で出来た石段を登っていき、傾斜が緩んでくると最初のスポットの鍛冶小屋岩です。雨宿りするのもちょっと難しそうですね。
(鍛冶小屋岩)
鍛冶小屋岩から先は一段と傾斜も緩んで山上漫歩の気分を楽しめます。この先体力的にキツイ所というと甲岩周辺と望洋台あるいは国司館跡への登りくらいでしょうか。広い遊歩道状の登山道を緩やかに登っていくと宝寿台への登り口があります。宝寿台と言われる岩の上へは結構高度感のある梯子を登っていきます。高所恐怖症の私には少し辛いところ。まあ、表妙義の山頂コースよりはずっとマシですが。広い岩の上からは南西側の展望が大きく開けています。
(宝寿台への梯子)
(宝寿台からの眺め 正面の山は最澄山)
宝寿台から往路を戻ると次は見下し岩。ここは簡単に登れますが、やはりかなりの高度感があります。眼下には霊山こどもの村が見えています。
(遊歩道のような登山道)
(見下し岩からの眺め)
見下し岩から縦走路を進むと日暮岩入口で道は二手に分かれます。結構地元の人は親不知・子不知、護摩壇を先に回るようですが、私は前回と同じく日暮岩を先に回ります。日暮岩入口から弁天岩入口までは断崖脇をトラバースするように進みます。何となく余震が恐い感じはしましたが、この辺は落石があっても何とかなるでしょう。日暮岩は南東方面の展望が開けます。手前に見える岩はおそらく弁天岩でしょうか。
(日暮岩からの眺め)
再びトラバース道を進み、望洋台への近道(地図には載っていないらしい)を見送ると弁天岩入口です。前回は時間が無く寄らなかったので、今回は寄ってみることに。岩がちの歩きにくい道を進むと不思議な形をした岩にぶつかります。ここが弁天岩のようです。眺めは今一でした。
(弁天岩)
まだ時間が早いので更に大山祇神社跡へ向かいます。ところが道は先ほどよりも切り立った崖下を通っていきます。ちょっと嫌な感じです。正面に巨大に屹立する岩が見えてきました。おそらく雲切岩でしょう。そして道はその岩の間を縫うように付けられています。・・・無理。余震の恐怖もあったのでここで断念しました。
(雲切岩)
往路を戻ると弁天岩入口から望洋台を目指します。この辺り傾斜が急で寝不足の体には結構堪えます。しばらく登るとボコボコと穴の開いた岩が見えてきます。これが弘法の突貫岩でしょうか。更に急傾斜を登っていくと五百羅漢岩が見えてきます。以前来たとき岩の上に登れそうな感じもしたのですが、今回も止めておきました。
(弘法の突貫岩)
(五百羅漢岩)
五百羅漢岩を過ぎると再び傾斜は緩くなります。道は二手に分かれ、一つは望洋台と蟻の戸渡りをカットする近道です。でもここは当然望洋台へ寄っていきます。太平洋が見えるということで名付けられた望洋台ですが、残念ながら今日も見ることは出来ませんでした。東奥に見える湖のようなものは玉野溜池というそうです。玉野へは相馬からバス便があります。
(望洋台からの眺め)
望洋台から少し梯子を下った所に猿跳岩と呼ばれる奇岩が見られる展望台があります。足元が不安定なのでちょっとのんびりと眺めるという訳にはいきませんが・・・。望洋台の先は蟻の戸渡りで、北東方面の眺めではおそらく一番良い所なのではないでしょうか。写真ではわかりにくいのですが、幅1mくらいの岩の上を渡っていきます。ただ木が繁茂しているので、名称ほどには恐さは無いと思います。
(猿跳岩)
(蟻の戸渡りからの眺め 南側を望む)
(蟻の戸渡りからの眺め 北側を望む)
(こんな感じの岩の上を進みます)
蟻の戸渡りを渡り切ると天の釣船入口に出ます。天の釣船入口の向かいには三角点(804.9)があるのですが、今回訪れるのを忘れていたな・・・。天の釣船も良い展望地。ただどこが釣船なのかよくわかりません。
