1987年のドイツ作品「バクダットカフェ」を今、観終えた。
緑の少ない砂漠化した中にあるうら寂しいモーテルが舞台だ。
珈琲も大型トレーラーも寂しさを伝える小道具になる。
暮れゆく空は光を含んだ透明感のある濃いピンクから群青へと繋がっている。
モーテルのネオンサインは「H」だけが点かないまま裏側から撮される。
日常のゆとりのなさは心のゆとりのなさへと繋がってゆく。
そこへスーツ姿のご婦人があらわれるのだが「絶対に掃除を始めるぞ」と私は期待した。
やっぱりである。
私は掃除が嫌いなのだが整理整頓は大好きだ。どの映画であれ掃除して室内が整ってゆくのをみるとワクワクする。
このご婦人はメアリーポピンズを彷彿とさせた。
少しずつカフェに集う人々は幸せになってゆく。
台詞もない映像がそれを伝える。
ハッピーエンディングである。
私はこのハッピーエンディングについて行かれなかった。
幸せ慣れしてないのか根性が曲がっているのか?
己が情けない気分になってしまった。
ぬくぬくと幸せそうに眠る猫は可愛い。
見習うべきである。
けど、今さら私にどうしろと?
仕方ない、根性まがりのまま生き抜くのみだ。
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