野老の里

奥武蔵をメインに日帰りの山歩きを中心としたブログです

金比羅尾根 丹三郎尾根 平成23年6月26日

2011年06月28日 | 山の思い出
(ヤマホタルブクロ)

久しぶりに奥多摩の山に行ってまいりました。5月に行った霊山があまりにもアレだったので、四ヶ月ぶりくらいに本格的な山歩きを楽しんできました。感想としては真っ白でした、雨に降られました、楽でした、以上。…って訳にもいかないんでしょうね。でもそのくらい見所の少ない山歩きでした。天気が良ければ大分印象も違ったと思います。ま、いつものように細かく見て行きましょうか。

まずは今日のルートから。スタートは武蔵五日市駅から金比羅尾根を登って日の出山へ。帰りは丹三郎尾根を下ってゴールは古里駅か川井駅とします。金比羅尾根は日本山岳耐久レース(ハセツネカップ)のコースとなっているそうですが、さてどんな具合なのかちょっと楽しみです。

8時ちょい過ぎに武蔵五日市駅に降りると、うーん天気悪いですねぇ。それでも奥地へ向かうバスは長蛇の列になっています。最近の山ブームを反映してか、随分若い人が多かったです。近年の山ブームを支えてきた中高年の方々よりも多かったかもしれません。

駅を出て最初の30分は車道歩き。おそらくここが一番迷いやすいところなんじゃないでしょうか。小学校やら中学校やらがあるので、それを目印に進んでいくと住宅の中に道標が立っています。道標にしたがって進むと分岐がありますが、道標はありません。この辺はちょっと不親切かなあと感じるところ。お寺っぽい建物が見えてくると住宅街のどんづまりから簡易舗装の道が山へと延びています。道標の類はないけれどもたぶんここが登山口なのでしょう。登山口手前にある民家からオバチャンが出てきて声を掛けられました。行き先を告げたら、「結構遠いよ」とのこと。うん、まあそれは覚悟の上だから。

簡易舗装の道は車一台通れそうな幅で林道として使われているのでしょうか。所々舗装されていない所があるものの、総じて足へのダメージが大きそうな道ではあります。しばらく進むと巻き道と直登ルートに分かれます。長丁場だし巻き道でいいや。低木が植えられた巻き道は明るい雰囲気。天気が良ければさぞ気分の良い道なんでしょうね。山野草も色々生えているようでホタルブクロやアザミ、ウツボグサなどが咲いています。あと目立つのは鹿の糞。足の踏み場もないほど大量に落ちています。気になる人は巻き道を避けたほうがよいでしょう。

(金比羅山の巻き道)

巻き道をそのまま進んでもよかったのですが、糞はやっぱり踏みたくないので途中で直登ルートに切り替えます。しばらく上がっていくとベンチのある見晴台に出ます。方向としては東側がよく見えるようです。見晴台から少し登ったところが金比羅神社です。社のほかに立派な東屋とトイレがあります。ここで休むのが一般的でしょうか。社の裏には3mくらいの巨大な岩があり、御神体となっているようです。

(見晴台)


(金比羅神社)


(大岩)

金比羅神社から先、日の出山直下までは緩やかなアップダウンが続きます。山岳耐久レースがこのルートを下りに採っているのは、この緩やかな下り坂があるからなんでしょうね。低木帯を抜けるとしばらく植林が続きます。この植林の中の高い所に金比羅山の頂上があるようですが、今日はパス。一応踏み跡らしきものはあったので、今度金比羅尾根を下るときにでも寄ってみましょうかね。ここで手ぶらのオジサンと擦れ違いました。散歩でしょうか。

緩やかに登っていくと道標があります。「星竹林道を経て秋川渓谷 瀬音の湯」と書かれています。そのまま進むと尾根の下にトンネルがあり、ダートの林道が通っています。この林道が星竹林道なのでしょう。でもネットで調べてみると瀬音の湯まではかなりあるみたいです。道標から先は変化の乏しい植林の小道が続きます。この辺りから雨が断続的に降ってきました。植林内はそれほど濡れませんが、見晴らしの良い所なんかだとずぶ濡れになりそうです。

(トンネル上から星竹林道を望む)


(植林の小道)

