【申告】
献体です。電池ボックスの金具が錆びていますが、再利用してください。
【初診】
2003年に発売されたプリモプエルCタイプの ”プリンちゃん” です。20年が経過していますが、外観はとてもきれいな状態です。あまり遊ばず電池も入れたまま大切に長い間眠っていたものと推測されます。
プリモプエルの遊び方です。
まずは、電極のサビだけの問題か否かを確認するため、ユニバーサル電源を接続すると声が聞こえましたので電極治療に着手します。
4箇所ある負電極のバネがすべて錆びて、凄いことになっています。電極形状が特殊なものなので、バネだけを交換しようと思います。
以前献体されたおもちゃから取ってあった電極のバネ部を切り離して、プリモプエルの電極板に取り付けます。
制御ボックスを分解して、負電極のバネを交換しました。
初めての患者さんなので、内部の様子も観察しました。
制御ボックスは、各センサー、ボタンとケーブルで接続されています。構造は日本的なもの作りです。プリモプエルは、モータを使った駆動部はないので比較的治療内容も限定されそうです。しかし、スイッチやセンサーを確認治療するためにはぬいぐるみの縫製が関連するので、電気的な治療よりも縫製治療に手こずりそうな患者さんです。
他のおもちゃ病院の情報では、おでこセンサーと左ほっぺセンサーは明るさを検知するCds素子(*1)を使っています。着ぐるみの汚れなどによりセンサー感度が変わり動作状態が変わることもあるようです。
【治療後記】
電池の液漏れにより電極が錆びていました。バネの交換で再び命を吹き込む事ができました。新たな持主さんへ引き継ぐことにしましょう。
【おまけ】
*1:Cds素子とは
CdSは、光の当たる量によって抵抗値が変化し、明るくなると抵抗値が小さくなる特性の素子です。身近なところでは、暗くなると明かりが点くライトなどに使われていますよ。