(良い展望です)
(五百羅漢岩辺りでしょうか)
縦走路に戻り、霊山最高地点の東物見岩を目指します。この辺りはテーブルマウンテン状で、もう少し新緑が進めば気分の良い道となることでしょう。大きく割れて空洞のある学問岩を過ぎると東物見岩(825)です。広い岩で休憩には良い場所です。私もここでちょっと休憩。眼下には二つ岩と呼ばれる奇岩も見えます。
(東物見岩からの眺め)
(二つ岩の片割れ)
東物見岩からは緩やかなアップダウンを経て霊山城跡へと向かいます。気分の良い縦走路で二つ岩への道もあるようですが、ちょっとわかりませんでした。釣瓶落し岩方面への道を分けて緩やかに登ると霊山城跡です。霊山は平安初期に開山され、室町時代の南北朝期までは山城としても使われていました。水場もいくつかあるので天然の要害としては最適な所だったのでしょう。広い跡地には汲取り式のトイレもあります。
(縦走路)
(霊山城跡 白い建物がトイレ)
霊山城跡から北へ少し登ると西物見岩があります。特に標識の類は無いものの、開けた展望地なので道標に従えばすぐにわかるでしょう。北西の眺めが良く、霊山城跡から更に北の縦走路も見渡せます。
(西物見岩からの眺め 手前には釣瓶落岩も見えます)
さて家に置いてきた計画書にはこの先護摩壇へと向かう予定になっていましたが、まだ時間も早いので予定を変更して釣瓶落岩まで足の延ばしてみることにします。登り返しが辛そうな長い土留めの木段を下りきると平坦な縦走路が続きます。釣瓶落岩へは縦走路から分かれて木段を登っていきます。釣瓶落岩からの眺めもなかなかGood。でもわざわざここだけ訪れるにはちょっと骨の折れる道でした。
(釣瓶落岩からの眺め)
霊山城跡へ戻り、少し下ると国司館跡へ出ます。こちらも広い空き地で東屋があります。国司館跡からは道が分かれますが、まずは護摩壇へ。岩場の急な下り坂で鉄製の橋や鎖などが設置されています。登りに採った場合は辛そうです。下りきると崖地のトラバースで絶景の連続です。眺めもさることながら、オーバーハングする奇岩の造形美も見事です。護摩壇と書かれた標識を過ぎると次は親不知・子不知。現在は鎖や手摺があるので恐さはありませんが、かつては度胸を試される所だったのでしょう。この辺りで多くの人に擦れ違うようになります。お昼頃から登ってくる人が多いようです。
(護摩壇からの眺め)
(護摩壇の奇岩)
(親不知・子不知)
護摩壇入口へ出て、通常はこのまま天狗の相撲場へ進むところですが、一旦国司池へ戻ってみます。少し登り坂を上がると国司池の標識があります。その先には井戸っぽい石の囲いがあり、そこから水が流れているようです。ただ水場として利用するのは難しいでしょう。むしろ天狗の相撲場に向かって数分歩くと沢へ下る鉄階段があるので、その沢で水を汲んだほうが良いかもしれません(但し水質は保証できません)。
(国司池)
護摩壇入口へ戻り、整備された遊歩道を進むと天狗の相撲場です。鉄階段を登ると平場となった岩の上に出られます。うーん、こんな所で相撲なんか行ったら確実に殺人罪になりそうです。南西の方角を見ると伊達市作成の登山マップに載っているあの岩場がよく見えます。実は護摩壇入口から天狗の相撲場の間に岩場へのルートがあるそうで、前回来たときは私もその入口の梯子に気付いたのですが、今回は見つけられませんでした。でもわかったところで行けませんけどねぇ。
(天狗の相撲場)
(天狗の相撲場からの眺め)
(天狗の相撲場遠景)
