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(川苔山から東の肩へ向かって)
前回大岳山に登って、やっぱり奥多摩の山は面白いと思った。連休は二回くらい山歩きに行こうと計画しているので、まずは奥多摩の山でまだ登ったことのない川苔山に行くことにした。川苔山は一般に奥多摩の名山と呼ばれているけれども、人によっては地味な山だと言われることもある。そこでどんな山なのか自分で確かめてみようと思った。
朝7時過ぎに鳩ノ巣駅に到着する。駅前には飲食店があり、意外と観光地化されている。今日はこの鳩ノ巣駅から大根ノ山ノ神を経てコブタカ山から本仁田山へと寄り、コブタカ山から鋸尾根を経て川苔山に至る予定だ。下山は赤杭尾根を経て川井駅へと下りるつもりだ。駅舎の前の道を西に進むと道標があり、それに従って踏切を渡る。その先はいくつかの分岐があるが、道なりに車道を上がっていけばいい。息の切れる急坂を振り返ると多摩川の対岸に城山が鋭鋒を空へ突き立てていた。
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(鳩ノ巣駅 景観にあった落ち着いた雰囲気だ)
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(棚澤集落)
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(右は城山 左は大塚山ではないかと思う)
右手にお寺のお堂が見えてくれば棚沢の登山口は近い。黒猫のお出迎えを受けつつ、杉林の植えられた登山道へ入っていく。山の中腹を貫く登山道は比較的傾斜が緩い。地形図で直角に曲がる所には熊野神社への分岐を示す道標がある。北に進路を変えると日当たりが良く、下草が繁茂した道になる。すると初老の男性が大きなハサミを持って道普請をしていた。こういう人がいるおかげで、ボクらは快適に歩くことができるのだ。繁茂した下草の中には花を付けたものもある。わかるのはアザミくらいで、ほかにも大小色様々な花が咲いていた。特に紫色の割と大振な花が印象に残った。西側には向かいの稜線が見えていて、どうやら本仁田山辺りが望めるようだ。
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(登山口近くの彼岸花)
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(黒猫さん)
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(杉林を行く)
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(熊野神社への分岐)
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(本仁田山辺りを見上げる)
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(シラバナギクだろうか)
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(サラシナショウマというらしい 「山の写真集」の金森さんに教えていただきました)
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(ツリフネソウ こちらも金森さんからの情報)
杉林の中をだらだらと登っていると前方右手から光が差し込んでくる。尾根の上に出た所が大根ノ山ノ神。杉の木の根元に小さな祠が置かれている。その先にはベンチがあり、また林道が尾根を越えている。ちょっと休憩を取ってから、今日最初の厳しい登りに取り掛かる。まずは杉・檜の植林に覆われた比較的緩やかな道。大ダワへの巻き道を分けると本格的に尾根歩きが始まる。登るにつれて傾斜が急になっていく。900m付近で一旦道は緩やかになる。この先1000mの小ピーク手前で等高線が密になっているが、実際はこのピークを南から巻きながら上がっていく。
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(トラバース道 傾斜は緩め)
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(大根ノ山ノ神)
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(1011のピークへ向かって)
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(1011のピークは巻いていく)
1000mの小ピークより先は防火帯を行く。等高線には現れない鞍部の手前から本仁田山、コブタカ山の稜線が見える。本仁田山には大分雲が掛かっていて、良い眺めは望めそうにない。コブタカ山には山頂直下まで防火帯の線がくっきりと現れている。天気の良い日だったら随分と炙られたことだろう。コブタカ山へは標高差70mほど。防火帯の急坂を、息を切らせて登る。振り返るとなかなか良い眺めだ。遠くに光って見える市街地はあきる野市辺りだろうか。上がるにつれて見える景色も変わり、手前に双耳峰であるズマド山、奥に尖ったドームを突き出す惣岳山が見える辺りまでが展望の限界らしい。
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(防火帯を行く)
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(本仁田山からコブタカ山への稜線)
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(防火帯から振り返る おそらく手前の双耳峰がズマド山で奥の鋭鋒が惣岳山)
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(コブタカ山の防火帯)
