ダムの奏でる

和佐保発電所取水堰

和佐保発電所取水堰

 神通川水系和佐保谷川 岐阜県飛騨市

 訪問日 2024/9/3

 

 新猪谷ダムから南下。道の駅スカイドーム神岡で一休み。神岡といえば、スーパーカミオカンデがある所。道の駅の隣には、ひだ宇宙科学館カミオカラボがあり、スーパーカミオカンデについて学ぶ事が出来ます。スーパーカミオカンデはどこにあるのかというと、神岡鉱山の採掘坑(茂住坑)の地下1,000mにあるのですね。
 神岡鉱山では金、銀、銅、鉛、亜鉛などの鉱物が採掘されてきました。鉱物は、選鉱・製錬により必要な部分と不要な部分とに分けられますが、不要な部分を堆積させる施設を鉱滓ダムといいます。形としてはフィルダムに似ています。神岡鉱山の鉱滓ダムは、神岡鉱業(株)和佐保堆積場になります。鉱滓には有害成分が含まれることがあるため、それらの成分を川に流出させるわけにはいきません。鉱滓ダムは谷にに作られています。谷には元あった川が流れているわけですが、有害成分が混ざらないように鉱滓ダムを迂回する設備が必要になります。和佐保堆積場の上部からには、鉱滓ダム下にバイパストンネルが設けられ、和佐保谷川の水を迂回させていました。2015年(平成27年)には、和佐保発電所が運用開始され、和佐保堆積場上部に取水堰が造られました。説明が長くなってしまいました。『発電用ダム』の様に一言で済ませられれば良かったのですが…
 さて、その取水堰です。堰堤のような構造物はありましたが、上流側は貯水できるようになっていません。バイパストンネルが主な機能ですから、大水が出た時に堆積場に水が入らないようにする防災ダムのような感じかもしれません。取水堰の部分にはラバーゲートが見えました。バイパストンネルの方には水は流れていません。複雑で理解するのに時間がかかった構造。その理解が正しいとは限りませんが。
 その後は、和佐保堆積場を眺め、鉱滓ダム直下の和佐保発電所へ。鉱滓ダムの下流面(?)は樹が伸びて形が分かり難い。浅井田ダムから東町発電所への水路橋もあります。
 また神通川流域では日本の四大公害病のひとつ、イタイイタイ病があったことを忘れてはなりません。
 学ぶことの多い訪問となりました。

 


和佐保発電所取水堰  堰堤?下流面

 


上流側  貯水出来るように見えない

 


立入禁止のため近寄れず  右は除塵装置、左に取水ゲートがあると思われる

 


堰堤?の上流側

 


天端の入り口

 


バイパストンネル

 


天端の奥側から

 


鋼製起伏ゲート(SRゲート)が見える

 


下流方向を眺める

 


流水占用許可標識  ちょっと調べましたが水利使用標識との違いが分かりませんでした

 


和佐保堆積場  上側から

 


和佐保堆積場  事務所付近

 


和佐保堆積場(鉱滓ダム下)   真中の水平なところが天端にあたる部分と思う

 


和佐保発電所

 


浅井田ダムから東町発電所への水路橋

 


水路橋の向こう側  鉱滓ダム直下

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