アンと家族と日常と

愛犬アンと家族の日常です

自分で決めたゴール・・1

2015-12-28 09:38:03 | 日記
「すみません、遅くなりました!まだ終わらないですか?」

「うーん、もう少しかな。まだ残って仕事していたんだね?」

「はい、やり残した仕事があったので・・」

「で、終わったの?」

「はい、終わりました。では先に帰りますね!お疲れ様です!」

「うん、お疲れ様!また来年ね!」

ニコッとした笑顔をみせ、帰って行きました。

今から11年前の今日、彼と交わした最後の会話です。

俺がまだ工場で機械を扱っていた時の「仕事納め」の日。

年内の仕事が終わらず、一人残って残業していました。

みんな挨拶をして帰って行ったので、もう誰も残ってないと思っていたら彼がひょっこり現れたのです。

彼がやり残した仕事は「俺宛の遺書」だったのです。


翌年の初出の日、彼が亡くなった事を社長から聞かされ、何が何だかわからず・・

同僚の社員が、工場事務所の俺の机の中から見つけてくれました。

熊本でも夜景がとても綺麗なところで、1月2日の早朝に彼は発見されました。

今でも、「最後に帰る前、机の引き出しを開けていれば・・」と後悔します。

遺書はパソコンで書かれていました。

字が上手でない彼に、「下手でもいいから丁寧に書いて!」とよく冗談混じりで話していましたからね。

遺書の最初の言葉は、

「今までありがとうございました」でした。

そして「自分で決めたゴール」だと・・

約3年前から考えていたので気にしないでくれとも書いてありました。

1月2日に着くように岐阜の両親にも遺書の手紙を書き、赤十字のドナー登録までしていました。

親宛ての遺書には、

「俺の身体で人の為に成るのがあれば、その方達に譲って下さい」とも書いてあったそうです。

彼と一度、宝くじの話をしたことがあります。

彼は、もし当たったら

「○○さんに投資します!」と俺に投資する事を言いました。

「またまた~嘘だろ?」と返していましたが・・

今となっては、その言葉が支えになっている時もあります。

俺の後悔は、机の引き出しを開けなかった事より、彼に「生きる事」を教えてやれなかった事です。

生きる辛さ、生きる楽しさ、生きる強さ、生きる喜び、生きる事で得る幸せを教えてやれなかったのですね。

来年でもう13回忌になります。

実は俺のとった行動で、岐阜におられる彼の両親から全く返信がこなくなりました。

自分のとった行動は間違っていないと思っています。

でも返信が来ない事は正直辛いです。

また今度話しますね。




彼の使っていた椅子です。いわゆる「形見」です。

あの初出の日から俺がずっと使っています。

11年間洗ってないのは問題ですが・・
^^;

さてこれから息子の野球の

「お別れ試合」です
(^^)

しっかり応援してきますよ~
(^^)/

長々と読んで頂いた方、ありがとうございます
m(__)m