山頂まで続く防火帯を登り切ればコブタカ山に着く。漢字だと瘤高山と書くそうだ。ここから本仁田山へ向かってはしばらく緩やかなアップダウンが続く。雑木林には黄色い葉も目立ち、秋の訪れを感じさせる。道は地形図とは少し異なり、一旦北から小ピークを巻いて、北東に派生する尾根に直接付けられている。この急坂を登りきると本仁田山北にある小ピークに出る。ほぼフラットな道を行けば本仁田山(1224.5)の頂上に着く。南側を除いて樹木に覆われた山頂で、ベンチが二基置かれている。また朽ちかけた小屋掛けがあるが、雨が降っていたとしてもあまり利用はお勧めできない。山頂にはやはり雲が掛かっており、展望は得られなかった。若いカップルが憩っていたので、邪魔しても悪いし、早々に山頂を辞す。
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(コブタカ山)
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(本仁田山)
コブタカ山へ戻る途中、赤い傘の丸いキノコを発見する。どうやら未成熟のタマゴタケらしい。採って食べたりする人もいるんだろうか。コブタカ山からまずは大ダワを目指し、100mほどを一気に下る。大ダワへ下る手前はフラットな尾根となり、西側が開けた草地になっている。笙ノ岩山から下ってくる尾根の奥に奥多摩工業の採掘場と日原のシンボルである稲村岩が見える。天気さえ良ければ雲取山辺りまで見られるのだろう。藪っぽい尾根を抜けて急坂を下れば大ダワに着く。ここにも大根ノ山ノ神と同じく小さな祠がある。
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(タマゴタケ)
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(大ダワに下る途中の草地)
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(草地からの眺め)
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(採掘場 採掘場の左上に稲村岩)
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(大ダワ)
大ダワから舟井戸まで地形図上で見ただけでも4つのピークを越えていく。この凸凹とした形状から鋸尾根という名が付けられている。大ダワから少し登り返すと舟井戸への巻き道が分かれる。ただ巻き道は近年の大雪の影響でかなり荒れているらしい。鋸尾根は東寄りに防火帯が作られており、頭上は常に明るい。真夏だと相当炙られることだろう。最初のピークへは標高差100mの登り。等高線が密になっているとおり、傾斜は急だ。岩が露出している所もあるのだが、道はジグザグに付けられているので、落ち着いて歩けば難しくはない。振り返れば大岳山から御岳山までの稜線がシルエットとなって浮かび上がっている。
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(アザミ)
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(露岩の中をジグザグに抜けていく)
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(防火帯から振り返る 左端に見えるのは日の出山 そこから右へ御岳山から大岳山)
最初の小ピークに上がると道は東側を巻いていく。小ピークを出来るだけ避けようという配慮なのだろう。それでも地形図でわかるほどの急な斜面についてはきっちり登らされる。防火帯で日当たりが良いせいか、下草が茂っている所もある。急傾斜を横切る所なので、踏み跡が隠れると少々怖い。1240のピーク手前で傾斜が緩くなり、そのピークも巻いていくとベンチの置かれた鞍部へと下ってくる。ここが舟井戸で、大ダワからの巻き道も合流してくる。エアリアによると川苔山まではあと25分ほどなのだが、朝早くから動き出していたので、ここで昼食を取ることにした。
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(防火帯の道 尾根に上がらずに巻いていくことが多い)
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(雑木林が美しい)
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(若干下草が茂る所もある)
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(舟井戸)
舟井戸まで来ると流石に歩いている人も多く、川苔山へ向かう人は巻き道経由が大半のようだ。ゆっくりと食事を取り終わり、いざ川苔山へ。広葉樹が植えられた広く緩やかな道を登っていく。曲ヶ谷北峰を道標にしたがって巻いていくと水場への分岐に出る。沢の流れる音からすると今年は水量が十分にありそうだ。雑木林の広がる巻き道はのんびり歩くだけでも楽しい。途中水場に流れ込む沢を渡る。ちょっと掬って飲んでみるが、かなり土が混じってしまっている。水を濾さないと飲み水として利用するには難しそうだ。
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(川苔山へ向かって)
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(この沢が水場の水となるようだ)
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(巻き道)
