三浦しをんさんの『きみはポラリス』を読みました。
これまでにも三浦さんの作品はいくつか読んでいますが、この初期の作品集は未読だったので。
短編恋愛小説集ということで苦手分野ではあるけれど、ラノベっぽい作品集ではないだろうと期待して読み始めたのでした。
結果、良かった。ラノベじゃない!
本作には11の短編が収められていますが、どの恋愛もお決まりの「型どおり」ではありませんでした。作品ごとに人物設定やストーリー展開が大きく異なっていて、ただ単に恋心を成就させようとしている、ってものではなくて、ちょっとドロっとした背徳感のようなものもあり、それがいろんなケースで描かれていて、まったく飽きずに、抵抗感なく読めてしまいました。
そして短編集のある意味「お決まり」である表題作が、この作品にはありません。読後、全作品を通して恋愛対象者が主人公にとってのポラリス(北極星)なのだなと、分かる仕掛けでした。
印象深かった順にあげると、「冬の一等星」「骨片」「夜にあふれるもの」「私たちがしたこと」「春太の毎日」。
とくに「冬の一等星」は、一瞬「恋愛」を描いた作品ではないと思えるのだけど、実は深い恋愛の感情が描かれていました。主人公にとって確実に「ポラリス」(北極星は本当は二等星だけど)であった人。相手のことはそれほど知っているわけではないけど、その後の人生においてずっと導いてくれる存在になった、ということ。深い。
ただ単に「好き」だの「くっついた・別れた」の恋愛小説ではない、本質をサラリと読ませてくれた。11月は生活パターンが少し変わってしまってオタオタしていたので、本作で精神的に慰めてもらったような気がしています。
これまでにも三浦さんの作品はいくつか読んでいますが、この初期の作品集は未読だったので。
短編恋愛小説集ということで苦手分野ではあるけれど、ラノベっぽい作品集ではないだろうと期待して読み始めたのでした。
結果、良かった。ラノベじゃない!
本作には11の短編が収められていますが、どの恋愛もお決まりの「型どおり」ではありませんでした。作品ごとに人物設定やストーリー展開が大きく異なっていて、ただ単に恋心を成就させようとしている、ってものではなくて、ちょっとドロっとした背徳感のようなものもあり、それがいろんなケースで描かれていて、まったく飽きずに、抵抗感なく読めてしまいました。
そして短編集のある意味「お決まり」である表題作が、この作品にはありません。読後、全作品を通して恋愛対象者が主人公にとってのポラリス(北極星)なのだなと、分かる仕掛けでした。
印象深かった順にあげると、「冬の一等星」「骨片」「夜にあふれるもの」「私たちがしたこと」「春太の毎日」。
とくに「冬の一等星」は、一瞬「恋愛」を描いた作品ではないと思えるのだけど、実は深い恋愛の感情が描かれていました。主人公にとって確実に「ポラリス」(北極星は本当は二等星だけど)であった人。相手のことはそれほど知っているわけではないけど、その後の人生においてずっと導いてくれる存在になった、ということ。深い。
ただ単に「好き」だの「くっついた・別れた」の恋愛小説ではない、本質をサラリと読ませてくれた。11月は生活パターンが少し変わってしまってオタオタしていたので、本作で精神的に慰めてもらったような気がしています。