【申告内容】
音声再生スピードを変えるつまみ(再生テンポ)を回しても、変化しません。
【初診】
toyroyalの色々な遊びができるおもちゃです。五角台の形状で天面にも玉を動かせるようになっています。
内部の配線材は、しっかりした材質のものが使用されており、治療していると別の配線が半田付け部から切れてしまう様なことは有りませんでした。
再生速度を変えるのは、可変抵抗器で行われています。
可変抵抗器に印刷されている”B100K”とは、0~100KΩまで軸の回転角度に正比例して抵抗値が変化するという意味です。
つまみを回すと摺動子が回転し、端子1,3を結ぶ抵抗印刷部の接点と端子2の接点で、端子1,2間あるいは端子2,3間の抵抗値が変化します。
今回端子1,3間は、90KΩあり抵抗値精度±20%の規格値に入っていて問題ありません。ところが端子2との抵抗変化がありません。いろいろ触って見ましたが、正常動作をしないためこの抵抗器を交換しました。
他に病はないかと検査すると、
・パチンコ玉を弾いても上に上がりきれず戻ってきます。
・ダイヤルを回して玉がスパイラル軸に沿って上部へあがりません。
の病が見つかりました。そして、2つの病は先人ドクターのカルテにもある持病の様です。
パチンコは、シリコンを両面テープで貼り付け、パチンコ玉が上がるようになりました。
回転ダイヤルをまわしても紫色したスパイラル軸とが空転して回りません。本来はこの軸にはクラッチ構造があるのかもわかりませんが、この部分はツメで固定されているのか外すことができません。また、先人のカルテによるとシリコンを塗布すると玉がスムーズに動くとの記載がありましたので、内側よりΦ3mmの穴をあけ軸の接着とシリコンの塗布をしました。
スムーズに動くようになりました。
【治療後記】
内部配線の材質の選択は良くて、治療中に切れるようなこともなく助かりました。
このような玉を動かすおもちゃは色々ありますが、やはり動きが悪くなって来院することが多々あります。表面をこすりながら動くので表面状態が荒れて動きがわるくなると思います。このような場合は、シリコンスプレーが有効ですね。
パチンコのスポンジは素材選択ミスとは思いますが、他の遊びは楽しく遊べます。