巻き道を登りきると川苔山の東の肩に出る。ここにはかつて飲み物などを売る休憩舎があったそうだ。ベンチのすぐそばに百尋の滝からの道が上がってきており、次から次へと登山者がやって来る。まあ律儀に鋸尾根や赤杭尾根を登ってくる登山者は少数派だということなのだろう。川苔山へは広い防火帯の尾根が山頂まで続く。山頂直下はやや急だが、ここまで来ればどうということはない。ベンチが数基置かれた広い山頂(1363.2)にはたくさんの登山者が憩っていた。とてもじゃないが昼食を取る余裕は無く、舟井戸で取っておいて正解だったと改めて思った。曇天で眺めは望むべくもないのだが、それでも直近の笙ノ岩山はもちろんのこと、雲の中に薄らと雲取山も望めるようだ。
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(東の肩)
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(山頂へは広い防火帯が続く)
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(川苔山)
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(川苔山から西側の眺め)
騒がしい山頂を早々に去り、東の肩へ戻ってくる。ちょうどベンチが空いていたので、少々休憩を取る。ここまではコースタイムよりやや遅いペースだが、何とか予定通りに川井駅へ下ることが出来そうだ。道標にしたがい日向沢ノ峰・蕎麦粒山方面へ進み、北側に付けられた防火帯を緩やかに登ると曲ヶ谷北峰に着く。そのまま防火帯を進めば日向沢ノ峰に至る。今日は流石にそちらへは寄らず、道標が立つ分岐から樹林帯の中へ入っていく。想像とは異なり、痩せた歩きにくい尾根道だ。樹林帯を抜けると東側が開けた小ピークに着く。一応分岐になるのだが、舟井戸方面への踏み跡ははっきりしない。
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(赤杭尾根へは日向沢ノ峰方面へ向かう)
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(曲ヶ谷北峰への道)
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(曲ヶ谷北峰)
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(曲ヶ谷北峰から日向沢ノ峰への道を少し歩くと開けた所がある)
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(川苔山を振り返る)
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(樹林帯の細い尾根)
赤杭(あかぐな)尾根へは広い防火帯を下っていく。意外にすれ違う人が多く、道ははっきりしているということなのだろう。鞍部まで下ると舟井戸方面と曲ヶ谷沢を下るルートとが分岐している。道標にはマジックで狼住所と書かれている。オオカミスンドと読むらしい。当ブログで度々お世話になっている「画廊天地人」のyasuhiroさんによると舟井戸からここを通って踊平へ向かうルートを狼新道と呼んでいて、それが訛ってこう呼ばれるようになったという説があるそうだ。
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(赤杭尾根の防火帯 鞍部の辺りが狼住所)
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(狼住所)
しばらく緩やかに防火帯を下り、南に派生する尾根に入ると杉檜の樹林帯の急坂を下る。ここで若い男女4人のグループとすれ違った後は登ってくる人に出会うことは無かった。エビ小屋山までは再び防火帯を行く。こういうスケールの大きな尾根というのは奥武蔵にはない。尾根から大きく左に下っていく所がエビ小屋山の分岐に当たる。エビ小屋山へは明瞭な踏み跡が延びており、山頂へ行くのは容易い。ただ地形図で想像したよりも歩かされる感じがある。山頂(1147.0)には標石が埋設され、その周りだけが綺麗に伐採されている。
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(防火帯を下る 終始明るい)
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(樹林帯の急坂を下る)
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(エビ小屋山分岐)
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(踏み跡は明瞭)
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(エビ小屋山 なお木に黄色いテープで山頂であること示すマーキングがされている)
分岐へ戻り、尾根を外れて下っていく。急な下りというだけでなく、大きな倒木が道に覆い被さっているのがいやらしい。このトラバース道の途中、トリカブトの群落がある。紫色の花は見た目には美しいが、毒草なのであまり良い気分はしない。道がフラットになり、やがていくらか登り返すようになると砂利道に変わる。砂利道はそのまま尾根上の林道へと変わり、ようやく落ち着いて歩けそうだ。957のピーク付近でソロの若い男性に会う。ここまで来ると皆下山する人ばかりだ。
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(道を塞ぐ倒木)
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(トリカブト)
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(砂利道に変わる)
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(左手が957のピークだろうか)
