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宮部みゆきさんの『おそろし』を読みました。
サブタイトル的に「三島屋変調百物語事始」とあるとおり、100の怪談を綴る新たなシリーズになる作品です。大歓迎!
「怪談」とか「百物語」とはいっても、おどろおどろしく、夜にトイレに行けなくなるようなものではありませんでした。解説で文芸評論家の縄田一男さんも書いていらっしゃいましたが、実に「やさしい怪談」でした。
川崎宿の旅籠の娘・おちかは、体験してしまった惨劇から、かたくなに心を閉ざしてしまっていた。そんなおちかを不憫に思い、江戸で袋物屋「三島屋」を営む叔父夫婦がおちかをひきとる。そして叔父の伊兵衛がおちかのためにとった「策」は、客を自宅の「黒白の間」に招き、実際に客が体験した不思議な話を語らせ、おちかを聞き役にすることだった。伊兵衛のもくろみ通り、聞き役になったおちかの心は、徐々にほぐれていく。
「やさしい」けれどそこは百物語です。神経のちょっとしたところがひやっとしたり、ちくっとしたりもします。そして本当に「おそろし」なものも見えてきます。
念を残して亡くなった人の姿が見えることが「おそろしい」のではないのです。そりゃそうなったらビックリはするでしょうけど、それが「いちばん怖い」わけではない。いちばん怖いのは…。
どうぞ新しい「百物語」の世界をお楽しみください。
サブタイトル的に「三島屋変調百物語事始」とあるとおり、100の怪談を綴る新たなシリーズになる作品です。大歓迎!
「怪談」とか「百物語」とはいっても、おどろおどろしく、夜にトイレに行けなくなるようなものではありませんでした。解説で文芸評論家の縄田一男さんも書いていらっしゃいましたが、実に「やさしい怪談」でした。
川崎宿の旅籠の娘・おちかは、体験してしまった惨劇から、かたくなに心を閉ざしてしまっていた。そんなおちかを不憫に思い、江戸で袋物屋「三島屋」を営む叔父夫婦がおちかをひきとる。そして叔父の伊兵衛がおちかのためにとった「策」は、客を自宅の「黒白の間」に招き、実際に客が体験した不思議な話を語らせ、おちかを聞き役にすることだった。伊兵衛のもくろみ通り、聞き役になったおちかの心は、徐々にほぐれていく。
「やさしい」けれどそこは百物語です。神経のちょっとしたところがひやっとしたり、ちくっとしたりもします。そして本当に「おそろし」なものも見えてきます。
念を残して亡くなった人の姿が見えることが「おそろしい」のではないのです。そりゃそうなったらビックリはするでしょうけど、それが「いちばん怖い」わけではない。いちばん怖いのは…。
どうぞ新しい「百物語」の世界をお楽しみください。