宮部みゆきさんの『魂手形 三島屋変調百物語七之続』を読みました。
めちゃめちゃ久しぶりの読書記録。何でこんなに間が空いてしまったのか、言い訳は後述いたします。
第三十二話「火炎太鼓」…地方の小藩にある不思議な火消し太鼓。この太鼓のおかげでこの藩は火災に悩まされることがないという。しかしその太鼓に隠された秘密はあまりにも辛く悲しいものだった。
第三十三話「一途の念」…富次郎が贔屓にしている屋台の串団子屋。その売り子のおみよが黒白の間で語り始めた不運続きの一家の話の顛末。
第三十四話「魂手形」…木賃宿の息子であった吉富。宿に連泊することになった男が、魂の里の水夫(かこ)であると知る。連れは水面という女の幽霊。水面が成仏できなかったのは悲惨な死に方をしたためだった。
おちかちゃんがお嫁に行ったあと、百物語の聞き役になった三島屋の小旦那・富次郎ですが、彼、何だか急にすごくいい聞き役になったような印象を本作で持ちました。最初はあんなに頼りなかったのに、余裕をもった聞き上手になってる。まずここに「へぇ~」ってなりました。
そして語られる話については、いい塩梅だと感じました。前作の「黒武御神火御殿」が大スペクタクルと言いますか、「総製作費100億円!」みたいなハリウッド映画並みのスケールだったので、正直なところ、少々「この先、百物語はどうなるのよ?」って心配していたところもあったんです。本作でようやく百物語の1/3。この先まだ2/3あるのよ。
確かに表題作の「魂手形」はそうなってしまいそうな雰囲気はあったけど、止まりました。たぶん、語り手の粋なおじいさん・吉富さんがよかったんだと思うのです。黒白の間に来る人の中でもトップクラスで好感度の高い語り手でした。
そして語られる百物語も、このくらいのジンワリ・ジワジワ効いてくる怖さの方が日本的でよいと思うのです。
さて、ここから言い訳。
前回の読書記録の後、読みたいと思う本と出合えなかったんです。例えば新刊でなくてもまだ読んでない作品は山ほどあるけれど、心から「読みたい!」とはならなかった。もうかなり老眼も進んでいるから、以前のように「なんでもガンガン読むぜ!」とはならなくなっていることもあります。
だからこの先は、読みたい作家さんの作品だけの読書記録になってしまうかも、です。読書自体をしなくなることはないです。時間かかっても本を読むことは好きだから、この先もやめない。…という言い訳でした。
めちゃめちゃ久しぶりの読書記録。何でこんなに間が空いてしまったのか、言い訳は後述いたします。
第三十二話「火炎太鼓」…地方の小藩にある不思議な火消し太鼓。この太鼓のおかげでこの藩は火災に悩まされることがないという。しかしその太鼓に隠された秘密はあまりにも辛く悲しいものだった。
第三十三話「一途の念」…富次郎が贔屓にしている屋台の串団子屋。その売り子のおみよが黒白の間で語り始めた不運続きの一家の話の顛末。
第三十四話「魂手形」…木賃宿の息子であった吉富。宿に連泊することになった男が、魂の里の水夫(かこ)であると知る。連れは水面という女の幽霊。水面が成仏できなかったのは悲惨な死に方をしたためだった。
おちかちゃんがお嫁に行ったあと、百物語の聞き役になった三島屋の小旦那・富次郎ですが、彼、何だか急にすごくいい聞き役になったような印象を本作で持ちました。最初はあんなに頼りなかったのに、余裕をもった聞き上手になってる。まずここに「へぇ~」ってなりました。
そして語られる話については、いい塩梅だと感じました。前作の「黒武御神火御殿」が大スペクタクルと言いますか、「総製作費100億円!」みたいなハリウッド映画並みのスケールだったので、正直なところ、少々「この先、百物語はどうなるのよ?」って心配していたところもあったんです。本作でようやく百物語の1/3。この先まだ2/3あるのよ。
確かに表題作の「魂手形」はそうなってしまいそうな雰囲気はあったけど、止まりました。たぶん、語り手の粋なおじいさん・吉富さんがよかったんだと思うのです。黒白の間に来る人の中でもトップクラスで好感度の高い語り手でした。
そして語られる百物語も、このくらいのジンワリ・ジワジワ効いてくる怖さの方が日本的でよいと思うのです。
さて、ここから言い訳。
前回の読書記録の後、読みたいと思う本と出合えなかったんです。例えば新刊でなくてもまだ読んでない作品は山ほどあるけれど、心から「読みたい!」とはならなかった。もうかなり老眼も進んでいるから、以前のように「なんでもガンガン読むぜ!」とはならなくなっていることもあります。
だからこの先は、読みたい作家さんの作品だけの読書記録になってしまうかも、です。読書自体をしなくなることはないです。時間かかっても本を読むことは好きだから、この先もやめない。…という言い訳でした。