あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

これ、良い!

2010-06-23 | 本(文庫本)
畠中恵さんの『まんまこと』を読みました。
久しぶりの畠中作品。「しゃばけ」シリーズは相変わらず好評のようで、新作も出ていましたが、別の作品を読みたくて手にしたのがこれ。町名主の跡取り息子が主人公ですから、妖は出てこなくても「しゃばけ」と同じようなキャラクターが出てくるのだろうと予想しながら読み進めました。

最初に言っちゃいますね。この作品、かなり良い!

物語の舞台は江戸は神田。主人公の麻之助は、八つの町を支配町としている名主・高橋家の跡取り息子。町名主生真面目で勤勉な評判だったのが、16歳になった途端、お気楽な若者になってしまう。
町名主の高橋家では、町のちょっとした揉め事などを玄関先で裁定するのが仕事。普段はお気楽な麻之助だけど、お裁きのほどは…。

町名主が裁定するほどのものだから、それほど大きな事件ではありませんが、逆にリアル。本当にこの時代に生きていた庶民には、こういう揉め事や困りごとがたくさんあって、町名主がキッチリおさめて日々の暮らしが保たれていたのだろうと考えながら読むのが楽しかったです。
それに加えて、たっぷりの江戸の人情話、いろんなおとなの事情、切ない恋心、遂げられない想い…。これらがシュルシュルっと絡み合って、良い塩梅に仕上がっているのか心地よかった。ずっとシリーズ化して続けてほしい作品です。
多分「しゃばけ」シリーズだけで畠中恵という作家を評価すると、痛い目にあいます。どちらかと言うと、この『まんまこと』のシリーズの方で評価されるべきではないかと思ったりするのですが、どうでしょう?
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