三浦しをんさんの『あの家に暮らす四人の女』を読みました。
150坪もある土地に建つ洋館。この家には4人の女が暮らしている。刺繍で生計を立てている37歳の佐知、その母・鶴代、佐知と偶然知り合った同年代の雪乃、幸乃の会社の後輩で10歳年下の多美恵。ひとつ屋根の下で大きなトラブル(小さなトラブルはある)も起きることなく共同生活は成り立っていた。ある日、雪乃が「開かずの間」の掃除を思い立ち、部屋の中へ入って行くと……。
古い大きな洋館で女4人の生活。もうこれだけで世離れしている感じがプンプンするのですけど、この家で起きる出来事がちょっとミステリーっぽくもあるので、違和感はありません。それよりも素敵なのは、父親の存在を知らずに育った佐知と母親である鶴代の関係、そこに他人を招き入れて一緒に生活をすることになる雪乃や多美恵との関係でした。
その不思議な雰囲気は、そのまま「カラス」が語り始めたり、もうこの世にはいない佐知の父親が出てきたりと、とことん不思議な世界が広がってきます。
こういうのが苦手な人ならこの作品に対する評価は低くなるだろうけど、そこじゃないと思うんですよ、この作品の良さって。
家族だろうが他人だろうが、綺麗なものだろうが不気味なものだろうが、大切だと感じられるものなら、尊いと思えるものであれば、否定せずにマルっと受け入れていればいいんじゃないのかな、という考え方なのだと思うのです。将来に対する不安があっても、信頼できる人やモノと適度な距離感を保って日々暮らす。それを説教臭くならずに教えてくれた作品です。
私にとっては何より、この春に善福寺川緑地の桜に会いに行くきっかけを作ってくれたことに感謝。この家は善福寺川緑地のあたりに建っていて、4人でお花見をするシーンが描かれていたのでした。素敵でした。
150坪もある土地に建つ洋館。この家には4人の女が暮らしている。刺繍で生計を立てている37歳の佐知、その母・鶴代、佐知と偶然知り合った同年代の雪乃、幸乃の会社の後輩で10歳年下の多美恵。ひとつ屋根の下で大きなトラブル(小さなトラブルはある)も起きることなく共同生活は成り立っていた。ある日、雪乃が「開かずの間」の掃除を思い立ち、部屋の中へ入って行くと……。
古い大きな洋館で女4人の生活。もうこれだけで世離れしている感じがプンプンするのですけど、この家で起きる出来事がちょっとミステリーっぽくもあるので、違和感はありません。それよりも素敵なのは、父親の存在を知らずに育った佐知と母親である鶴代の関係、そこに他人を招き入れて一緒に生活をすることになる雪乃や多美恵との関係でした。
その不思議な雰囲気は、そのまま「カラス」が語り始めたり、もうこの世にはいない佐知の父親が出てきたりと、とことん不思議な世界が広がってきます。
こういうのが苦手な人ならこの作品に対する評価は低くなるだろうけど、そこじゃないと思うんですよ、この作品の良さって。
家族だろうが他人だろうが、綺麗なものだろうが不気味なものだろうが、大切だと感じられるものなら、尊いと思えるものであれば、否定せずにマルっと受け入れていればいいんじゃないのかな、という考え方なのだと思うのです。将来に対する不安があっても、信頼できる人やモノと適度な距離感を保って日々暮らす。それを説教臭くならずに教えてくれた作品です。
私にとっては何より、この春に善福寺川緑地の桜に会いに行くきっかけを作ってくれたことに感謝。この家は善福寺川緑地のあたりに建っていて、4人でお花見をするシーンが描かれていたのでした。素敵でした。