【申告】
タイヤのゴムが無くなったので、空転して進まない。
【初診】
2個有るゴムタイヤの片側がなく、残っているタイヤも片減りして劣化しています。
前輪の内部は、次のようになっています。
タイヤを作るために2通りを試作検討しました。
治療法1:現在のホイールを両側から3枚のラバーで挟み込むようにタイヤを形成する。
治療法2:ホイールを作り直し、ホイールの溝にラバーを挟んでタイヤを形成する。
まず、治療法1で進めてみましたが、ラバーの接着面積が小さくタイヤを作る事が出来ませんでした。強度的にも疑問があります。
そこで、治療法2で進めます。ホイールを3Dプリターで作成するのですが、問題は糸巻き形状のためサポートを構成する必要があり、サポートをこの小さいホイールから分離できるかです。
2,3サポートの付け方を試し、何とか分離できる条件を見つけられ作成できました。
無事に前輪が付いて動き回ることができるようになりました。
【治療後記】
壁旋回方式のおもちゃは、見ていて飽きないおもちゃのひとつです。仕組みは簡単なのですが最初に作った人はすごい!
【おまけ】
熱溶着型3Dプリンタの場合、今回のように下から上に積み重ねて造形をします。一般的に45度を超える頭でっかちのような形状では、重ねていく足場がないため積み重ねができません。
今回のホイールも、サポートがないと上側の張り出した箇所が下に垂れて造形が崩れてしまいます。そのため、仮の足場が必要でありそれがサポートです。ところがこのサポートは造形後には除去しなければならないのですが、このサポートも当然ながら造形物と接触して固まるため除去できなくなる場合が出てきます。そこで、サポートの付け方を変えることで折り合える条件を探すことになります。