957のピークより先は尾根が広く、小ピークが連続するので、何度も(緩やかだが)登り返しがある。林道を離れ、平らな小ピーク上の小道を歩くと、つい奥多摩の厳しさを忘れてしまう。右に折れ、次の小ピークを巻く辺りに伐採地があり、南東方向の眺めが得られる。ここから見る大岳山は台形の上に小さなドームを乗っけた形だ。その左横には双耳峰のような鍋割山と奥の院(男具那ノ峰)の二つの出っ張りが目立つ。大岳山の右には緩やかな三角を描く御前山。そして多摩川が作る谷を挟んで盛り上がるのは本仁田山であろう。
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(林道を右に外れる)
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(小ピークの上を通過)
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(巻き道の伐採地)
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(大岳山 左は奥の院と鍋割山だろう 右下に見える鋭鋒は城山)
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(御前山)
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(一番高い所が本仁田山 少し右手前にあるのはコブタカ山)
また尾根に上がると赤久奈山の分岐に出る。ここは道標が立っているのでわかりやすい。フラットな尾根を進むと三角点のある赤久奈山(923.5)の頂上だ。広い尾根の一部といった感じで、展望も無く、地味な山頂だ。でもその落ち着いた感じが良い。赤久奈山からズマド山へは長い尾根歩きだ。傾斜が緩く、踏み跡も明瞭で、殊更に難しい訳ではない。但し現在地が今一つわからず、809のピークを巻くとき、東に派生する尾根が本線ではないかと思ってしまった。ただ顕著に右折するのはここしかないので、落ち着いて考えれば現在地が把握しやすかったともいえる。
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(赤久奈山分岐)
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(赤久奈山)
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(809のピークから派生する尾根を越える辺り)
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(ヒキガエルを発見)
809のピークからのトラバース道が終わり、尾根がフラットになると、まず古里駅への分岐が現れる。これはズマド山を西から巻いていくルートだ。ここを見送り、川井駅方面へと進むと今度は道が東側へ下っていく。川井駅方面と書かれた標識があるのでわかりやすい。そのまま尾根を進むとズマド山だ。エビ小屋山への距離とそれほど変わらないはずなのだが、ズマド山への道はかなり長く感じる。踏み跡がはっきりとしないのも一因かもしれない。ズマド山も山頂部分(721)だけ空間が残され、周囲は樹木に覆われている。木に掛けられたプレートには「頭窓山北峰」と書かれている。ズマド山は南にある三角点峰との双耳峰なのだ。ただ今回は体力をかなり消耗しているので、南峰へは寄って行かない。
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(古里駅への道との分岐 川井駅もはっきり示してある)
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(ズマド山分岐の道標)
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(ズマド山)
往路を戻り、改めて川井駅を目指す。ズマド山の東斜面をトラバースする道はかなり歩きにくい。路面が常に谷側へ傾いているので、気を抜くと斜面を転げ落ちてしまいそうだ。おまけに斜面自体がかなり急で落ちたら軽症では済まないだろう。倒木が道を塞ぐ所もあり、立派な道標があるにしては、あまり整備されている感じはしない。トラバース道が終わると踏み跡明瞭な尾根道でちょっと一息つける。
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(歩きにくいトラバース道 当然ながら倒木もある)
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(尾根道の整備状況は良い)
558のピークから九十九折で下ると藪っぽい尾根がしばらく続く。なかなか先が見えてこないことに苛々させられるが、クルマや列車が走る音が聞こえてきていることも確かだ。最後は長いトラロープが掛けられた急斜面を下っていく。ここを下りきると水道施設の脇に出た。周囲は民家の裏手に当たるのだが、どう進めばよいのだろう。水道施設を左から回り込むと民家の裏手から車道へ下り立つことができた。ちょうど巨大なつり橋である奥多摩大橋を見下ろせる位置に登山口はある。あとは道標にしたがって東へ進み、都道から国道へ下りて、青梅線のガードを潜れば川井駅に着く。ギリギリ15時前。予定通りとはいえ、自分にはかなり厳しい行程だった。奥武蔵の山に比べると山の大きさも魅力も五割増しだけど、同時に厳しさも五割増しということを思い知らされた山旅となった。
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(藪っぽい尾根 この状態が登山口まで続く)
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(奥多摩大橋)
DATA:
鳩ノ巣駅7:18~7:32棚沢登山口~8:06大根ノ山ノ神~9:18コブタカ山~9:38本仁田山~10:05コブタカ山~10:21大ダワ~11:11舟井戸11:35~11:55川苔山~12:14曲ヶ谷北峰~12:27狼住所~12:49エビ小屋山~13:25赤久奈山~14:04ズマド山北峰~14:55川井駅
