約束していたはずの超美猫が風邪をひいてお渡しの約束日時が延びることになった。
上の子は聞き分けたが下の女の子は我慢ができない。
待てない。ワガママでもあった。
なんでもいい、早く欲しいと騒ぐ。
残っていたのは子猫のくせにジジムサイ猫だった。
妙に人間くさい不思議な猫。
しかも子猫と呼べるギリギリの大きさだった。
とはいえ何でもいいと騒いだ女の子は満足した。
その家の奥さんは実はそのジジムサイ猫が気に入っていたのだという。
ジジムサイ猫は家族中に愛された。ワガママ少女は人形の洋服を着せたりととんでもないのに猫は少女を愛して教育係となった。
家の中のどこにいるのか虫を捕まえては枕元に持ってくる。
猫は時々、留守番をした。
静岡の実家に一泊二日で家族は出掛けるのだ。
帰宅すると猫は「ふん、帰ってきたか。ご苦労さん」と言う。
ある日、帰宅が1日延びた。水も餌も充分ある。
でも猫はかなり不安で辛かったのだろう。
帰宅した家族のもとにすっ飛んでいった。
「お帰り、お帰り。僕、捨てられたのかと思った」
猫も泣いたが家族も泣いた。
虹の橋を渡ってしまった猫の話は今も家族の大切な大切な思い出話となっている。
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