地形図でもわかるくらいの直角に曲がる所には東電の鉄塔管理道を示す黄色い標柱が立っています。地形図を見てみると573のピークに送電線が通っているので、その鉄塔のことでしょう。573のピークの直下はちょっとした伐採地になっています。山側を見上げれば鉄塔が見えるので、現在地の把握には便利なんじゃないでしょうか。573のピークへは尾根が合流する辺りから上がれるので、ちょっと寄ってみます。鉄塔下は芝草で休憩するには良さそうです。でも結構大型の獣の糞が落ちていたので、獣避けの鈴なんか持って行くと良いんじゃないでしょうか。とりあえず糞に怖気づいたこともあって、山頂へは行かずに引き返します。

(深沢山?の鉄塔)

尾根を戻ると合流点にちゃんと道標があります。573のピークはあじさい山あるいは深沢山と言うようです。しかし巻き道ばかりだと単調です。次の576のピークへも踏み跡がありました。東電の「新秩父線15号に至る」の標柱を目印にするとわかりやすいと思います。576のピークを巻いていくと伐採地に出ます。うぉっ、結構濡れるぜ。この辺りでもオジサンと擦れ違います。登山ルックだったので、日の出山から来たのでしょうか。だとしたら結構早発ちですね。のんびりと歩いていると今度は後ろからトレラングループがやって来ます。追い抜かれるとあっという間に見えなくなりました。まあこのルートなら尾根も広いし、トレランには最適でしょう。高尾で走っている連中もここで走ってくれないかなぁ…。

ちょっと傾斜の急な登りをこなすとフェンスにぶつかり、脇には道標が立っています。来し方には金比羅方面、東へは幸神方面と書かれています。地形図に描かれた道は肝要と書かれた地域に出るので、幸神方面と書かれた道は勝峰山へ続く市町境の尾根を進んでいくのでしょう。フェンス沿いを進んでいくとタルクボノ峰と書かれた標識があります。よく見ると小さく入口と書かれています。680のピークをタルクボノ峰と言うようで、そこへ上がれるようですが、今回はパス。いやぁ、しかしタルイなぁ。楽なルートだけれどもこうも変化がないと流石に疲れます。

(幸神分岐)


(タルクボノ峰入口)

変化のない植林を進むと正面の尾根を避けるように巻き道が付いています。脇には道標と東電の「新秩父線18号に至る」の標柱が立っています。おそらくここが麻生山への取り付きでしょう。かなりの急傾斜ですが、一応踏み跡もあるので上がってみます。少し上がると右へ巻き道が付いています。ウオッちずに描かれた道はこれのことでしょう。でも今日はそのまま直登してみます。ムムっ、これはなかなかキツイ。滑落しないようにじっくり上がると平場の尾根に出ます。右からは巻き道も合流しています。少し上がったところに標石がありますが、これは偽ピーク。本当の麻生山の頂上(794)には鉄製の山頂標識が二つ、木に括りつけられていました。山頂の東側は少し伐採されていたので、天気が良ければいくらか展望が得られるのかもしれません。

(麻生山への登り)


(麻生山頂)

登りとは異なり、緩やかな下り坂を進むと尾根の合流点に麻生山を示す標識が付けられています。まあ麻生山はここを往復したほうが楽なのは間違いないでしょうね。そのすぐ先は肝要バス停への分岐に出ます。地形図とは微妙に道の付き方が異なるような気がしますが、まあ大半の人には関係ないので良しとしましょう。少し下って登り返す辺りで広大な伐採地に出ます。かなり広大な伐採地で日の出山直下の合流点まで続いているようです。東側が伐採されているので天気が良ければ都心方面が見えそうです。ただ今日は真っ白and小雨に降られるという状態であんまり有難くありません。

(広大な伐採地)

苛々しつつ伐採地を進むと下から人の声が聞こえてきます。どうやら伐採地の下に道が付いているようで、地形図を見るとつるつる温泉への分岐となっている林道をずっと上がってきたどん詰まりから登山道が付けられているようです。こんな所登ってくるとは物好きだなと思いつつ、地形図の正確さに感心する所でもあります。

さて養沢鍾乳洞への道を分けると見覚えのあるつるつる温泉への分岐に出てきました。ここからは二年前の夏に既に歩いている道です。確か土留めの木段だらけだったなと思っていたら、本当に延々と木段が続きます。そして軽装で下りてくる登山者の多いこと。金比羅尾根で出会った人が6人だったのですが、山頂に行くまでにその人数を超える人と擦れ違いました。で、日の出山頂(902.0)へ辿り着くと更に多くの人がいます。30~40人くらい居たでしょうか。遠足パーティに、山ガールパーティに中高年パーティと賑やかなことこの上なし。単独行者は肩身が狭いねぇ。山頂標識脇の岩に腰を掛けてちょっと休憩。山頂の景色?真っ白で何も見えませんでしたよ。

