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おもちゃ病院さど Doctor_Rの治療カルテです。

あんぱんいくつ? が来院しました。

【申告】

 動きません

【初診】

 20年近くになるあがつま製のアンパンマンの知育おもちゃです。

 右手のバスケットにアンパンを入れ、左手には数のおもりを下げてバランスを取ることで、数量と数字の関係を理解するものです。

 電池ボックスを見ましたが、液漏れによる腐食がひどいと言う状態ではありませんでした。さっそく内部を確認して行きました。

 

 内部の配線が外れている様子もなく、制御基板の電圧値から確認して行きました。電圧値は、2本の電池が直列に繋がっていますので3Vあるはずですが2.3V程しかなく、電池ボックスの端子でも同じ状態でした。

 ヒューズはなく、電池ボックス内の接続と電極だけです。よくよく観察すると2本の電池をつなぐ電極に曇ったように見える箇所がありました。

  

 電極板とスプリング間をテスターであたると抵抗値を持っていました。スプリングを外すとかしめている箇所で腐食を確認出来ました。以前に液漏れがあって拭き取ったのかも分かりませんが、スプリングの根元までは拭いきれなかったのかも分かりません。

 さび取り剤でさびを落として、かしめ直しました。

 これで、終了かと思いましたが20年近い年数は甘くありませんでした。電源スイッチの接点も表面が酸化しており、抵抗値をもって動作を始めませんでした。

 同様にさび取りをして、動作を確認出来ました。

 

【治療後記】

 おそらく長い年数眠っていたアンパンマンだとおもわれます。ていねいに保存されていたため重傷にならずに健康を取り戻せました。

 

【おまけ】

 バランス判定のしくみです。判定ボタンを押すとアンパンマンが答えてくれます。

 左右の手のバランスにより、天秤に繋がっている三角形状に付いている接点が左右に振れます。

 判定ボタンを押されると谷形状の天秤位置確認爪が跳ね上げられ、天秤に繋がっている三角形状箇所と勘合します。

 図示しますと以下の様になっています。

 両脇にある接点と天秤に付いている接点が触れるか否かで3つの状態を判断しています。

 

 

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