あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

初の中国古代史小説

2007-10-19 | 本(文庫本)
只今、本を読む時間を天からたっぷり与えられております。まだ読んでいない文庫本がかなり積み上げられていたはずなのに、全部読んでしまいました。本を読む時間があるのはありがたいのだけど…。
近所に夜遅くまで営業している古本屋さんがあります。とりあえず面白そうな本はないかと、文庫本コーナーへ。作家名順に並んでいる背表紙をみていて「み」のところで止まりました。3巻セットで置いてあったのが、宮城谷昌光『重耳』。以前、ハナキャップさんに教えてもらったものです。

読み始めてみたら、これが評判どおりの面白さです。あっという間に、中国春秋時代の物語の虜になっていました。夢中になって読んでいた『三国志』の時代のはるか前、紀元前600年代の頃の話です。紀元前の中国古代史は未知の世界でした。

   晋の献公が寵愛した驪姫が、その子・奚斉を太子に立てようと画策。
   太子・申生(重耳の兄)は自殺し、重耳(ちょうじ)と弟・夷吾は、他国へ出奔する。
   命を狙われ、飢えに苦しみながらの放浪を支えたのは、狐偃ら臣たちだった。
   重耳の諸国放浪は19年に及び、帰国して62歳で君主となり、天下の覇権を握る。

重耳の在位は9年でしたが、晋随一の名君と言われ、春秋五覇の一人に挙げられています。しかし重耳という人は、決してスーパーマンでも聖人でもありません。どちらかと言えば、純朴で一歩引いてしまうような性格で、小説を読む限り『本当に名君になるのか?』と、思ってしまったほどです。
重耳を名君にしたのは、苦楽を共にした臣たちの存在が大きかったことにな違いないのです。郭偃・狐偃・趙衰・介子推など、小説には魅力的な人物がたくさん登場します。重耳は臣下に恵まれるだけ恵まれました。

そう思いながら読んでいくと『三国志に似ているかも』と思えてきました。似ていると思ったのは「臣に恵まれている」というところです。
劉備も臣に恵まれ、蜀を得ることができました。重耳も劉備も、生まれながらに人の心を惹きつける魅力があり、「この人のためなら命を捨てても良い」とまで思わせるものを持っている。例えば重耳なら狐偃、劉備なら諸葛亮。
そんなことを考えながら読んだ『重耳』は、爽快な読後を与えてくれました。
宮城谷さんは『三国志』を執筆中です。重耳をこう描いた作者が『三国志』どのように見せてくれるのか、ものすごく期待しちゃいます。すでに単行本で「赤壁」あたりまで出ているから読めば良いのに、でもやっぱりすっかり物語が終わって、文庫化されるまで待つつもりでいます。

『重耳』が期待以上に面白かったので、続けて『孟嘗君』も読み始めて5巻中3巻まで終わりました。『孟嘗君』はよりエンタテインメント性が高く、ワクワクしながら読み進めています。
しばらくは宮城谷昌光作品にドップリはまってしまいそうです。
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6 コメント

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やっば! (ねぎ)
2007-10-20 16:17:31
漢字が読めないんですけど

今日aoyamaのCD、タワレコに買いに行きましたよ
こういうの、ものすごく好きかも
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ねぎちゃん (とみ)
2007-10-20 18:47:11
中国の人の名前の漢字は難しいからねぇ~…って、読む努力はしてね

おお 『月を読む』を買ったのね エライ!
ご褒美に飴ちゃんを週明けにあげます。お楽しみに~。
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こんばんは~ (ふうちゃ)
2007-10-20 22:02:16
とみ様 その後体調のほうは いかがですか?
今日は いいお天気でしたが こちらもすっかり秋です。
ドウダンの葉っぱも 赤く紅葉しています。
柿の実も 色づいていますよ~

秋の夜長だったら いいのですが・・・
とみ様 ほんとに お体に気をつけてくださいね

昨日 CDショップから「CD 入荷しました!」って 連絡がきて 「えっ!20日のですか?」って 聞いてしまいました
急いで もらいに行って さっそく聴きました~
やっぱり すてきな歌たちですね~
いままでは 試聴だけでしたが 全部聴けてうれしいです。

ジャケットもいいですね!
端についている紙?の裏も かわいい

寝る前に聴くと とっても癒されます
とみ様 教えてくれてありがとうございました~

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ふうちゃさん (とみ)
2007-10-21 14:15:00
aoyamaのCD、聴いていただけたんですね ありがとうございます。
私も昨日からずっと聴き続けて、素敵な休日を過ごしているところです。
ジャケットのデザインはりえちゃんの担当で、そこも気に入ってもらえたようで嬉しいです

それと、私のことで心配をおかけました
投薬と2週間に一度の血液検査を、年内中の予定で続けることになりました。
治療方法は「村長んちのテンテコと同じやん!」なんです。テンテコと一緒に頑張ります
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いつの間に~! (ハナキャップ)
2007-10-22 18:43:48
もう孟嘗君までいってんの?!
ハマルっしょ~っ?!
うふうふ☆宮城谷ファンが増えて嬉しい! そしてココで紹介されて嬉しい!
今ね、浅田さんの「五郎治殿御始末」を読み始めたとこです。
やっぱし私、浅田さんは時代小説のが好きかも。

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ハナキャップさん (とみ)
2007-10-22 23:43:33
本日をもって『孟嘗君』、読了です
『重耳』も『孟嘗君』も「やっべぇ~、スッゲ~面白いよ~。止まらないよ~!」でした。
本当に暫くは宮城谷さんの作品に行っちゃいそうです
面白い小説を教えてくれて、ありがとう

『五郎治殿御始末』は、ラストが「ほ~ぅ」って、なっちゃった作品でした。
浅田さんの作品にしては、珍しい締めくくりだったような気がしました
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