(土留めの木段) 


(日の出山頂)

さて体力も回復したのでとっとと山を下りよう。獣避けの鈴は外して歩き始めます。日の出山から御岳山の宿坊街までは結構長いんですよね。最初は下りで快調に進むものの、宿坊街の手前から登り坂となってペースが落ちます。宿坊街に入ると舗装路となるのですが、やっぱり舗装路は疲れるねぇ。途中鳩ノ巣駅への道にも強く惹かれたのですが、計画通り丹三郎尾根を下ることにします。ビジターセンターを過ぎてロープウェー駅までは紫陽花が植えられているものの、まだ花の時期には早いようです。ロープウェー駅前の広場は展望テラスとなっているのですが、やっぱり何も見えません。おまけにベンチとテーブルがびしょびしょ。休憩しようと思ったのにまいっちゃうねぇ。

リフト乗り場脇から登山道に入り、ようやく山を下りられます。富士峰へも行けるけど、天気が悪いから寄らずに下山します。大塚山もパスしよう。巻き道を進んでいくとベンチのある分岐に出ます。もちろんここでも巻き道へ。巻き道は広くて軽四なら通れそうです。墓地が見えたので気になる人は頑張って大塚山を登りましょう。大塚山からの道に合流すると緩やかな下り坂となります。ここからは一人なので獣避けの鈴を着けていきます。この辺りは雑木林で下は笹に覆われていてなかなか雰囲気の良い道です。東側が植林となる所で若干傾斜が急になるものの、概ね緩やかな道です。こりゃ、地形図を見て想像したよりも楽な道だな。

(大塚山分岐)


(下り始め 雰囲気の良い道)

しばらく下ると道標が立ち、東へと進路を変えます。ここも傾斜が急な所は道が九十九折になっていて、雨降り後でも転ぶおそれはなさそうです。と思って安心していたら木の根に乗り上げてズルっと転びます。いやぁ、手袋着けていて良かった…。慎重に下っていくと若い男性が一人座っています。革靴にスラックス、ワイシャツとおよそ山歩きには相応しくない格好。待ち合わせか何かだったのでしょうか。あまり褒められたものではありませんがね。標高が下がるにつれて霧が晴れてきました。下界では雨が止んだみたいです。電気柵が現れると登山道も終了です。獣避けの金網を開けて獣避けの鈴を外します。すぐ側にトイレ兼休憩所があるので、ここで着替えたりするのもよいかもしれません。

(東へ進路を変えた辺り 歩きやすい道です)


(丹三郎尾根登山口)

舗装道路を下りていくと大きな道路に出ます。古里・川井どちらの駅もそれほど距離は変わらないと思います。今回は川井駅に行きましたが、途中蕎麦屋やドライブインなどがあったので、のんびりするには川井駅のほうがよいかもしれません。奥多摩大橋を渡れば川井駅はもう目の前。本当は温泉に寄ろうかと思っていたのですが、面倒くさくなってそのまま電車に乗って帰宅しました。

(奥多摩大橋からの眺め)

最初のほうでも書きましたが、楽なルートだと思います。総じて初心者向きでしょう。丹三郎尾根がキツイかなと思っていたのですが、よく整備されていてロープウェーに乗りたくないときに便利です。金比羅尾根はどうなんでしょう。やっぱりトレーニング向きなんでしょうかね。でも伐採地が随分あったので、天気が良ければ見晴らしは良さそうです。ただ古いエアリア(07年度版)だと大岳山方面の眺めが良いなんて書いてありましたが、今はどうなんだろうなという感じはしました。


DATA:
武蔵五日市駅8:04~8:59金比羅神社~9:16星竹林道分岐~9:46深沢山周辺~10:25幸神分岐~10:31タルクボノ峰入口
~11:00麻生山~11:06肝要分岐~11:25養沢鍾乳洞分岐~11:29つるつる温泉分岐~11:45日の出山~12:31宿坊街
~12:41ロープウェー御嶽駅~12:51大塚山分岐~12:59丹三郎尾根入口~13:52丹三郎尾根登山口~14:12奥多摩大橋
~14:18川井駅

トイレ:金比羅山頂付近 日の出山下 御岳の宿坊街に数箇所 丹三郎尾根登山口

地形図 五日市 武蔵御岳

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