強風が吹いたら恐そうな天狗の相撲場はさっさと後にして甲岩へと向かいます。この甲岩への道は結構な急傾斜。スニーカーを履いていたのですが、下りはしんどかったです。下から見るとちょっとした奇岩だなと思ったのですが、上に上がるとこちらも絶景です。最後の展望を楽しんだ後は更に上の仙人水へ。国司池以上に単なる水溜りでした。飲用はとてもじゃないけれど不可でしょう。
(甲岩を下から見る)
(甲岩からの眺め)
(仙人水)
往路を戻ると国司沢と書かれた標識があります。梯子を下りていくと松の生えた小さな岩場があります。展望はなかなか良いのですが、ちょっと足場が悪すぎますね。
(小さな岩場から)
早々に岩場から退散した後は真直ぐ駐車場へと向かいました。もう12時を過ぎていたのですが、結構まだ登ってくる人が多かったです。皆ザックも持っていないような人達ばかりだったので、観光地という扱いなんでしょうね。
(駐車場から)
帰りも自転車を必死に漕いで何とか帰りました。でも2時間半くらいだったので結構楽だった記憶が・・・。たぶん道が下り傾向なのと帰りは国道349号経由で道が良かったのが大きかったんでしょうね。山としては軽い部類で本格的な山登りをしている人なら更に霊山神社方面への縦走をすると楽しめると思います。国司池や仙人水を回らなければ大体3時間程度で周回できます。地形図とコンパスはぶっちゃけ要らないような・・・。でも伊達市作成の登山マップはお持ち下さい。岩場が多いので子供には危険な感じもしますが、前回来たときは小学生が遠足に来ていたくらいなので、注意すればOKでしょう。原発が落ち着いたら是非行ってみてください。
DATA:
霊山登山口駐車場8:36~9:56鍛冶小屋岩~9:03宝寿台~9:13見下し岩~9:18日暮岩~9:32弁天岩~9:34雲切岩
~9:41弘法の突貫岩~9:42五百羅漢岩~9:47望洋台~9:51蟻の戸渡り~9:57天の釣船~10:05学問岩・東物見岩
~10:18霊山城跡~10:21西物見岩~10:39釣瓶落岩~10:59国司館跡~11:08護摩壇~11:12親不知・子不知~
11:19国司池~11:26天狗の相撲場~11:39甲岩~11:46仙人水~11:52国司沢~12:17霊山登山口駐車場
公共交通機関はありません 相馬行き・居藪行き路線バスは廃止となりました
タクシーは 阿武隈急行保原駅から40分、福島交通バス掛田駅前から20分
自家用車・レンタカーなら 福島西ICから国道4号岩谷下交差点から国道115号あるいは
福島飯坂ICから福島市鎌田方面へ進み、月の輪大橋を渡ったら高子沼へ進むと国道349・115号に入ります
地形図 霊山
まず、詳しいルートについてはこちら(http://www.date-shi.jp/pdf/ryozen-tozan.pdf)をどうぞ。
さて、遺品整理等で結構忙しく過ごしていたのですが、連休は流石に役所や金融機関は休みなので、天候を見計らって伊達市の霊山へ行って参りました。霊山といえば津波の被害を受けた相馬市そして計画的避難区域として大騒ぎしている飯舘村に近く、何となく登りにくいなぁという雰囲気はありました。そのため当初は桑折の名山半田山に登ろうと思っていたのですが、先の地震でアクセスルートが崩壊し、入山禁止。結局4年前に一度登った霊山に再訪することになったのです。
霊山への訪問を躊躇う、もう一つの理由は交通アクセスの問題です。4年前は霊山の中心街である掛田駅前から居藪行きのバスが出ており、何とか乗り継いで登ることができました。ところが居藪行きのバスも廃止になり、掛田からはタクシーしかありません。流石に歩ける距離でもない。迷った結果、身を寄せている親類の家から自転車で行くことにしました。距離は26km。朝5時半出発で登山口に着いたのが8時半。ええ、アホですよ。本当に。まあ、マトモな人にはタクシーをお薦めします。料金は掛田からなら大体4000円くらいだと思います。
