あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

これは、深いぞ!

2013-12-28 | 本(文庫本)
三崎亜記さんの『鼓笛隊の襲来』を読みました。
今年もあと3日? まじで? という感じですが、更新もままならず、今年中に記したい読書記録が!
そんな焦りもある状況で今回読んだこの本作。久しぶりの三崎亜記作品で、かなり楽しめました。

気になるのはタイトルです。『鼓笛隊の襲来』って……。鼓笛隊が何故襲いかかる? 鼓笛隊にそんなイメージはないぞ。と思いながら読み始めましたら、9つの短編小説からなる本作の面白さが「襲来」してきました。

(「鼓笛隊の襲来」)
赤道上に発生した戦後最大規模の「鼓笛隊」。猛烈に勢力を拡大しながら列島に上陸する。鼓笛隊の直撃を恐れた住民は次々と避難していくが、施設から義母を呼び戻してともに自宅で一夜を過ごすことにした「わたし」。義母は「一昔前まで鼓笛隊は人間と共存をしていて、決して怖くないものだ」と言う。しかしいよいよ接近してきた鼓笛隊が響かせたのは、悪夢のような行進曲だった。


日常に中に奇妙なものや出来事などが紛れ込んだ設定の作品たちに、軽く混乱します。
戦後最大勢力で上陸する鼓笛隊、本物の象の滑り台、校庭の真ん中に建つ家、恋人を乗せたまま消えた電車……。
混乱しますが、全然不快なものではありません。むしろラストは温かい気持ちになる作品たちでした。そして考えさせられます。常識と思っていることと本来の意味(姿)とのギャップとか、世間の常識と言われているものと自分で納得できるのものとの違いとか、考えさせられたりするのです。
あっという間に読めてしまいましたが、サラッと読んでしまうには勿体ないような、「実は深い。かなり深い!」と感じた作品でした。
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