地形図 奥多摩湖 武蔵日原 原市場 武蔵御岳
前回大岳山に登って、やっぱり奥多摩の山は面白いと思った。連休は二回くらい山歩きに行こうと計画しているので、まずは奥多摩の山でまだ登ったことのない川苔山に行くことにした。川苔山は一般に奥多摩の名山と呼ばれているけれども、人によっては地味な山だと言われることもある。そこでどんな山なのか自分で確かめてみようと思った。
朝7時過ぎに鳩ノ巣駅に到着する。駅前には飲食店があり、意外と観光地化されている。今日はこの鳩ノ巣駅から大根ノ山ノ神を経てコブタカ山から本仁田山へと寄り、コブタカ山から鋸尾根を経て川苔山に至る予定だ。下山は赤杭尾根を経て川井駅へと下りるつもりだ。駅舎の前の道を西に進むと道標があり、それに従って踏切を渡る。その先はいくつかの分岐があるが、道なりに車道を上がっていけばいい。息の切れる急坂を振り返ると多摩川の対岸に城山が鋭鋒を空へ突き立てていた。
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(鳩ノ巣駅 景観にあった落ち着いた雰囲気だ)
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(棚澤集落)
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(右は城山 左は大塚山ではないかと思う)
右手にお寺のお堂が見えてくれば棚沢の登山口は近い。黒猫のお出迎えを受けつつ、杉林の植えられた登山道へ入っていく。山の中腹を貫く登山道は比較的傾斜が緩い。地形図で直角に曲がる所には熊野神社への分岐を示す道標がある。北に進路を変えると日当たりが良く、下草が繁茂した道になる。すると初老の男性が大きなハサミを持って道普請をしていた。こういう人がいるおかげで、ボクらは快適に歩くことができるのだ。繁茂した下草の中には花を付けたものもある。わかるのはアザミくらいで、ほかにも大小色様々な花が咲いていた。特に紫色の割と大振な花が印象に残った。西側には向かいの稜線が見えていて、どうやら本仁田山辺りが望めるようだ。
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(登山口近くの彼岸花)
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(黒猫さん)
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(杉林を行く)
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(熊野神社への分岐)
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(本仁田山辺りを見上げる)
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(シラバナギクだろうか)
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(サラシナショウマというらしい 「山の写真集」の金森さんに教えていただきました)
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(ツリフネソウ こちらも金森さんからの情報)
杉林の中をだらだらと登っていると前方右手から光が差し込んでくる。尾根の上に出た所が大根ノ山ノ神。杉の木の根元に小さな祠が置かれている。その先にはベンチがあり、また林道が尾根を越えている。ちょっと休憩を取ってから、今日最初の厳しい登りに取り掛かる。まずは杉・檜の植林に覆われた比較的緩やかな道。大ダワへの巻き道を分けると本格的に尾根歩きが始まる。登るにつれて傾斜が急になっていく。900m付近で一旦道は緩やかになる。この先1000mの小ピーク手前で等高線が密になっているが、実際はこのピークを南から巻きながら上がっていく。
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(トラバース道 傾斜は緩め)
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(大根ノ山ノ神)
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(1011のピークへ向かって)
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(1011のピークは巻いていく)
1000mの小ピークより先は防火帯を行く。等高線には現れない鞍部の手前から本仁田山、コブタカ山の稜線が見える。本仁田山には大分雲が掛かっていて、良い眺めは望めそうにない。コブタカ山には山頂直下まで防火帯の線がくっきりと現れている。天気の良い日だったら随分と炙られたことだろう。コブタカ山へは標高差70mほど。防火帯の急坂を、息を切らせて登る。振り返るとなかなか良い眺めだ。遠くに光って見える市街地はあきる野市辺りだろうか。上がるにつれて見える景色も変わり、手前に双耳峰であるズマド山、奥に尖ったドームを突き出す惣岳山が見える辺りまでが展望の限界らしい。
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(防火帯を行く)
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(本仁田山からコブタカ山への稜線)
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(防火帯から振り返る おそらく手前の双耳峰がズマド山で奥の鋭鋒が惣岳山)
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(コブタカ山の防火帯)