災害派遣の自衛隊車両や警察車両を横目に見ながら、国道115号線を自転車を走らせると霊山こどもの村が見えてきます。こどもの村入口を見送り、更に国道を上がるとかつて行合道バス停のあった霊山の入口へ着きます。ここから登山口のある霊山駐車場までは車道を更に30分ほど上がります。しんど…。ようやく霊山駐車場に着いた頃には既に一山登ったくらいに疲労してました。駐車場は4年前に来たときよりも綺麗になっていたような気がします。真新しいトイレは女性には好まれそうですね。
(駐車場のトイレ 側に置かれた自転車が私が漕いできたもの アホだ・・・)
登山口の側には案内板があり、登山届入れと立派な地図が置いてあります。上のリンク先と同じものが置いてあるので、一部持っていくと便利です。登山道は最初車が通れるくらい広い林道が続きます。無線中継所跡への分岐を見送ると次第に傾斜を増していき、本格的な登山道となります。体力的にはここが一番キツイところでしょう。帰るときここを登ってくる人と擦れ違いましたが、皆死にそうな顔していました(汗)。自然石で出来た石段を登っていき、傾斜が緩んでくると最初のスポットの鍛冶小屋岩です。雨宿りするのもちょっと難しそうですね。
(鍛冶小屋岩)
鍛冶小屋岩から先は一段と傾斜も緩んで山上漫歩の気分を楽しめます。この先体力的にキツイ所というと甲岩周辺と望洋台あるいは国司館跡への登りくらいでしょうか。広い遊歩道状の登山道を緩やかに登っていくと宝寿台への登り口があります。宝寿台と言われる岩の上へは結構高度感のある梯子を登っていきます。高所恐怖症の私には少し辛いところ。まあ、表妙義の山頂コースよりはずっとマシですが。広い岩の上からは南西側の展望が大きく開けています。
(宝寿台への梯子)
(宝寿台からの眺め 正面の山は最澄山)
宝寿台から往路を戻ると次は見下し岩。ここは簡単に登れますが、やはりかなりの高度感があります。眼下には霊山こどもの村が見えています。
(遊歩道のような登山道)
(見下し岩からの眺め)
見下し岩から縦走路を進むと日暮岩入口で道は二手に分かれます。結構地元の人は親不知・子不知、護摩壇を先に回るようですが、私は前回と同じく日暮岩を先に回ります。日暮岩入口から弁天岩入口までは断崖脇をトラバースするように進みます。何となく余震が恐い感じはしましたが、この辺は落石があっても何とかなるでしょう。日暮岩は南東方面の展望が開けます。手前に見える岩はおそらく弁天岩でしょうか。
(日暮岩からの眺め)
再びトラバース道を進み、望洋台への近道(地図には載っていないらしい)を見送ると弁天岩入口です。前回は時間が無く寄らなかったので、今回は寄ってみることに。岩がちの歩きにくい道を進むと不思議な形をした岩にぶつかります。ここが弁天岩のようです。眺めは今一でした。
(弁天岩)
まだ時間が早いので更に大山祇神社跡へ向かいます。ところが道は先ほどよりも切り立った崖下を通っていきます。ちょっと嫌な感じです。正面に巨大に屹立する岩が見えてきました。おそらく雲切岩でしょう。そして道はその岩の間を縫うように付けられています。・・・無理。余震の恐怖もあったのでここで断念しました。
(雲切岩)
往路を戻ると弁天岩入口から望洋台を目指します。この辺り傾斜が急で寝不足の体には結構堪えます。しばらく登るとボコボコと穴の開いた岩が見えてきます。これが弘法の突貫岩でしょうか。更に急傾斜を登っていくと五百羅漢岩が見えてきます。以前来たとき岩の上に登れそうな感じもしたのですが、今回も止めておきました。
(弘法の突貫岩)
(五百羅漢岩)
