あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

因果応報がハンパねぇ

2016-09-04 | 本(文庫本)
伊坂幸太郎さんの『死神の浮力』を読みました。
前作の『死神の精度』、伊坂マニアの人たちにしたらそうでもないらしいんだけど、私の中では伊坂作品ではTOP3に入るくらい好きなんですけど。だから新刊出たときはメッチャ喜んだクチです

大切な愛娘を殺された作家の山野辺遼夫妻。法ではなく自分たちで裁きを下そうと、間違いなく犯人なのにもかかわらず無罪判決を受けた本城への復讐を計画していた。その計画を実行しようとするタイミングで、雨の降る中、死神の千葉がママチャリに乗ってやってきた。千葉は、山野辺遼の死の可否判定をするために来たのだ。千葉は山野辺夫妻と共にサイコパス・本城を追うが……。

悲しいけど心がジワっと温かくなる物語が詰まった前作。死神の千葉が何だかとっても人間らしくて(かなり会話は成立しにくいけど)、こんな死神だったら会ってもいいかな、って思えたのでした。
その千葉とまた会えた!
今回は長編です。明らかな敵役・本城がいて、しかもコイツがサイコパスで100パー悪いやつで、どうして山野辺のところに千葉が来るわけ? って、ちょっと納得できないままに読み進めました。
でも、復讐劇の最後は、凄い展開でした。もう、因果応報がハンパないのです! サイコパスにはサイコパスにふさわしい裁きが下るのです。そして「ハンパねぇなぁ~」とは思ったけど、私の留飲もスッと下がった。

そしてエピローグ。ハンパない因果応報のあと、数年たって偶然に山野辺の奥さんを千葉は見かけるのです。このシーンとエピソードがとっても素敵で、やっぱり死神シリーズ(2作目が久しぶりすぎて、シリーズと言って良いのかどうか…)好きだわ~。
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