山頂まで続く防火帯を登り切ればコブタカ山に着く。漢字だと瘤高山と書くそうだ。ここから本仁田山へ向かってはしばらく緩やかなアップダウンが続く。雑木林には黄色い葉も目立ち、秋の訪れを感じさせる。道は地形図とは少し異なり、一旦北から小ピークを巻いて、北東に派生する尾根に直接付けられている。この急坂を登りきると本仁田山北にある小ピークに出る。ほぼフラットな道を行けば本仁田山(1224.5)の頂上に着く。南側を除いて樹木に覆われた山頂で、ベンチが二基置かれている。また朽ちかけた小屋掛けがあるが、雨が降っていたとしてもあまり利用はお勧めできない。山頂にはやはり雲が掛かっており、展望は得られなかった。若いカップルが憩っていたので、邪魔しても悪いし、早々に山頂を辞す。
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(コブタカ山)
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(本仁田山)
コブタカ山へ戻る途中、赤い傘の丸いキノコを発見する。どうやら未成熟のタマゴタケらしい。採って食べたりする人もいるんだろうか。コブタカ山からまずは大ダワを目指し、100mほどを一気に下る。大ダワへ下る手前はフラットな尾根となり、西側が開けた草地になっている。笙ノ岩山から下ってくる尾根の奥に奥多摩工業の採掘場と日原のシンボルである稲村岩が見える。天気さえ良ければ雲取山辺りまで見られるのだろう。藪っぽい尾根を抜けて急坂を下れば大ダワに着く。ここにも大根ノ山ノ神と同じく小さな祠がある。
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(タマゴタケ)
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(大ダワに下る途中の草地)
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(草地からの眺め)
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(採掘場 採掘場の左上に稲村岩)
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(大ダワ)
大ダワから舟井戸まで地形図上で見ただけでも4つのピークを越えていく。この凸凹とした形状から鋸尾根という名が付けられている。大ダワから少し登り返すと舟井戸への巻き道が分かれる。ただ巻き道は近年の大雪の影響でかなり荒れているらしい。鋸尾根は東寄りに防火帯が作られており、頭上は常に明るい。真夏だと相当炙られることだろう。最初のピークへは標高差100mの登り。等高線が密になっているとおり、傾斜は急だ。岩が露出している所もあるのだが、道はジグザグに付けられているので、落ち着いて歩けば難しくはない。振り返れば大岳山から御岳山までの稜線がシルエットとなって浮かび上がっている。
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(アザミ)
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(露岩の中をジグザグに抜けていく)
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(防火帯から振り返る 左端に見えるのは日の出山 そこから右へ御岳山から大岳山)
最初の小ピークに上がると道は東側を巻いていく。小ピークを出来るだけ避けようという配慮なのだろう。それでも地形図でわかるほどの急な斜面についてはきっちり登らされる。防火帯で日当たりが良いせいか、下草が茂っている所もある。急傾斜を横切る所なので、踏み跡が隠れると少々怖い。1240のピーク手前で傾斜が緩くなり、そのピークも巻いていくとベンチの置かれた鞍部へと下ってくる。ここが舟井戸で、大ダワからの巻き道も合流してくる。エアリアによると川苔山まではあと25分ほどなのだが、朝早くから動き出していたので、ここで昼食を取ることにした。
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(防火帯の道 尾根に上がらずに巻いていくことが多い)
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(雑木林が美しい)
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(若干下草が茂る所もある)
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(舟井戸)
舟井戸まで来ると流石に歩いている人も多く、川苔山へ向かう人は巻き道経由が大半のようだ。ゆっくりと食事を取り終わり、いざ川苔山へ。広葉樹が植えられた広く緩やかな道を登っていく。曲ヶ谷北峰を道標にしたがって巻いていくと水場への分岐に出る。沢の流れる音からすると今年は水量が十分にありそうだ。雑木林の広がる巻き道はのんびり歩くだけでも楽しい。途中水場に流れ込む沢を渡る。ちょっと掬って飲んでみるが、かなり土が混じってしまっている。水を濾さないと飲み水として利用するには難しそうだ。
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(川苔山へ向かって)
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(この沢が水場の水となるようだ)
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(巻き道)
巻き道を登りきると川苔山の東の肩に出る。ここにはかつて飲み物などを売る休憩舎があったそうだ。ベンチのすぐそばに百尋の滝からの道が上がってきており、次から次へと登山者がやって来る。まあ律儀に鋸尾根や赤杭尾根を登ってくる登山者は少数派だということなのだろう。川苔山へは広い防火帯の尾根が山頂まで続く。山頂直下はやや急だが、ここまで来ればどうということはない。ベンチが数基置かれた広い山頂(1363.2)にはたくさんの登山者が憩っていた。とてもじゃないが昼食を取る余裕は無く、舟井戸で取っておいて正解だったと改めて思った。曇天で眺めは望むべくもないのだが、それでも直近の笙ノ岩山はもちろんのこと、雲の中に薄らと雲取山も望めるようだ。