五百羅漢岩を過ぎると再び傾斜は緩くなります。道は二手に分かれ、一つは望洋台と蟻の戸渡りをカットする近道です。でもここは当然望洋台へ寄っていきます。太平洋が見えるということで名付けられた望洋台ですが、残念ながら今日も見ることは出来ませんでした。東奥に見える湖のようなものは玉野溜池というそうです。玉野へは相馬からバス便があります。
(望洋台からの眺め)
望洋台から少し梯子を下った所に猿跳岩と呼ばれる奇岩が見られる展望台があります。足元が不安定なのでちょっとのんびりと眺めるという訳にはいきませんが・・・。望洋台の先は蟻の戸渡りで、北東方面の眺めではおそらく一番良い所なのではないでしょうか。写真ではわかりにくいのですが、幅1mくらいの岩の上を渡っていきます。ただ木が繁茂しているので、名称ほどには恐さは無いと思います。
(猿跳岩)
(蟻の戸渡りからの眺め 南側を望む)
(蟻の戸渡りからの眺め 北側を望む)
(こんな感じの岩の上を進みます)
蟻の戸渡りを渡り切ると天の釣船入口に出ます。天の釣船入口の向かいには三角点(804.9)があるのですが、今回訪れるのを忘れていたな・・・。天の釣船も良い展望地。ただどこが釣船なのかよくわかりません。
(良い展望です)
(五百羅漢岩辺りでしょうか)
縦走路に戻り、霊山最高地点の東物見岩を目指します。この辺りはテーブルマウンテン状で、もう少し新緑が進めば気分の良い道となることでしょう。大きく割れて空洞のある学問岩を過ぎると東物見岩(825)です。広い岩で休憩には良い場所です。私もここでちょっと休憩。眼下には二つ岩と呼ばれる奇岩も見えます。
(東物見岩からの眺め)
(二つ岩の片割れ)
東物見岩からは緩やかなアップダウンを経て霊山城跡へと向かいます。気分の良い縦走路で二つ岩への道もあるようですが、ちょっとわかりませんでした。釣瓶落し岩方面への道を分けて緩やかに登ると霊山城跡です。霊山は平安初期に開山され、室町時代の南北朝期までは山城としても使われていました。水場もいくつかあるので天然の要害としては最適な所だったのでしょう。広い跡地には汲取り式のトイレもあります。
(縦走路)
(霊山城跡 白い建物がトイレ)
霊山城跡から北へ少し登ると西物見岩があります。特に標識の類は無いものの、開けた展望地なので道標に従えばすぐにわかるでしょう。北西の眺めが良く、霊山城跡から更に北の縦走路も見渡せます。
(西物見岩からの眺め 手前には釣瓶落岩も見えます)
さて家に置いてきた計画書にはこの先護摩壇へと向かう予定になっていましたが、まだ時間も早いので予定を変更して釣瓶落岩まで足の延ばしてみることにします。登り返しが辛そうな長い土留めの木段を下りきると平坦な縦走路が続きます。釣瓶落岩へは縦走路から分かれて木段を登っていきます。釣瓶落岩からの眺めもなかなかGood。でもわざわざここだけ訪れるにはちょっと骨の折れる道でした。
(釣瓶落岩からの眺め)
霊山城跡へ戻り、少し下ると国司館跡へ出ます。こちらも広い空き地で東屋があります。国司館跡からは道が分かれますが、まずは護摩壇へ。岩場の急な下り坂で鉄製の橋や鎖などが設置されています。登りに採った場合は辛そうです。下りきると崖地のトラバースで絶景の連続です。眺めもさることながら、オーバーハングする奇岩の造形美も見事です。護摩壇と書かれた標識を過ぎると次は親不知・子不知。現在は鎖や手摺があるので恐さはありませんが、かつては度胸を試される所だったのでしょう。この辺りで多くの人に擦れ違うようになります。お昼頃から登ってくる人が多いようです。
(護摩壇からの眺め)
(護摩壇の奇岩)
(親不知・子不知)
