荻原浩さんの『誘拐ラプソディー』を読みました。
前回読んだ『ハードボイルド・エッグ』の読後の幸せ感がまた欲しくなって、欲しがりな私、続けて萩原作品にお世話になった、ということです。
金ない・家ない・女いない、あるのは多額の借金と前科だけという、ギャグみたいな名前の伊達秀吉・38歳。自暴自棄も極限に至り、自殺することを考えるが、そこで偶然に出会ったのが、どうやら金持ちの息子であろう、6歳の少年・伝助。伝助との出会いを「人生一発逆転のチャンス」と考え、伝助を誘拐してその身代金をGETしようと考える秀吉だが、実は伝助はヤクザの組長の息子だった。そんなことは知らない秀吉は、ヤクザ、警察、チャイニーズマフィアにまで追われることになり……。
主人公の秀吉は、どうしようもない人生になってしまっていて、知恵も足りないけど、すごく優しい人です。伝助だって、かなり天然な子どもだけど優しい子です。そんなふたりの間に、すぐに友情が芽生えところからも、この作品には悪人は出てこないのだろうと予感できました。
実際に、伝助の父親の組長も、工務店の親方も、チャイニーズマフィアのボスも、人相の悪い刑事も、みんな心底優しい人たち。悪になりきれない魅力的な人たちでした。
ダメダメな秀吉だけどそれを「ダメ」なだけにしていないのは、要所要所で描かれている「秀次」の存在が大きかったのではないかと思います。秀次は、幼くしてなくなってしまった秀吉の弟。その秀次への想いが、彼を悪人にさせなかったのでしょう。
ラストシーンは、散っていく桜の花びらに祝福されます。ちょっとほろりとさせられますが、秀吉のこの先は、伝助との友情を深めて行ってほしいし、どんな生業で生きるにしても、ずっと優しいままでいてほしいと願いました。
優しさがいっぱいで、だからこの作品は、やはり幸せな読後になれたのでした。
前回読んだ『ハードボイルド・エッグ』の読後の幸せ感がまた欲しくなって、欲しがりな私、続けて萩原作品にお世話になった、ということです。
金ない・家ない・女いない、あるのは多額の借金と前科だけという、ギャグみたいな名前の伊達秀吉・38歳。自暴自棄も極限に至り、自殺することを考えるが、そこで偶然に出会ったのが、どうやら金持ちの息子であろう、6歳の少年・伝助。伝助との出会いを「人生一発逆転のチャンス」と考え、伝助を誘拐してその身代金をGETしようと考える秀吉だが、実は伝助はヤクザの組長の息子だった。そんなことは知らない秀吉は、ヤクザ、警察、チャイニーズマフィアにまで追われることになり……。
主人公の秀吉は、どうしようもない人生になってしまっていて、知恵も足りないけど、すごく優しい人です。伝助だって、かなり天然な子どもだけど優しい子です。そんなふたりの間に、すぐに友情が芽生えところからも、この作品には悪人は出てこないのだろうと予感できました。
実際に、伝助の父親の組長も、工務店の親方も、チャイニーズマフィアのボスも、人相の悪い刑事も、みんな心底優しい人たち。悪になりきれない魅力的な人たちでした。
ダメダメな秀吉だけどそれを「ダメ」なだけにしていないのは、要所要所で描かれている「秀次」の存在が大きかったのではないかと思います。秀次は、幼くしてなくなってしまった秀吉の弟。その秀次への想いが、彼を悪人にさせなかったのでしょう。
ラストシーンは、散っていく桜の花びらに祝福されます。ちょっとほろりとさせられますが、秀吉のこの先は、伝助との友情を深めて行ってほしいし、どんな生業で生きるにしても、ずっと優しいままでいてほしいと願いました。
優しさがいっぱいで、だからこの作品は、やはり幸せな読後になれたのでした。
移動距離が長ければ長いほどたくさん読める、という仕掛け。
この12月と1月は、本当に「本を読むのは電車の中だけ」になりそうです
この作品、ヤバい人ばっかり出てくるけど、最後はじわっと幸せな感じになれちゃいます。
春が来る前に読むのもタイミング的にイイかもね~
とみさんの話を聞いてるだけで、勝手に色んな読後感のお裾分けしてもらってます(笑)
その中でも今回の温かい感は、いよいよの寒さと年末の慌ただしさで、なんとも殺伐としつつある気持ちをフンワリさせてくれそうだし、お正月の嫁修行に御守り代わりに携行しようかなーと思ったりしました。