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(東の肩)
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(山頂へは広い防火帯が続く)
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(川苔山)
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(川苔山から西側の眺め)
騒がしい山頂を早々に去り、東の肩へ戻ってくる。ちょうどベンチが空いていたので、少々休憩を取る。ここまではコースタイムよりやや遅いペースだが、何とか予定通りに川井駅へ下ることが出来そうだ。道標にしたがい日向沢ノ峰・蕎麦粒山方面へ進み、北側に付けられた防火帯を緩やかに登ると曲ヶ谷北峰に着く。そのまま防火帯を進めば日向沢ノ峰に至る。今日は流石にそちらへは寄らず、道標が立つ分岐から樹林帯の中へ入っていく。想像とは異なり、痩せた歩きにくい尾根道だ。樹林帯を抜けると東側が開けた小ピークに着く。一応分岐になるのだが、舟井戸方面への踏み跡ははっきりしない。
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(赤杭尾根へは日向沢ノ峰方面へ向かう)
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(曲ヶ谷北峰への道)
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(曲ヶ谷北峰)
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(曲ヶ谷北峰から日向沢ノ峰への道を少し歩くと開けた所がある)
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(川苔山を振り返る)
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(樹林帯の細い尾根)
赤杭(あかぐな)尾根へは広い防火帯を下っていく。意外にすれ違う人が多く、道ははっきりしているということなのだろう。鞍部まで下ると舟井戸方面と曲ヶ谷沢を下るルートとが分岐している。道標にはマジックで狼住所と書かれている。オオカミスンドと読むらしい。当ブログで度々お世話になっている「画廊天地人」のyasuhiroさんによると舟井戸からここを通って踊平へ向かうルートを狼新道と呼んでいて、それが訛ってこう呼ばれるようになったという説があるそうだ。
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(赤杭尾根の防火帯 鞍部の辺りが狼住所)
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(狼住所)
しばらく緩やかに防火帯を下り、南に派生する尾根に入ると杉檜の樹林帯の急坂を下る。ここで若い男女4人のグループとすれ違った後は登ってくる人に出会うことは無かった。エビ小屋山までは再び防火帯を行く。こういうスケールの大きな尾根というのは奥武蔵にはない。尾根から大きく左に下っていく所がエビ小屋山の分岐に当たる。エビ小屋山へは明瞭な踏み跡が延びており、山頂へ行くのは容易い。ただ地形図で想像したよりも歩かされる感じがある。山頂(1147.0)には標石が埋設され、その周りだけが綺麗に伐採されている。
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(防火帯を下る 終始明るい)
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(樹林帯の急坂を下る)
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(エビ小屋山分岐)
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(踏み跡は明瞭)
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(エビ小屋山 なお木に黄色いテープで山頂であること示すマーキングがされている)
分岐へ戻り、尾根を外れて下っていく。急な下りというだけでなく、大きな倒木が道に覆い被さっているのがいやらしい。このトラバース道の途中、トリカブトの群落がある。紫色の花は見た目には美しいが、毒草なのであまり良い気分はしない。道がフラットになり、やがていくらか登り返すようになると砂利道に変わる。砂利道はそのまま尾根上の林道へと変わり、ようやく落ち着いて歩けそうだ。957のピーク付近でソロの若い男性に会う。ここまで来ると皆下山する人ばかりだ。
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(道を塞ぐ倒木)
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(トリカブト)
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(砂利道に変わる)
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(左手が957のピークだろうか)