護摩壇入口へ出て、通常はこのまま天狗の相撲場へ進むところですが、一旦国司池へ戻ってみます。少し登り坂を上がると国司池の標識があります。その先には井戸っぽい石の囲いがあり、そこから水が流れているようです。ただ水場として利用するのは難しいでしょう。むしろ天狗の相撲場に向かって数分歩くと沢へ下る鉄階段があるので、その沢で水を汲んだほうが良いかもしれません(但し水質は保証できません)。
(国司池)
護摩壇入口へ戻り、整備された遊歩道を進むと天狗の相撲場です。鉄階段を登ると平場となった岩の上に出られます。うーん、こんな所で相撲なんか行ったら確実に殺人罪になりそうです。南西の方角を見ると伊達市作成の登山マップに載っているあの岩場がよく見えます。実は護摩壇入口から天狗の相撲場の間に岩場へのルートがあるそうで、前回来たときは私もその入口の梯子に気付いたのですが、今回は見つけられませんでした。でもわかったところで行けませんけどねぇ。
(天狗の相撲場)
(天狗の相撲場からの眺め)
(天狗の相撲場遠景)
強風が吹いたら恐そうな天狗の相撲場はさっさと後にして甲岩へと向かいます。この甲岩への道は結構な急傾斜。スニーカーを履いていたのですが、下りはしんどかったです。下から見るとちょっとした奇岩だなと思ったのですが、上に上がるとこちらも絶景です。最後の展望を楽しんだ後は更に上の仙人水へ。国司池以上に単なる水溜りでした。飲用はとてもじゃないけれど不可でしょう。
(甲岩を下から見る)
(甲岩からの眺め)
(仙人水)
往路を戻ると国司沢と書かれた標識があります。梯子を下りていくと松の生えた小さな岩場があります。展望はなかなか良いのですが、ちょっと足場が悪すぎますね。
(小さな岩場から)
早々に岩場から退散した後は真直ぐ駐車場へと向かいました。もう12時を過ぎていたのですが、結構まだ登ってくる人が多かったです。皆ザックも持っていないような人達ばかりだったので、観光地という扱いなんでしょうね。
(駐車場から)
帰りも自転車を必死に漕いで何とか帰りました。でも2時間半くらいだったので結構楽だった記憶が・・・。たぶん道が下り傾向なのと帰りは国道349号経由で道が良かったのが大きかったんでしょうね。山としては軽い部類で本格的な山登りをしている人なら更に霊山神社方面への縦走をすると楽しめると思います。国司池や仙人水を回らなければ大体3時間程度で周回できます。地形図とコンパスはぶっちゃけ要らないような・・・。でも伊達市作成の登山マップはお持ち下さい。岩場が多いので子供には危険な感じもしますが、前回来たときは小学生が遠足に来ていたくらいなので、注意すればOKでしょう。原発が落ち着いたら是非行ってみてください。
DATA:
霊山登山口駐車場8:36~9:56鍛冶小屋岩~9:03宝寿台~9:13見下し岩~9:18日暮岩~9:32弁天岩~9:34雲切岩
~9:41弘法の突貫岩~9:42五百羅漢岩~9:47望洋台~9:51蟻の戸渡り~9:57天の釣船~10:05学問岩・東物見岩
~10:18霊山城跡~10:21西物見岩~10:39釣瓶落岩~10:59国司館跡~11:08護摩壇~11:12親不知・子不知~
11:19国司池~11:26天狗の相撲場~11:39甲岩~11:46仙人水~11:52国司沢~12:17霊山登山口駐車場
公共交通機関はありません 相馬行き・居藪行き路線バスは廃止となりました
タクシーは 阿武隈急行保原駅から40分、福島交通バス掛田駅前から20分
自家用車・レンタカーなら 福島西ICから国道4号岩谷下交差点から国道115号あるいは
福島飯坂ICから福島市鎌田方面へ進み、月の輪大橋を渡ったら高子沼へ進むと国道349・115号に入ります
地形図 霊山