957のピークより先は尾根が広く、小ピークが連続するので、何度も(緩やかだが)登り返しがある。林道を離れ、平らな小ピーク上の小道を歩くと、つい奥多摩の厳しさを忘れてしまう。右に折れ、次の小ピークを巻く辺りに伐採地があり、南東方向の眺めが得られる。ここから見る大岳山は台形の上に小さなドームを乗っけた形だ。その左横には双耳峰のような鍋割山と奥の院(男具那ノ峰)の二つの出っ張りが目立つ。大岳山の右には緩やかな三角を描く御前山。そして多摩川が作る谷を挟んで盛り上がるのは本仁田山であろう。
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(林道を右に外れる)
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(小ピークの上を通過)
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(巻き道の伐採地)
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(大岳山 左は奥の院と鍋割山だろう 右下に見える鋭鋒は城山)
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(御前山)
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(一番高い所が本仁田山 少し右手前にあるのはコブタカ山)
また尾根に上がると赤久奈山の分岐に出る。ここは道標が立っているのでわかりやすい。フラットな尾根を進むと三角点のある赤久奈山(923.5)の頂上だ。広い尾根の一部といった感じで、展望も無く、地味な山頂だ。でもその落ち着いた感じが良い。赤久奈山からズマド山へは長い尾根歩きだ。傾斜が緩く、踏み跡も明瞭で、殊更に難しい訳ではない。但し現在地が今一つわからず、809のピークを巻くとき、東に派生する尾根が本線ではないかと思ってしまった。ただ顕著に右折するのはここしかないので、落ち着いて考えれば現在地が把握しやすかったともいえる。
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(赤久奈山分岐)
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(赤久奈山)
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(809のピークから派生する尾根を越える辺り)
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(ヒキガエルを発見)
809のピークからのトラバース道が終わり、尾根がフラットになると、まず古里駅への分岐が現れる。これはズマド山を西から巻いていくルートだ。ここを見送り、川井駅方面へと進むと今度は道が東側へ下っていく。川井駅方面と書かれた標識があるのでわかりやすい。そのまま尾根を進むとズマド山だ。エビ小屋山への距離とそれほど変わらないはずなのだが、ズマド山への道はかなり長く感じる。踏み跡がはっきりとしないのも一因かもしれない。ズマド山も山頂部分(721)だけ空間が残され、周囲は樹木に覆われている。木に掛けられたプレートには「頭窓山北峰」と書かれている。ズマド山は南にある三角点峰との双耳峰なのだ。ただ今回は体力をかなり消耗しているので、南峰へは寄って行かない。
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(古里駅への道との分岐 川井駅もはっきり示してある)
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(ズマド山分岐の道標)
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(ズマド山)
往路を戻り、改めて川井駅を目指す。ズマド山の東斜面をトラバースする道はかなり歩きにくい。路面が常に谷側へ傾いているので、気を抜くと斜面を転げ落ちてしまいそうだ。おまけに斜面自体がかなり急で落ちたら軽症では済まないだろう。倒木が道を塞ぐ所もあり、立派な道標があるにしては、あまり整備されている感じはしない。トラバース道が終わると踏み跡明瞭な尾根道でちょっと一息つける。
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(歩きにくいトラバース道 当然ながら倒木もある)
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(尾根道の整備状況は良い)
558のピークから九十九折で下ると藪っぽい尾根がしばらく続く。なかなか先が見えてこないことに苛々させられるが、クルマや列車が走る音が聞こえてきていることも確かだ。最後は長いトラロープが掛けられた急斜面を下っていく。ここを下りきると水道施設の脇に出た。周囲は民家の裏手に当たるのだが、どう進めばよいのだろう。水道施設を左から回り込むと民家の裏手から車道へ下り立つことができた。ちょうど巨大なつり橋である奥多摩大橋を見下ろせる位置に登山口はある。あとは道標にしたがって東へ進み、都道から国道へ下りて、青梅線のガードを潜れば川井駅に着く。ギリギリ15時前。予定通りとはいえ、自分にはかなり厳しい行程だった。奥武蔵の山に比べると山の大きさも魅力も五割増しだけど、同時に厳しさも五割増しということを思い知らされた山旅となった。
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(藪っぽい尾根 この状態が登山口まで続く)
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(奥多摩大橋)
DATA:
鳩ノ巣駅7:18~7:32棚沢登山口~8:06大根ノ山ノ神~9:18コブタカ山~9:38本仁田山~10:05コブタカ山~10:21大ダワ~11:11舟井戸11:35~11:55川苔山~12:14曲ヶ谷北峰~12:27狼住所~12:49エビ小屋山~13:25赤久奈山~14:04ズマド山北峰~14:55川井駅
地形図 奥多摩湖 武蔵日原 原市場 武蔵御岳